小諸の活性化をめざし「シードルワイナリー&ステイ」年内オープン目指す

2018年10月24日 21:22

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 2015年から信州小諸の浅間山麓で、後継者不在の畑を借りてりんごを栽培しているプラスフォレスト。2016年からは、栽培したりんごを原料とし、知人のワイナリーにシードルを醸造してもらい、「アンシードル」の商品名で発売。2018年中には小諸市街地の空き家を改修してワイナリーをオープン、自らオリジナルのシードルの醸造を始めることを目指している。ワイナリーには宿泊施設も併設し、城下町「ワイナリー&ステイ」により小諸の地域活性化を図る。

 シードルとは、りんごの果汁を発酵させた発泡酒。ここ数年、世界的にシードルの人気は高まりを見せている。りんごの爽やかな酸味、低プリン体、グルテンフリーの低アルコール飲料として、女性やヘルシー志向の男性を中心に関心が高い。長野県では北から南に至るまで、ワイナリー・りんご農家・酒蔵がオリジナルのシードルを造り、その銘柄数は59と日本一を誇っている。

 プラスフォレストが、空き家を改修して作るアンワイナリーは、1階が3基の発酵タンクを備えた醸造所、2階が宿泊できる空間となる予定。ワイナリーは小諸駅から徒歩5分と交通至便で、周辺には懐古園や本陣、大手門、本町などの観光名所も立地することから、観光客や、シードルやワインに興味がある客の滞在を見込む。「ワイナリー&ステイ」というユニークな空間を通じ、来訪者に城下町小諸への関心を深めてもらい、同時に、駅前の活性化、小諸市街の空き家・店舗の再利用促進への貢献を図る。

 現在、プラスフォレストが借りている畑では、ふじ、しなのスウィート、しなのゴールド、紅玉を栽培。りんご加工産業を地元に創出することで、後継者不足による地域のりんご畑の荒廃にブレーキをかける効果もねらう。また近年、醸造委託を受けるワイナリーが集中し、希望するタイミングや造りでの醸造が難しいという課題に応えることも検討。りんご以外にも桃やいちご等の発泡酒を作りたいとのニーズがあれば、柔軟に対応することで、小諸の果樹農家に新しい可能性を広く提供したいという。

 ワイナリー建設費用はクラウドファンディングを通じて募っている。10月22日に第1次目標金額100万円を達成し、現在、第2次募集中だ。

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