心臓弁膜症、詳しい症状理解は1割未満、加齢との関係認知も2割に留まる、8割は検査を受けたことがないと回答。心臓弁膜症に関する意識調査

プレスリリース発表元企業:エドワーズ

配信日時: 2019-03-22 15:27:02

心臓弁膜症や血行動態モニタリングを中心とした医療技術を提供するメーカーの日本法人、エドワーズライフサイエンス株式会社(東京都新宿区、代表取締役会長:ケイミン・ワング、以下エドワーズ)は、このほど全国60歳以上の男女600人に対し、高齢化に伴って増える疾患である心臓弁膜症に関する意識調査を実施しました。その主な調査結果をお伝えします。




60歳以上の回答者のうち、心臓弁膜症の詳しい症状まで知っていると答えたひとは1割未満、加齢に伴って増える疾患だと認識しているひとも2割のみ。「自分ごと化」されていない傾向が明らかに。

ー 心臓弁膜症の認知度について「詳しい症状まで知っている」と答えたひとは全体の7.2%のみ。一方で、「知らない」と答えたひとも同じく7.2%存在していた。
ー 心臓弁膜症の理解度については、75.6%が「心臓の弁に障害が起きて血液の流れが悪くなる病気である」を選択。
ー 「加齢に伴って、弁膜症の罹患が増える」と回答したひとは23.2%に留まった。


心臓弁膜症の検査を受けたことがある、と回答したひとは2割に留まり、検査率が低い現状が浮き彫りに。

ー これまでに「心臓弁膜症」の検査(心臓の音を聴く聴診/心エコー/カテーテルなど)を受けたことがあるかを聞いた質問では、「定期的に受けている」「気になることがあったので受けたことがある」から「心臓弁膜症の検査かはわからないが、上記のような検査を受けたことがある」までを含めても、全体のわずか20.8%であり、心臓弁膜症の検査率は低い実態が判明した。


【調査方法】
対象:全国の60代、70代、80代の男女、各100名、合計600名。
方法:インターネットにて、2018年8月17日~20日に実施。

今回のアンケート調査結果を受けて、京都大学大学院医学研究科・医学部・循環器内科学教授の木村剛先生は、次のようにコメントしています。

「日本における心臓弁膜症の潜在患者数は、65-74歳で約150万人、75歳以上で235万人いると推測されています(米国における罹患率*1を日本の人口*2に当てはめた場合)。また、心臓弁膜症の代表的な疾患のひとつである大動脈弁狭窄症については、60-74歳では2.8%、75歳以上で13.1%の方が罹患しているとされており*3、日本の潜在患者数を推算すると60歳以上では約284万人となります。この中で、56万人程度の患者さんは手術を要する重度の状態にあるとされています。一方で心臓弁膜症の年間手術件数は、最新の2015年のデータでは2万1千件*4ほどに留まっており、多くの患者さんが治療を受けないままで症状が進行している可能性が示唆されています。

患者さんには、大動脈弁狭窄症を含む心臓弁膜症は加齢と共に罹患率が高まり、年を取れば誰もが罹る可能性があること、胸の痛みや息切れが心臓弁膜症の兆候であること、症状が軽度であっても心不全や突然死に繋がる恐れがある病気でもあることを知って頂き、気になる症状があれば早めに循環器の専門医に相談して頂きたいと思います。

一方で、胸の痛みや息切れなどの心臓弁膜症の症状は患者さんから見逃されがちであり、我々医療従事者は外来患者さんに聴診を必ず行い、心雑音を聴取すれば心エコーを積極的に行うことにより心臓弁膜症の診断率は大幅に向上するはずです。地域における病病、病診連携*5を図ることによって、心臓弁膜症の未診断・未治療の患者さんを一人でも多く減らす努力をすべきだと思っています。」


また当社代表取締役会長のケイミン・ワングは次のように述べています。

「世界で初めて、人工心臓弁を製品化したパイオニアとして、エドワーズは心臓弁膜症が世界的に与える負担を緩和するためのさまざまな活動を行っています。一般生活者及び医療従事者に向けた心臓弁膜症の疾患啓発活動もその一つです。昨年末には脳卒中・循環器病対策基本法が成立するなど、心疾患の課題解決は急務です。エドワーズはこれからも、健康寿命の延伸に貢献できるよう、多方面からの取り組みを続けてまいります。」

*1:Nkomo VT, et al. Burden of valvular heart diseases: a population-based study. Lancet. 2006;368:1005-11.と総務省統計局、人口推計の結果の概要(平成30年6月報). https://www.stat.go.jp/data/jinsui/pdf/201806.pdf(アクセス日:2019年3月22日)より推計。
*2:総務省統計局. 人口推計の結果の概要(平成31年2月報). Available from: https://www.stat.go.jp/data/jinsui/pdf/201902.pdf (アクセス日:2019年3月22日)
*3:De Sciscio P, et al. Quantifying the shift toward transcatheter aortic valve replacement in low-risk patients. Circ Cardiovasc Qual Outcomes. 2017;10:e003287.
*4:Annual report by the JATS. General Thoracic and Cardiovascular Surgery (2018) 66:581–615.
*5:病病、病診連携:医療機関や診療科といった壁を超えて、病院と病院の間や病院と診療所の間で、医療の内容によって互いに患者さんを紹介し合うよう、連携すること、またはその仕組み。


【参考】 アンケート結果詳細

60歳以上の回答者のうち、心臓弁膜症について、詳しい症状まで知っている、と答えたひとは1割未満しかおらず、また心臓弁膜症は加齢に伴って増える疾患だ、と認識しているひとも2割のみ。「自分ごと化」されていない傾向が明らかに。

[画像1: https://prtimes.jp/i/13714/18/resize/d13714-18-608510-0.jpg ]



心臓弁膜症の検査を受けたことがある、と回答したひとは2割に留まり、検査率が低い現状が浮き彫りに。
[画像2: https://prtimes.jp/i/13714/18/resize/d13714-18-971800-1.jpg ]



エドワーズライフサイエンスについて(https://www.edwards.com/jp/
カリフォルニア州アーバインに拠点を置くエドワーズライフサイエンスは、構造的心疾患とクリティカルケアモニタリングに関する患者さんのためのイノベーションをリードする企業です。臨床医と共に医療のアンメットニーズ(まだ充たされていないニーズ)を充たし、患者さんの健康に貢献することを目指しています。

PR TIMESプレスリリース詳細へ