【調査発表】新入社員の配属から1ヶ月。若者から学んでいる人とそうでない人の違いとは?:リクルートマネジメントソリューションズ「若者から学ぶ大人」の実態調査公表

プレスリリース発表元企業:株式会社リクルートマネジメントソリューションズ

配信日時: 2018-07-10 14:00:00

大人は若者から何を学べるか。若者に抱く”違和感”こそ学びのヒント

企業の人材育成を支援する株式会社リクルートマネジメントソリューションズ(本社:東京都品川区、代表取締役社長:藤島敬太郎)は、「大人が若者から学ぶには」をテーマにした研究プロジェクト(オトマナプロジェクト)に取り組んでいます。このたび、その一環で「若者から学ぶ大人」の実態調査を実施し、調査結果がまとまりましたのでお知らせいたします。
なお、詳細は当社Webサイト(https://www.recruit-ms.co.jp/)からもご参照いただけます。ぜひ、お役立ていただければ幸いです。



1.調査結果のポイント
30歳から65歳までの会社員 444名 【男女比率(50:50)】に2018年3月インターネット調査をした結果です。

(1)若者から学んでいる大人は全体の約2割
一方、若者に対して「知識・スキル」を教えている人は約4割。若者を学びの対象というより、教える対象として見ている人のほうが多いことが明らかに。男女別、年代別でも差がみられました。


(2)若者から学ぶ志向が高い人たち(Hグループ)と低い人たち(Lグループ)の行動を比較したところ、以下の3項目において最も大きな差がみられました。


明らかに違うとか稚拙だと思う意見であっても、そこに何か本質や真実があるかもしれないと捉え、発言の意図や理由を聴くようにしている
今までのやり方や考え方に拘らず、意識的に新たな考え方やり方を学び取り入れるようにしている
様々なことに興味を持って調べたり、関わってみるようにしている



(3)Hグループ、Lグループそれぞれのフリーコメントの分析では、両グループとも若者には「自己の尊重」という特徴があると感じている一方で、その捉え方には明確な違いが見られました。Hグループでは「しっかりと自分のキャリアを考え、会社に頼らない考えを持っている」など、若者の「自己の重視」の姿勢や生き方を見習いたいと捉えているのに対し、Lグループでは、「愛社精神はなく、転職ありきで考えている」など、自分勝手な特徴とネガティブに捉えている傾向があることが分かりました。


2.研究員のコメント ー若者への違和感は、自らを成長させる機会になるー
(リクルートマネジメントソリューションズ 事業開発部 主任研究員 桑原 正義(くわはら まさよし))

若者を大人社会の基準で見ると、頼りなさや違和感を感じるかもしれません。
そんな時は一度、自分たちの考え方や価値観のフィルターを外してみるとよさそうです。若者の言動や違和感に対して、「なぜそうしたのか?なぜそう思うのか?」と興味を持って聴いてみると、自分たちの発想にはない
視点や、なるほどと思える学びが得られるかもしれません。

自分の価値観にとらわれることなく、若者を含む「異質」から学ぶ大人が増えていけば、お互いの違いや強みを生かし合える、誰にとってもより楽しくやりがいのある社会や組織づくりにつながります。
大人にとって「異質」な存在である若者に「違和感」を抱いたその瞬間こそが、大人の学びの絶好のタイミングと捉え、関わっていけるとよいのではないでしょうか。


3. 調査結果サマリー(データ編)
「自分は若者から学んでいると認識している人はどのくらいいるのか」を知るため、「知識・スキル」と「考え方や価値観」それぞれについて、教えたり、学んでいる人の割合を調査しました(図表1)。
回答選択肢上位2つの「とてもあてはまる」か「あてはまる」と回答した人の割合を基準にすると、若者から学んでいる大人は全体の約2割となりました。
一方、若者に対して「知識・スキル」を教えている人は約4割。若者を学びの対象というより、教える対象として見ている人のほうが多いことが明らかになりました。
[画像1: https://prtimes.jp/i/29286/44/resize/d29286-44-219361-7.jpg ]

さらに傾向を分析するために、回答の選択肢を1~6点に換算し、平均得点を集計しました。(図表2)
全般的に男性の得点が高い中、男性と女性の平均得点を比較すると、若者に対して「知識・スキル」「考え方や価値観」を「教えている」という項目(1と2)の差が最も大きくなりました。大人の男性ほど、自分の持っている知識や考え方を若者に教えたがる傾向があると言えそうです。
[画像2: https://prtimes.jp/i/29286/44/resize/d29286-44-329019-4.jpg ]

[画像3: https://prtimes.jp/i/29286/44/resize/d29286-44-226062-0.jpg ]

図表3は、30代・40代・50代以上の年代別に分けた集計です。
世代間の差が最も大きいのが「若者から、自分にない考え方・価値観を学んでいる(項目4)」で、年代が上がるにつれて得点の減少幅が大きくなっています。年を重ねるほど、人は「知識・スキル」よりも「考え方・価値観」を新たに学んだり変えるのが難しくなり、自分の経験や価値観に固執することを示唆しているのかもしれません。
[画像4: https://prtimes.jp/i/29286/44/resize/d29286-44-502072-1.jpg ]

また、若者から学ぶ人とそうでない人は何が違うのかを分析するため、図表1の「今の若者は、自分たちの世代にはない、よいところや学ぶべきところがある」という質問への回答をもとに、若者から学ぶ志向が高い人たちをHグループ、若者から学ぶ志向が中程度の人たちをMグループ、若者から学ぶ志向が低い人たちをLグループに分類しました。
図表4の10の質問項目は、大人の学びに影響がありそうな項目として同時に聞いたものですが、全項目において、HグループとLグループの回答に明確な差が見らました。また、HグループとLグループの得点差が大きかった項目の中には、過去の同テーマでの弊社連載記事(※)の中で、対談者たちが発したキーワードと共通点が多いことが注目されます。

※【連載】 “なぜ大人は若者から学べないのか?(オトマナ)プロジェクト”
https://www.recruit-ms.co.jp/issue/theme/1/
[画像5: https://prtimes.jp/i/29286/44/resize/d29286-44-623058-2.jpg ]


4.調査結果サマリー(フリーコメント分析編)
HグループとLグループの若者に対するスタンスの違いは、「今の若者は、自分たちの世代にはない、よいところや学ぶべきところがある」という質問への回答理由に記載されたフリーコメントからも明らかになりました。

まず、Hグループについては、
・「新しいモノ・コト」への感度は、自分たちよりも若者たちのほうが優れている
・若者の柔軟さや新しい発想からは学ぶべきことがある
といった点について、コメントが多く見られました。
「同期同士はライバルではなく仲間意識が強い」「競争よりも共存するスタンス」というコラボレーションの姿勢や、「上下関係に委縮しない」「何事にも物怖じしない」など、頼りなく見られがちな若者の別の一面を好意的に捉えたコメントも目立ちました。
また、「しっかりと自分のキャリアを考えて、会社に頼らない考えを持っている」「好きなものは好き、嫌いなものは嫌いとはっきり伝えられる強さ」など、若者の「自己の重視」の姿勢や生き方を見習いたいと考える人も見られました。若者から積極的に学んでいる人たちは、若者ならではの柔軟で大人とは違った考え方・価値観を学びの材料と捉えていることが分かりました。

一方、Lグループでは、若者の「自己の重視」の姿勢に対して、「愛社精神はなく、転職ありきで考えている」「少しでも厳しいことを言うと、反抗的な態度をとることがある」など、自分勝手な特徴とネガティブに捉えている傾向があることが分かりました。


[画像6: https://prtimes.jp/i/29286/44/resize/d29286-44-883628-9.jpg ]

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5.調査概要

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