トランスフォームのGaNがAESの大型旅客機向け最新電源で採用される

プレスリリース発表元企業:Transphorm Inc.

配信日時: 2019-12-19 20:39:00

トランスフォームのGaNがAESの大型旅客機向け最新電源で採用される

国際的な航空電子機器サプライヤーがGaNを活用した電力密度の向上によって競合他社をしのぐ

(米カリフォルニア州ゴリータ)-(ビジネスワイヤ) -- JEDECおよびAEC-Q101に初めて準拠した最高の信頼性の高電圧窒化ガリウム(GaN)パワー半導体の設計・製造をリードするトランスフォームは本日、お客さまのAES Aircraft Elektro/Elektronik System GmbHが初の650 V GaN電源をリリースしたことを発表します。航空業界にサービスを提供しているAESは、電子工学から認証、試験まで、多様な製品とサービスによって顧客を支援しています。同社の最新のスイッチング電源は現在、大型のCS-25機メーカー(例えば、エアバスのA318-A321、A330、A340、A380、ボーイングのB767、B787 VIPの各航空機)が採用しており、トランスフォームのGaN FETを使用して、システム効率全体を競合するシリコンベースの電源ユニット(PSU)と比較して10パーセント以上改善しています。

同社のGaNベースのスイッチング電源2種は、PS250X 500 WシステムPS6120 1200 Wシステムです。両製品とも入力電圧として96-130 VAC/360 Hz – 800 Hz、連続出力として28 VDC(500 Wシステムで15アンペア、1200 Wシステムで42アンペア)をサポートします。

さらに、AESは、PS250XとPS6120についてDO-160準拠の認証を取得済みで、航空無線技術委員会(RTCA)による厳格な基準25項目以上を満たしています。この基準は、圧力や温度から電圧ノイズ、高周波放出まで、航空機の内外の多様な条件の下で、システムの影響と性能を評価するものです。

主力の500 W PS250Xは業界初の受動的冷却式420 W電源で、単相CCMブースト型力率改善(PFC)技術においてトランスフォームのGaNを採用しています。全負荷状態での全体的システム効率は92パーセント以上であり、これは競合製品よりも10パーセント高くなっています。また、このシステムは全負荷状態の入力電圧115 VAC/400 Hzにて0.98以上の力率と公称200 mVppを達成しています。これらすべてを1.4 kg(約3ポンド)の最終製品で実現しています。

1200 W PS6120はファン冷却式の3相CCMブースト型PFC技術でトランスフォームのGaNを採用しています。全負荷状態での全体的システム効率は91.5パーセント以上であり、これは競合製品よりも11.5パーセント高くなっています。PS6120も全負荷状態の入力電圧115 VAC/400 HzにてPS250X 500 W PSUと同じ力率と公称リップル電圧を達成しています。これらすべてを4.0 kg(約8.8ポンド)の最終製品で実現しています。

AESの電源コンピテンスセンター責任者のアンドレアス・ハマー博士は、次のように述べています。「航空業界は可能な限りの手段を使って気候影響を低減すべく活動しています。そこで、より効率的で軽量の電源を提供できるよう、従来使用していたシリコン製MOSFETに取って代わるものとして、トランスフォームのGaNを探し当てました。これらの電源製品は、各航空機がこうしたPSUを幾つか搭載する場合を考えれば、顕著な影響を与える潜在力を持っています。わずか1年の再設計を経て、当社はより良い電源ソリューションをお客さまに提供するとともに、私たちの業界におけるパフォーマンス水準を引き上げることができました。」

GaNの選定プロセス

この技術の本来的に高いスイッチング周波数に関心を持ったAESは、幾つかのGaNデバイス半導体メーカーのGaNパワースイッチコンバーターを評価しました。同社は最終的にトランスフォームの650 V GaN技術を選定したわけですが、その理由は主として、特にトランスフォームのGaN FETはカスタムドライバーが不要で、容易な駆動性と設計性を備えているからです。その結果、システムデザインは簡素化されるとともに、エンジニアは既に慣れしたしんだ技術(すなわちドライバーやパッケージ)を使用してスイッチを駆動できます。AESによる選定に影響を及ぼしたその他の要因としては、トランスフォームの実証済みの信頼性、それは当社のGaNプラットフォームが175°CでJEDEC認証とAEC-Q101認証を取得していることで明瞭に示されています。

トランスフォームの世界技術マーケティング・北米販売担当バイスプレジデントのPhilip Zukは、次のように述べています。「トランスフォームは設計者に課題を突き付けるのではなく、設計者に可能性を与えるよう、GaNデバイスを設計しました。2スイッチのノーマリーオフ型GaNデバイスは標準的なパッケージで提供され、駆動させるためのサポート回路が最小限で済み、これにより全体的なシステムサイズが縮小し、信頼性が高まり、設計が簡素化します。当社にとって、お客さまが自信を持った製品で迅速に市場参入できることが極めて重要です。私たちがAESの指定GaNサプライヤーとなったことは名誉であり、GaN技術の利点を大衆に広める上で当社が行ってきた仕事を認めていただいたことを誇りに思います。」

AESのPS250XおよびPS6120の両電源は現在出荷中です。

AESについて

ドイツに本社を置くAES Aircraft Elektro/Elektronik System GmbHは高度な技能を有する従業員160人超から成る国際的企業で、航空・宇宙・海運の産業における顧客にサービスを提供しています。AESのポートフォリオには、航空機の客室向け電子機器、包括的な電子工学サービス、電子設計、認証サービスなどがありますが、これらに限定されません。

トランスフォームについて

トランスフォームは、高圧電力用途向けに最高の性能と信頼性を備えた650Vおよび900V GaN半導体の設計・製造を行っています。最大規模のIPポートフォリオ(特許は1000件超)を持つトランスフォームは、業界初のJEDEC準拠GaN FETおよび唯一のAEC-Q101準拠GaN FETを生産しています。

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