NSCが黒鉛高純度化加工のパイロットラインを新設し9月から稼働、2020年度に量産技術の確立を目指す

プレスリリース発表元企業:株式会社NSC

配信日時: 2019-07-30 11:00:00

処理前後比較

株式会社NSC(所在地:大阪府豊中市、代表取締役:川久 慶人)は、黒鉛の高純度化加工行うパイロットラインの新設を決定しました。すでに建設を開始しており、2019年度9月より生産開始を計画しています。パイロットラインにて高純度化加工を施した黒鉛を国内外のお客様に提出し、量産への採用を促進してまいります。パイロットラインに引き続き、2020年度を目標に量産ラインの建設を計画していきます。株式会社NSCが長年にわたり培ってきた金属表面処理およびケミカル研磨技術を最大限に活用し、需要が拡大している高純度の黒鉛を国内で加工することにより、高性能かつ短納期に対応する体制を整えることで、お客様の期待に応えて参ります。


【本件のポイント】
●株式会社NSCは、黒鉛の高純度化加工のパイロットラインを新設し、国内外のお客様に高純度化黒鉛のサンプルを提出します。

●2020年度の量産を目指し、量産ラインの建設を計画していきます。

●株式会社NSCは、高純度化黒鉛の製造販売および黒鉛高純度化加工受託を計画していきます。


【背景】
黒鉛は、摩擦材、潤滑剤、耐火物、電子部品、電池電極など幅広い用途に使用されています。なかでも鱗片状天然黒鉛を原料としたリチウムイオン二次電池電極用負極材需要は、電動化車両の増大もあり、大きな伸びを示しております。リチウムイオン二次電池負極材向け天然黒鉛はこれまで中国産出品が大半を占めていましたが、需要の伸びに応じてアフリカなどで新規の鉱山開発が盛んになっています。
天然黒鉛鉱石には多くの無機不純物が含まれ、特にシリカ(SiO2)を除去するために、酸処理加工が必須となっています。天然黒鉛の埋蔵量が多い中国で酸処理加工が行われていますが、近年、中国国内の環境規制の強化などにより、一部の酸処理加工工場が操業停止となったため、安定的に性能の良い高純度化黒鉛を入手することが困難になってきました。

株式会社NSCは、SiO2を主成分とする液晶ディスプレイガラスのケミカル研磨を用いたガラス基板の加工技術を保有する企業です。天然黒鉛からSiO2を除去する酸洗浄はガラス研磨と同一の酸を精密、安全に制御することが必須です。また、株式会社NSCはケミカル研磨に使用した酸を環境に影響を与えずに安全に自社内処理する技術を持っているため、天然黒鉛の高純度化に使用した酸処理のための追加技術開発、設備投資も必要ありません。

この技術を応用したサンプルをすでに高純度化黒鉛のお客様に提出し、その性能にご満足いただけたため、月産100tを超える規模の量産技術の確立を目指して、当社の本社工場(所在地:大阪府豊中市)内にパイロットラインを新設することにいたしました。


株式会社NSCでケミカル研磨と同一の酸薬品を使用して高純度化した天然黒鉛の性能の一例を示します。
(項目:処理前 → 処理後)
黒鉛純度(wt%):95.78 → 99.99
pH :6.7 → 6.1
含水率(wt%) :0.17 → 0.13

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/189612/LL_img_189612_1.png
処理前後比較


【目的】
黒鉛高純度化加工のパイロットラインを新設することにより、黒鉛高純度化加工のスケールアップに係る量産技術の確立を加速させます。またこのパイロットラインで加工した高純度化黒鉛を国内外のお客様に提出して、製品承認を取得していきます。


【今後の予定】
パイロットライン生産開始時期:2019年9月
量産時期 :2020年度(目標)


【会社概要】
商号 : 株式会社NSC
代表者 : 代表取締役 川久 慶人
所在地 : 大阪府豊中市利倉1丁目1-1
設立 : 1971年3月11日
事業内容: ケミカル技術をベースとしたガラス、金属等表面処理および
生産ライン等の装置設計製作、排水処理事業
URL : https://www.nsc-net.co.jp


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