【東芝】角度を直接検出する高精度ジャイロセンサーの小型モジュールを開発

プレスリリース発表元企業:株式会社 東芝






小型化・高精度化により、ロボット・無人搬送車・ドローン等の小型機器への搭載・実証実験が可能に

当社は、動作に伴う物体の向きの変化を高精度に検出する角度直接検出型のジャイロセンサーとして、大型の計測制御装置等を必要としない小型モジュールの開発に世界で初めて成功しました。これにより、ロボット・無人搬送車・ドローン等、従来は難しかった小型機器への搭載・実証実験が可能となります。また本小型モジュールでは、機器が回転する角速度(角度の時間変化)を計測し、それを演算して角度を求める一般的なジャイロセンサーと異なり、機器が回転する角度を直接計測することで高精度と高速応答の両立を可能としました。
微細な機械構造と電子回路を半導体基板上に集積させるMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いてセンサ素子を小型化し、マイクロコントローラーから制御することで、実証実験に適用可能なサイズまでモジュールの小型化を達成しました。当社は本開発品について2021年度以降のサンプル出荷を目指します。なお、当社は本技術の詳細を2020年1月18日からバンクーバーで開催される国際学会IEEE-MEMS 2020において、1月22日(日本時間:1月23日)に発表します。
[画像1]https://digitalpr.jp/simg/1398/37075/700_243_202001221011025e27a1265271e.jpg

物体の向きを計測するジャイロセンサーは、大型で高性能なものは航空機や飛翔体、小型で低価格なものはスマートフォン等の民生機器に広く利用されています。今後は、倉庫や工場内での作業者や無人搬送機の位置計測、ドローンの精密姿勢制御、ロボットやモビリティの自動運転等の幅広い分野への応用が期待されていますが、こうした分野への適用には、小型で、高精度かつ高速応答性が求められます。一方で、従来のジャイロセンサーは物体の角度を直接測定せず角速度からの演算処理によって求める方式のため、応答速度や精度において課題があり、小型で高精度、高速応答可能な新たなジャイロセンサーの開発が必要でした。
そこで当社は、従来のジャイロセンサーと異なり、角速度ではなく角度を直接検出できる、高精度かつ高速応答可能なジャイロセンサー(Rate Integrating Gyroscope:RIG)を、MEMS技術を用いて小型化し、大型の計測制御装置等を必要としない小型モジュールの開発に世界で初めて成功しました。これにより、実際に無人搬送機やドローン等に搭載して、軌道推定や姿勢制御等の実証実験を行うことが初めて可能になりました。
RIGは地球の自転の角度を計測できるフーコーの振り子と同じ物理的原理に基づき、物体の角度を直接検出することができます。
RIG動作のためには、検出に用いる振動子を完全に対称な構造にすることが必須条件となりますが、製造時の加工誤差のため、非対称性が発生することが課題となっていました。そこで当社は、独自技術の抵抗型可変ダンパーの導入等でこの非対称性を補正し、完全な対称状態を実現しました。また、当社の振動子は独自のドーナツマス構造(ドーナツ型の錘を採用)のため、温度が変化しても縦横の振動特性が等しく変化し、対称性が保たれます。そのため、温度変化による感度への影響が極めて小さくなります(注1)。今回開発したモジュールは、RIG特有の角度直接検出を実現しつつ、精度(注2)とドリフト(注3)のいずれの指標でも、同じMEMS技術を用いた民生機器用のジャイロセンサー以上の性能であることを確認できており、今後、更なる性能の改善を見込んでいます。

[画像2]https://digitalpr.jp/simg/1398/37075/700_476_202001221011105e27a12e06da0.jpg
[画像3]https://digitalpr.jp/simg/1398/37075/700_425_202001221011155e27a133c2d2e.jpg

当社は、今回開発したジャイロセンサーの精度および応答性をさらに改善し、2021年度以降を目処に、サンプル出荷が可能となるレベルまで技術完成度を高めることを目指します。その一方で、このジャイロセンサーを搭載した慣性計測装置(Inertial Measurement Unit:IMU)(注4)の開発を進めます。今回開発した技術にはNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「高効率・高速処理を可能とするAIチップ・次世代コンピューティングの技術開発/研究開発項目[3] 高度なIoT 社会を実現する横断的技術開発」助成事業の成果が含まれています。また、本開発に当たっては、(株)デバイス&システム・プラットフォーム開発センターの協力を得ました。
[画像4]https://digitalpr.jp/simg/1398/37075/700_488_202001221009205e27a0c0dfb32.jpg


(注1)共振の非対称性Δfの温度ドリフトが1℃あたり1000万分の1(100ppb/K)以下。発表段階での世界最高値。
(注2)精度の指標となるARW(Angular Random Walk)=0.6deg/√Hz。
(注3)ドリフトの指標となるBI(Bias Instability)=4.3deg/h。
(注4)三次元空間における角速度と加速度を測定する装置を指し、搭載した機器の姿勢を感知する計測装置のこと。



本件に関するお問合わせ先
広報・IR室 小林 03-3457-2100

プレスリリース情報提供元:Digital PR Platform

スポンサードリンク

広告

写真で見るニュース

  • 「2020 トップセーフティピック+」という最高の安全評価を受けた北米マツダのCX-5(画像: マツダUSA発表資料より)
  • フィッシャープライスのバイリンガル知育玩具「バイリンガル・わくわくピアノ」。(写真:マテル・インターナショナル発表資料より)
  • 大丸芦屋店1階のリニューアルイメージ(大丸松坂屋百貨店発表資料より)
  • 研究グループが開発した世界最小のクロック回路を搭載したチップ写真(写真:東工大の発表資料より)
 

広告

ピックアップ 注目ニュース