超小型軌道エレベーター「STARS-EC」がテザー伸展・回収実験に成功

プレスリリース発表元企業:STARS Space Service株式会社

配信日時: 2021-06-29 08:00:00

軌道上でのテザーの巻き取りは世界初

STARS Space Service協力のもと開発された「STARS-EC」が10メートルのテザー伸展と巻き取りに成功したことが確認されました。本技術は今後、宇宙エレベーターの建造や宇宙デブリのリサイクルにも応用される予定です。



[画像1: https://prtimes.jp/i/64089/2/resize/d64089-2-849975-0.png ]

STARS Space Service協力のもと静岡大学が開発した超小型軌道エレベーター「STARS-EC」は、3月14日(日)24:00に国際宇宙ステーション「きぼう」日本実験棟から宇宙空間に放出されてからは初期運用を行なっていましたが、4月16日よりテザー(※1)伸展ミッションを開始し、5月3日にはリールの計測データにてテザーが伸展していることが確認されました。続いて5月10日にはテザーの巻き取りも確認できました。軌道上でのテザー巻き取りの成功は世界初となります。

※1 テザー:
ロープ、ワイヤのこと。ケブラーなどの化学繊維製のものや導電性の金属繊維製のものなどがある。STARS-ECで採用されたのは、金属製のコンベックステザー。


テザー技術の応用

軌道上でテザーを制御する技術は、将来的に宇宙エレベーターの建造や、宇宙デブリのリサイクルのために応用されます。
宇宙エレベーターを実現するためには、地球上と宇宙空間をテザーでつなげる必要がありますが、軌道上で長くテザーを伸ばした時にどのような影響を受けるのか分かっていない事も多いため、宇宙実証で取得されたデータが有用です。
また、軌道上でテザーを自在にコントロールできれば、宇宙デブリ(※2)への接近・捕獲技術への応用が可能となります。

※2 宇宙デブリ:
軌道上にある不要な人工物体のこと。例)故障した人工衛星、打ち上げロケットの上段、それらの破片など。年々その数は増加しており、運用中の人工衛星などへの衝突リスクが高まっている。


STARS-ECについて


[画像2: https://prtimes.jp/i/64089/2/resize/d64089-2-948013-2.jpg ]

STARS-ECは、STARS Space Service株式会社の協力のもと静岡大学能見研究室が開発した、3UサイズのCubeSat(※3)です。軌道上で動作するロボット衛星で、メカニカルな機構を使ってテザー伸展やクライマー移動を含むエレベーター実験を行います。

※3 CubeSat:
超小型衛星の規格。一辺10cmの立方体サイズ(重さ1.33kg以下)を「1U」と呼ぶ。「3U」とは、1U3つ分の大きさであることを示す。

[画像3: https://prtimes.jp/i/64089/2/resize/d64089-2-316506-1.jpg ]


5月にテザー伸展・回収の確認ができたのは「HT」側のみで、今後の運用で「MS」側のテザー伸展やクライマー移動のフェーズに移していく予定です。



関連リンク


■ 静岡大学工学部 能見研究室 STARSプロジェクト Website
http://stars.eng.shizuoka.ac.jp/

■ 三井物産エアロスペース株式会社 宇宙事業 Website
https://mba-space.com/



STARS Space Service(SSS)について


「138億年後、宇宙から見た地球が美しくありますように」をビジョンに、宇宙のサステナビリティを追求する静岡大学発ベンチャー企業です。「宇宙×エコ」を軸に事業開発を行なっており、現在は宇宙リサイクルの実現に向け実証実験を重ねています。

■ STARS Space Service株式会社 Website
https://stars.co.jp/

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