NEC、高エネルギー加速器研究機構、国立環境研究所から相次ぎベクトル型スーパーコンピュータシステムを受注

プレスリリース発表元企業:NEC Corporation

配信日時: 2019-06-26 10:00:00

TOKYO, Jun 26, 2019 - ( JCN Newswire ) - NECは、大学共同利用機関法人 高エネルギー加速器研究機構及び国立研究開発法人 国立環境研究所からスーパーコンピュータシステムとして「SX-Aurora TSUBASA」を相次ぎ受注、高エネルギー加速器研究機構では本年4月、国立環境研究所では2020年3月から運用を開始します。

SX-Aurora TSUBASAは、NECが長年スーパーコンピュータ開発で培ったLSI技術と高密度実装技術、高効率冷却技術などを結集したカード型のベクトルエンジンを多数搭載する省電力なサーバです。世界一の単一コア性能および世界一の単一コアメモリ帯域を持ち、科学技術計算や大規模データの高速処理を得意とし、気象予報、地球環境変動解析、流体解析、ナノテクノロジーや新規素材開発などのシミュレーション、AI活用において高い実効性能を実現しています。

高エネルギー加速器研究機構は、最先端の大型粒子加速器を用いて、宇宙の起源、物質や生命の根源を探求しています。その中で素粒子原子核研究所は、素粒子物理学・原子核物理学・宇宙物理学分野の研究を実験・理論の両面から幅広く行っています。また、大学の研究者や大学院にこれらの最先端の研究の場を提供し、日本の基礎科学研究のレベル向上に貢献しています。

同機構は、高エネルギー物理学におけるシミュレーション研究を推進しており、共同利用プログラム「素粒子原子核宇宙シミュレーションプログラム」を実施する為に SX-Aurora TSUBASAを導入し、国内の素粒子・原子核・宇宙物理学分野でのシミュレーション研究に関わる全国共同利用システムとして活用します。

今回導入した新システムは、SX-Aurora TSUBASA A500-64(64VE)で、理論性能156.8TFLOPSの性能を実現しています。SX-Aurora TSUBASAは、高い倍精度浮動小数点演算性能と高いメモリバンド幅で、素粒子・原子核・宇宙分野のシミュレーションにおいて高い性能を実現しています。今後、素粒子・原子核・宇宙物理学およびそれに関連する基礎科学分野の共同研究、大規模数値シミュレーションによる実験、観測プロジェクトとの連携的研究および国際的な共同研究に利用されます。

国立環境研究所は、大気汚染や水質問題などの地域的な環境問題から化学物質による環境影響、さらには地球温暖化をはじめとする地球環境問題に至るまで、最先端の専門知識と設備を用いて研究を行っています。

国立環境研究所におけるスーパーコンピュータシステムは、大気や海洋における複雑な自然現象の再現や予測を長期かつ全球的にシミュレーションすることや、地球上の生物個体や環境の情報を過去から現在にわたり蓄積して解析する膨大な処理に使われるなど、地球環境の中で起こるさまざまな現象・問題を扱う研究に利用されています。具体的には、将来の地球温暖化により、地表付近の気温がどのように変化するか、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が想定している最新シナリオ毎に数値シミュレーションを行ったり、福島第一原子力発電所事故の結果放出された放射性物質の海域での動態解明と将来予測など、幅広い分野で大きな成果を上げています。

このような大規模な計算、将来予測及びモデル解析に関する数値シミュレーション、各種データの解析処理等では、長期間かつ広範囲な空間的領域を対象とするため、膨大な演算処理が要求され、超高速な演算能力が必要とされます。

今回受注した新システムは、SX-Aurora TSUBASA A511-64(256VE)で、理論性能が620TFLOPSと現行機であるSX-ACEの約6.3倍の計算性能の向上を実現しており、国立環境研究所で利用されているプログラムにおいて、高い演算性能を実現します。

NECは、今後もベクトル技術を生かし、従来のスーパーコンピュータ領域に加え、産業応用領域やAI/ビッグデータ解析をターゲットした次世代高性能サーバも開発して、最先端開発に貢献します。

本リリースの詳細は下記をご参照ください。
https://jpn.nec.com/press/201906/20190626_01.html

概要:日本電気株式会社(NEC)

詳細は www.nec.co.jp をご覧ください。