世界初 ペットボトルの空き容器で心肺蘇生訓練ができる『CPR TRAINING BOTTLE』を開発

プレスリリース発表元企業:FastAid

配信日時: 2018-10-26 16:05:13

日本で年間7万人以上が亡くなる「突然の心停止」から命を助ける心肺蘇生(CPR)訓練を、簡単に実施できるキットを開発

一般社団法人ファストエイドは、心肺蘇生訓練をペットボトルの空き容器で簡単に実施できるキット『CPR TRAINING BOTTLE』を開発しました。CPRとは心停止した人の胸を強く押して血液を循環させ、脳や心臓に酸素や糖を届ける心肺蘇生のことです。『CPR TRAINING BOTTLE』は、CPRの際に胸を押すのに必要な力が、空のペットボトルを押す力とほとんど同じであることに着目した世界初のCPR訓練用キットです。
サイトURL:https://cpr-training-bottle.com/



[画像1: https://prtimes.jp/i/37372/1/resize/d37372-1-314334-6.png ]

『CPR TRAININIG BOTTLE』は、日常で手に入れられるペットボトルを用いたCPR訓練キットです。
『CPR TRAINING BOTTLE』では現在「サントリー天然水」(サントリー南アルプスの天然水、サントリー奥大山の天然水、サントリー阿蘇の天然水)の550ml、2Lペットボトルを推奨しています。
「サントリー天然水」ブランドは年間約1億ケース販売されており、スーパー、コンビニ、自販機などで全国どこでも手に入れることができます。


[画像2: https://prtimes.jp/i/37372/1/resize/d37372-1-830703-9.png ]

『CPR TRANING BOTTLE』で推奨しているペットボトルの空き容器を使用することで、いつでもどこでも誰でもCPR訓練ができる環境を作ることができます。

使用方法を解説した動画を見ながら指示通りに動くことで、気軽にCPR訓練を体験できます。詳細は以下の動画を御覧ください。
動画:https://www.youtube.com/watch?v=doBZqVIVpcU

※『CPR TRAINING BOTTLE』はこれまでCPR訓練を体験していない方に向けたファーストステップの訓練キットです。心停止に対する救命処置である胸骨圧迫による心肺蘇生法を学習することができます。より詳しく学びたい方は消防署などで開催されている救命講習を受講ください。

■日本では年間7万人以上が突然の心停止で亡くなっています
119番通報をしてから救急車が現場に到着するまで、全国で平均8.5分かかります。心停止してからの救命率は1分経過するごとに7~10%下がります。[1]しかし発見から救急車の到着まで絶え間無くCPRを続けることで、脳や心臓の壊死を遅らせることができます。CPRをしない場合に比べて救命率は約2.5倍に高まることがわかっています。[2]

一方で、現状では突然の心停止現場において、居合わせた市民によるCPRが43.9%の割合で実施されていません。また、57.3%の人が応急手当に自信がないと回答しています。[3]

■CPRの普及が今こそ必要な背景
日本では大規模なスポーツイベントの開催や、訪日外国人の急速な増加により、日本だけでなく世界から多くの人が集中する機会が増えています。

例えば、大規模マラソン大会のコース付近では道路封鎖や広範囲にわたる交通規制等によって、救急車現場到着時間及び病院搬送時間が通常より遅延します。そのため、救急救命士による現場処置や医師による病院での本格的な治療の開始が遅れ、急病患者の予後の悪化や心停止の患者の死亡率が上昇する危険性が危惧されています。[4]
また日本で行われる大規模イベント開催時には、日本人だけではなく訪日外国人を含めた多くの人が密集します。訪日外国人の総数は2018年の1~4月の累計人数が約1051万人と前年同期を約140万人上回り、15.4%増加しています。マラソン大会だけではなく、交通の混雑による救急車到着時間及び病院搬送時間が遅延するリスクの増加が予測されています。[5]

大規模スポーツイベントをはじめとして、世界から多くの人が集中し、市民による救急対応の重要性は高まっています。海外から日本に来るお客様へのおもてなしとして、誰もがCPRできるまちをつくるために、CPRの迅速な普及啓発が必要という観点から、簡単に短時間でCPRの習得ができる『CPR TRAINING BOTTLE』のキットの開発を進めてきました。

■『CPR TRAINING BOTTLE』とは
『CPR TRAINING BOTTLE』は、「ペットボトル」「訓練用簡易シート」「ペットボトルラベル」「レクチャー動画」の4点から構成されるCPR訓練キットです。
サイトURL:https://cpr-training-bottle.com/
訓練用簡易シート
[画像3: https://prtimes.jp/i/37372/1/resize/d37372-1-851954-5.png ]

ペットボトルラベル

[画像4: https://prtimes.jp/i/37372/1/resize/d37372-1-441307-0.jpg ]

『CPR TRAINING BOTTLE』を用いたCPR訓練は、2人1組で実施します。まず中身を飲み切った空のペットボトルを用意し、蓋を閉め、広げたシートにセットします。1人がボトルを保持し、もう1人はレクチャー動画を見ながら曲のリズムに合わせて2分間のCPR訓練を行います。2分間終了したら、ボトルを保持している人と役割を交代し終了します。同様の訓練をもう一度行います。
[画像5: https://prtimes.jp/i/37372/1/resize/d37372-1-829741-7.png ]

正しいCPRを身につけるために、訓練は必ず動画を見ながら行ってください。
『CPR TRAINING BOTTLE』訓練動画:https://www.youtube.com/watch?v=doBZqVIVpcU
[画像6: https://prtimes.jp/i/37372/1/resize/d37372-1-703773-8.jpg ]


■『CPR TRAINING BOTTLE』の特徴
1.ペットボトルを利用したCPR訓練
CPRは、胸の真ん中にある胸骨を垂直に圧迫し、圧迫の速さが100~120回/分、深さが約50~60mm程度、圧迫の解除を毎回しっかり行うこと、圧迫と減圧の時間の比率が等間隔であること、疲れた時は交代を素早く行い胸骨圧迫をなるべく止めないことが、重要とされています(JRC蘇生ガイドライン2015)。

下図は既存の心肺蘇生訓練機器と「サントリー天然水」を同条件でCPR訓練を実施した場合の圧迫と減圧の際の荷重と変形量を測定した結果です。

既存の心肺蘇生訓練機器の結果(上段)と「サントリー天然水」の結果(下段)を比較し、ペットボトルで心肺蘇生訓練を行う妥当性を科学的に検証しました。
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▲CPR訓練用人形とペットボトルの測定結果
(2016年10月5日、2017年12月15日 測定協力:キッセイコムテック株式会社)

2.短時間で覚えやすい講習
『CPR TRAINING BOTTLE』は、心肺蘇生訓練を初めて行うきっかけとなることを目指しています。成人の心停止に対して市民が行う心肺蘇生では、胸骨圧迫のみの場合と胸骨圧迫と人工呼吸を組み合わせた場合とを比較して、胸骨圧迫のみでも予後に大きな影響がないことを示す複数の研究があります。[6]
そのため講習でも、「胸を押すことだけ」でのシンプルな心肺蘇生法をお勧めしています。
重点を胸骨圧迫に絞ることで、短時間で記憶に残りやすく現場で実践しやすい講習を目指しています。

3.訓練キットを持ち帰れる
突然の心停止の発生場所の7割が自宅であり、自宅での救命率は著しく低い現状があります。このキットはコンパクトで持ち帰りが容易であり、「サントリー天然水」のペットボトルは全国どこでも手に入れることができるため、受講者が帰宅後、YouTubeのレクチャー動画を使用して、自宅で家族と一緒に訓練することが可能です。いつでも訓練ができる環境を作ることで、復習により受講内容を定着させることができます。また、持ち帰りできるキットにより受講者のみでなく、その家族全員がCPRを覚えることで、受講者本人が倒れた時にも救命可能性を高めることができます。

一般社団法人ファストエイドでは自治体様や企業様向けに『CPR TRAINING BOTTLE』を使った講習を実施しています。また、共にこの活動を盛り立てていただける企業会員・賛助会員・個人会員も募集しております。詳しくはお問い合わせください。
お問い合わせ先:info@fastaid.co

■『CPR TRAINING BOTTLE』実績(一部抜粋)
公開に先立ち、自治体が主催するイベントで『CPR TRAINING BOTTLE』を用いたCPRの啓発活動や、企業や団体での救命講習を行いました。


[画像8: https://prtimes.jp/i/37372/1/resize/d37372-1-223935-3.jpg ]

▲『CPR TRAINING BOTTLE』を用いたCPR訓練の様子

啓発活動
2017年3月25日 Local! Festival! 2017 by としまスコープ
2017年9月2日  渋谷区総合防災訓練 – SHIBUYA BOSAI FES 2017
2018年1月27日 豊島区 ぎゅっとぼうさい博!2018
2018年4月1日 「EDGEof」オープニングレセプション
2018年7月6日   東京カルチャーカルチャー「渋谷 ナース酒場 Vol.2 featuring FastAid」
2018年8月4日   日本財団「ハーバーフリーデー in横浜」
2018年8月25日   第1回 日本体育大学 救命蘇生研究会
2018年10月21日  豊島区総合防災訓練

救命講習
2018年1月8日 クラフトマン世田谷様(45分講習、30名)
2018年4月5日 Mistletoe株式会社様(120分講習、35名)
2018年4月23日 サントリーホールディングス株式会社様(60分講習、40名 × 2回)
2018年6月22日   エヌ・ティ・ティ・ビズリンク株式会社様(90分講習、24名)
2018年9月21日   株式会社ベンチャーバンク様(60分講習、13名)
2018年9月24日   あそべる!みらい博様(60分講習、24名)
2018年9月26日   エヌ・ティ・ティ・ビズリンク株式会社様(60分講習、25名)

講習会でのキット活用
2018年10月12日  日本体育大学「ASUKAモデルと、救える命を救うことの大切さを考える研修会」(190名)

■『CPR TRAINING BOTTLE』今後の展開
一般社団法人ファストエイドでは、緊急対応力向上のため、いざという時に互いに助け合える共助の社会の実現を目指しています。『CPR TRAINING BOTTLE』により、これまでCPRに関心をお持ちでなかった方に楽しく気軽にCPR訓練ができる機会を提供します。体験の敷居を下げることで、誰もが自信を持ってCPRを実施できる社会をつくり、突然の心停止から助かる人が1人でも増えることを願っています。

現在キットの販売に向けて準備を進めています。キット購入をご希望される方はWebサイトのお問い合わせフォームよりご連絡ください。今後の活動を拡大していくにあたり、一般社団法人ファストエイドの趣旨にご賛同いただける企業会員様を募集しています。企業会員様には『CPR TRAINING BOTTLE』を使用した短時間でわかりやすい救命講習の実施が可能です。

■一般社団法人ファストエイド概要
[表: https://prtimes.jp/data/corp/37372/table/1_1.jpg ]


※一般社団法人ファストエイドは、「非営利型一般社団法人」です。
[1] 2007年 Lancet誌 369号掲載 SOS-KANTO スタディグループ(駿河台日本大学病院 長尾建医師ら)
[2] 総務省消防庁 平成28年 救急救助の現況
[3] 内閣府 救急に関する世論調査
[4] N Engl J Med 2017; 376:1441-1450 ”Delays in Emergency Care and Mortality during Major U.S. Marathons”April13,2017
[5] 日本政府観光局 (JNTO) 発表統計
[6] SOS-KANTO study group. Cardiopulmonary resuscitation by bystanders with chest compression only (SOS-KANTO): an observational study. Lancet 2007, 920-926.

【講習・企業会員・賛助会員・個人会員に関するお問い合わせ】
一般社団法人ファストエイド
メールアドレス:info@fastaid.co

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