ヒューマンタッチ総研が独自分析 2019年3月期第2四半期決算から見る建設市場の動向

プレスリリース発表元企業:ヒューマン

配信日時: 2018-11-30 13:00:00

~土木工事業と管工事業は減益に転じる、ゼネコンは全体的に収益改善~

ヒューマンホールディングス株式会社の事業子会社で、人材紹介事業を行うヒューマンタッチ株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役:高本和幸、以下「ヒューマンタッチ」)が運営するヒューマンタッチ総研は、総合工事業(ゼネコン)、土木工事業、電気設備工事業、管工事業の4業種に分けて、2019年3月期第2四半期決算から見る市場動向をまとめました。対象は3月期決算で2018年3月期売上高の上位各10社です。



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<全体概況>ゼネコンと電気設備工事業の収益性改善が進むが、土木工事業と管工事業は減益に転じる
2019年3月期の第2四半期決算(連結)の各業種主要10社の実績を合計すると、第1四半期は増収増益で好調であった土木工事業が減収減益に転じたほか、管工事業も増収減益に転じています。一方、総合工事業(ゼネコン)と電気設備工事業は第1四半期と同じく増収減益ですが、経常利益の前年同四半期比は改善されています(=図表1.)。

【図表1. 各業種主要10社の2019年3月期の第2四半期決算(連結)の実績合計】
[画像1: https://prtimes.jp/i/5089/742/resize/d5089-742-919254-0.jpg ]


<総合工事業(ゼネコン)>収益性改善が進み、2社が通期予想を上方修正
第1四半期の決算では減収減益が5社と収益性の面ではやや厳しい結果になっていましたが、第2四半期については減収減益が2社に減り、業界全体として収益性の改善が見られました(=図表2.)。
業界首位の大林組は、第1四半期は減収減益でしたが、第2四半期では増収増益に転じており、2019年3月期の売上高は予想通り1兆9,700億円となり、5年連続で過去最高を更新する見通し、営業利益は1,390億円と4年連続で過去最高を記録する見通しとしています。
また、鹿島建設と大成建設は、高水準であった前期に比べて減益となっているものの、資材コストや人件費の上昇が想定を下回ったことから、通期の利益予想を上方修正しました。
一方、安藤ハザマは、一部の大型工事で進捗率が想定を下回っていることや、7月に発生した建設現場での大規模火災の影響等から、通期業績予想を売上高、利益ともに大幅に下方修正しました。
※竹中工務店は非上場のため除いています

【図表2. ゼネコン主要10社の2019年3月期の第2四半期決算(連結)の実績】
[画像2: https://prtimes.jp/i/5089/742/resize/d5089-742-422619-1.jpg ]


<土木工事業>減収減益企業が増え、収益面で厳しい決算となる
第1四半期の決算では10社のうち6社が増収増益、減収減益は1社のみと好調でしたが、第2四半期は増収増益が3社、減収減益が4社となり、収益面で厳しい決算となりました(=図表3.)。
増収増益から減収減益に転じた業界首位のNIPPOは、原材料価格上昇などの影響で、舗装土木事業や製品販売事業の利益率が低下したことを理由に、通期利益予想を下方修正しました。また、世紀東急工業は増収増益ではありましたが、売上高、利益ともに通期予想を下方修正しています。
一方、川田テクノロジーズは好調な第2四半期決算を受け、通期利益予想を上方修正しました。

【図表3. 土木工事業主要10社の2019年3月期の第2四半期決算(連結)の実績】
[画像3: https://prtimes.jp/i/5089/742/resize/d5089-742-552317-2.jpg ]

*東亜道路工業の前年同四半期の経常利益は△164百万円

<電気設備工事業>増益企業が増加、収益性の改善が進む
増益企業が第1四半期の3社から5社に増加しており、収益性の改善が進みました(=図表4.)。個別企業を見ると、コムシスホールディングスと協和エクシオは、それぞれ同業との経営統合を行うことを発表し、通期業績予想を売上高、利益ともに上方修正しています。

【図表4. 電気設備工事業主要10社の2019年3月期の第2四半期決算(連結)の実績】
[画像4: https://prtimes.jp/i/5089/742/resize/d5089-742-221801-3.jpg ]


<管工事業>増収増益企業減り、下方修正企業も
業界首位の高砂熱学工業が増収減益に転じるなど、増収増益企業は第1四半期の5社から4社に減りました(=図表5.)。日比谷総合設備は手持ち工事の進捗が予想を下回ったことなどを理由に、通期業績予想を売上高、利益ともに下方修正しました。また、大成温調も利益率の高い大型の手持ち工事数件が工期延長になったことなどを理由に、利益予想を下方修正しました。
一方、三機工業は好調な受注、工事収益の改善を背景に、通期業績予想を売上高、利益ともに上方修正しています。

【図表5. 管工事業主要10社の2019年3月期の第2四半期決算(連結)の実績】
[画像5: https://prtimes.jp/i/5089/742/resize/d5089-742-232546-4.jpg ]

*日比谷総合設備の前年同四半期の経常利益は918百万円

■ヒューマンタッチ総研所長・高本和幸(ヒューマンタッチ代表取締役)のコメント
[画像6: https://prtimes.jp/i/5089/742/resize/d5089-742-872265-5.jpg ]

2019年3月期第2四半期の主要建設関連企業の決算を見ると、第1四半期に好調であった土木工事業が収益面で厳しい決算に転じています。NIPPO、前田道路、東亜道路工業の3社では、減益の主な要因として原料価格の高騰を挙げており、上昇する建設コストを吸収して利益を確保できるかどうかが大きな経営課題になると考えられます。
一方、第1四半期では収益面で厳しい決算となっていたゼネコンは、鹿島建設と大成建設が通期の利益予想を上方修正するなど、収益性の改善が予想以上に進んでいます。ゼネコンの前期(2018年3月期)決算は非常に高い利益水準であったために、各社ともにある程度の収益性の低下は織り込み、今期は厳しめの利益予想をしていましたが、第2四半期までの資材や労務費の上昇が予想を下回ったことから利益予想が上振れしたとみられます。下期においては設計変更や追加工事の確保によって、さらなる収益性向上が期待できると考えられます。

ヒューマンタッチ株式会社 会社概要 ------------------------------
●代表者:代表取締役 高本 和幸
●所在地:東京都新宿区西新宿7-5-25 西新宿プライムスクエア1F
●資本金:1億円
●コーポレートサイトURL:https://human-touch.jp/
●ヒューマンタッチ総研サイトURL:https://kensetsutenshokunavi.jp/souken/

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