国際医療NGOジャパンハートがミャンマーで口唇裂・口蓋裂の総合治療を開始
配信日時: 2019-11-26 14:08:05
2019年10月、認定NPO法人ジャパンハート(東京都台東区、代表・吉岡春菜)は「口唇裂(こうしんれつ)・口蓋裂(こうがいれつ)」総合治療プロジェクトを開始しました。当プロジェクトは、年間1,000例ほどあると推測されるミャンマー国内の口唇裂・口蓋裂の新生児および家族に対し、ジャパンハートが日本の医療者およびミャンマー政府と連携しながら、総合治療システムの構築、医療従事者の育成、各地での総合医療センターの設置を進め、計画的なサポートをていくものです。
■口唇裂・口蓋裂とは?
口唇裂・口蓋裂とは、口唇(くちびる)、口蓋(くちの中の天井)、上顎(はぐき)が裂けた状態で産まれてくる新生児の病態をいいます。お母さんのお腹の中で体が形成される際、組織がうまく癒合しない事で裂け目ができてしまうのです。
日本でも500~600人に一人の割合で口唇裂・口蓋裂の子どもが出生していますが、すでに治療体系が確立されているため、ほぼ機能回復が見込める疾患とされています。
一方、ミャンマーでは専門医や情報の不足、経済的な問題などにより、治療を受けられない、または治療を受けても機能が回復しないまま成長するといったケースが数多く存在しています。機能が回復しないことで、発声がうまくできなかったり手術痕にコンプレックスを抱いたりして進学や就職を諦める、歯並びや噛み合わせが悪く摂食障害を発症する…など、社会生活や健康への影響が生じます。そこで、出生直後から成人に至るまでの一連の治療をするための体制構築の立案に至ったのです。
■プロジェクト概要
プロジェクトは大きく5つの目標を軸に活動していきます。
【1】総合治療体制のシステム作り
[画像1: https://prtimes.jp/i/12298/74/resize/d12298-74-687187-2.jpg ]
当プロジェクトでは、患者の出生直後から成人に至るまでの「カウンセリング⇒術前矯正⇒言語訓練⇒手術⇒矯正治療」といった一連の治療を各保健機関が連携して行うシステムを作ります。
【2】総合治療センターの設置
ミャンマー各地の病院内に口唇口蓋裂総合治療センターを設置して、患者がアクセスしやすい環境を作ります。
【3】医療人材の育成
[画像2: https://prtimes.jp/i/12298/74/resize/d12298-74-428040-4.jpg ]
看護師・助産師・歯科医師・言語訓練士・コーディネーターの各職種に対し、講習を実施して必要とされる知識や技術の習得をサポートします。研修センターの設置や、来日研修も実施する予定です。
【4】口唇裂・口蓋裂手術の実施
[画像3: https://prtimes.jp/i/12298/74/resize/d12298-74-530027-6.jpg ]
現地医師のみで口唇裂・口蓋裂の手術が実施されていない地域を中心に手術活動を試み、協力病院を増やしていきます。
【5】患者の把握
患者が出生した際の報告ルートを確立して、適切な時期に治療できる環境を作ります。
■プロジェクトメンバー
プロジェクト統括:河野朋子(看護師/ジャパンハート)
プロジェクト専属専門家:岸 直子(口腔外科医/ジャパンハート認定医)
日本国内提携団体:大阪大学大学院 歯学研究科口腔外科学第一教室(古郷幹彦 教授)
現地提携団体:ミャンマー保健スポーツ省
[画像4: https://prtimes.jp/i/12298/74/resize/d12298-74-316207-3.jpg ]
【(認定)特定非営利活動法人ジャパンハート】
2004年、国際医療ボランティア団体として設立。日本発祥の国際医療NGOで「医療の届かないところに医療を届ける」を理念に活動しています。海外では、ミャンマー・カンボジア・ラオスで無償で子どもの診療・手術を、また成人の治療も実施。その数、年間約2万件にのぼります。日本国内では僻地・離島への医療者派遣、小児がんの子どもと家族の旅行に医療者が付き添うSmileSmilePROJECTを実施しています。
https://www.japanheart.org
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