業界初(※1)の新機能「電源分圧出力機能」搭載!で機能安全設計に貢献!! 車載用高耐圧バッテリーモニタリングIC「S-191L/Nシリーズ」を発売

プレスリリース発表元企業:エイブリック株式会社

配信日時: 2021-07-27 10:00:00

S-191L/Nシリーズ

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/268397/img_268397_1.png

エイブリック株式会社(代表取締役社長:石合信正、本社:東京都港区、以下「ABLIC」)は本日、業界初(※1)の新機能である電源分圧出力機能を搭載した車載用高耐圧バッテリーモニタリングIC「S-191L/Nシリーズ」を発売しました。
近年、自動車業界はCASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)と呼ばれる4つの領域で技術革新が進んでいます。中でも、自動運転では、今まで人が行ってきた”認知”、”予想” 、“判断” および”操作”を自動車自身が代わりに行う為、万が一、故障などが発生した場合でもその影響を極力低減できるような機能安全の実現が必要になります。そのため、車載システムに搭載されたECU(※2 Electronic Control Unit)にはこれまで以上に安全性確保のための様々な機能が求められています。
本日発売したバッテリーモニタリングIC「S-191L/Nシリーズ」は、安全性確保に求められるECUの機能の中で電圧を監視する為のICです。
従来は自動車の高電圧を監視する場合には耐圧上の理由から、外付け部品を追加して低電圧へ分圧し、低耐圧電源監視ICやマイコンのA/Dコンバータを用いて監視を行っていました。さらに、監視機能の動作/停止を切り替えるためにFET(Field Effect Transistor:電界効果トランジスタ)を追加するなど外付け部品点数が増加してしまい、専有面積が増大するといった課題がありました。

今回の新製品「S-191L/Nシリーズ」は業界初の新機能である電源分圧出力機能を搭載し、高電圧を低電圧に分圧してA/Dコンバータに直接入力可能な電圧を出力することができる画期的な製品です。
また、暗電流(※3)を削減するため電源分圧出力機能の動作/停止を制御する回路も搭載しており、外付け部品等の削減で省面積化が可能になるばかりか、外付け部品によるばらつきなど監視精度に影響を与える要因が少なくなるため、高精度の電圧監視を実現することができ故障率の低減や機能安全強化に貢献します。
さらに、「S-191L/Nシリーズ」はECUの異常動作や機能停止につながる低電圧を監視する機能と、ECUの破壊につながる過電圧を監視する機能を搭載している為、より高い安全性確保に寄与します。
また、「S-191L/Nシリーズ」は監視電圧を入力するSENSE端子の入力電圧範囲が-30V~45Vと非常に広いため、過電圧試験やバッテリーの逆接続を想定した試験に対応可能で、ECUにバッテリーなどから供給される高電圧監視にも最適です。
「S-191L/Nシリーズ」は、車載用ICの品質規格AEC(*)-Q100 (*Automotive Electronics Council: 車載電子部品評議会)に対応しており、PPAP(Production Part Approval Process:生産部品承認プロセス)にも対応可能です。
今後もABLICは自動車業界で劇的な進化が進むCASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)の各分野に求められる多機能化、電装化、機能安全をサポートする製品を提供してまいります。

※1. 2021年7月 当社調べ
※2. ECU:Electronic Control Unitの略。電子回路を用いてシステムを制御する装置(ユニット)の総称。主に自動車に搭載されるものを指す。現在では大半にマイクロコントローラー(マイコン)が搭載されている。
※3. 暗電流:イングニッションOFFの状態でも流れる待機電流

【主な特長】
1.業界初! 電源分圧出力機能を搭載!!
「S-191L/Nシリーズ」は、マイコンでの電圧監視を行うための電源分圧出力機能を搭載しています。
電源分圧出力機能とは、高電圧を低電圧に分圧してA/Dコンバータに入力可能な電圧を出力する機能です。また、暗電流を削減するため電源分圧出力機能の動作/停止を制御する制御回路も搭載しています。これにより外付け部品が不要となり省面積化と暗電流削減に貢献します。更にIC自体が出力電圧を高精度で保証しますので煩わしい外付け部品選定が不要となります。

2.様々な監視機能の搭載で機能安全に貢献
「S-191L/Nシリーズ」は、機能安全に貢献する為に様々な監視機能を搭載しています。
ECUの異常動作や機能停止につながる低電圧とECUの破壊につながる過電圧の両方を検出することが可能なので診断カバレッジの確保に貢献します。また、高速検出が可能なのでFTTI(Fault Tolerant Time Interval: 故障耐性時間間隔)の配分にも有用です。更に【主な特長1】の電源分圧出力機能を用いることで、上述の監視に加えてアナログ監視が可能となる為、監視の多重化も実現可能です。

3.3種類の機能集約、外付け部品削減、超小型パッケージ搭載により省面積化可能
「S-191L/Nシリーズ」は、省面積化が求められるECUの電圧監視に最適です。
いままで本製品と同等の低電圧監視と過電圧監視と電源分圧出力機能という3種類の機能を実現する為には、複数のICや抵抗やスイッチとしてのトランジスタなど多くの外付け部品が必要でした。本製品を使用することでそれら全てが不要となります。また、車載用超小型パッケージHSNT-8(2030) (3.0mmx2.0mmxt0.5mm)に搭載することでIC自身も小型化を実現しました。外付け部品の削減と監視機能集約と自身の小型化の3つの優位性で省面積化に貢献します。

4.監視電圧を入力するSENSE端子は広範囲電圧-30Vから45Vまで入力可能
「S-191L/Nシリーズ」は、高電圧印加対応品なのでバッテリー監視に最適です。低電圧電源監視ICで監視する際に必要であった分圧抵抗が不要となりECUの暗電流削減に貢献します。更にSENSE端子は逆接続保護ダイオードを内蔵している為、負電圧印加が可能です。従来の電圧監視ICでは、接続できなかった逆流保護ダイオード前への接続が可能になりバッテリー電圧を直接監視できるため、更なる高精度監視へ貢献します。その際に懸念されるバッテリーの逆接続を想定した試験にも対応可能です(※4)。

5.車載品質
三温度テスト(低温、常温、高温)を実施しています。AEC(Automotive Electronics Council: 車載電子部品評議会)による各種の信頼性・品質評価試験である「AEC-Q100」に対応予定です。また、PPAP(生産部品承認プロセス)にも対応可能です。自動車等の過酷な環境での使用が可能です。

※4. 詳細は下記「高耐圧バッテリーモニタリングICのメリット」ページをご参照ください。
https://www.ablic.com/jp/semicon/products/automotive/automotive-voltage-detector-reset-ic/intro/


【主な仕様】
・ 動作電圧範囲: 3.0V~36.0V
・ 低電圧検出範囲: 4.0V~10.0V
・ 過電圧検出範囲: 16.0V~18.0V
・ 検出電圧精度: ±1.5%( Ta =−40℃ ~ +125℃)
・ ヒステリシス幅:0%、5%、10%から選択可能
・ 電源分圧出力機能分圧比:1/6、1/8、1/12、1/14から選択可能
・ 動作時消費電流:0.9 μA typ.(ディテクタ部)
・ 動作温度範囲:Ta = −40℃ ~ +125℃
・ 搭載パッケージ
- HTMSOP-8, HSNT-8(2030)
・ AEC-Q100 対応予定
・ PPAP対応可能
*詳細は販売窓口までお問合せください

【同時リリース製品一覧】
「S-191L/Nシリーズ」他、必要な監視機能に合わせて製品を選択可能
表1: https://www.atpress.ne.jp/releases/268397/table_268397_1.jpg


【用途例】
・ 車載電装機器用電源の過電圧検出
・ 車載バッテリー電圧検出
・ 車載用 (エンジン、トランスミッション、サスペンション、ABS、EV / HEV / PHEV関連機器等)

【製品詳細】
https://hub.ablic.com/ja/products/s-191l-191n

【Webサイト】
https://www.ablic.com/


エイブリック株式会社は、2020年4月30日付でミネベアミツミ株式会社の100%子会社となりました。



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