太陽光関連業者の倒産、2020年度は79件発生 2年連続で減少

プレスリリース発表元企業:TDB

配信日時: 2021-04-14 15:23:47

大型倒産発生で負債額は倍増

太陽光関連業者の2020年度(2020年4月~2021年3月)の倒産件数は2年連続で減少した。もっとも、年度末にかけて大型倒産が発生しており、動向には十分な注意が必要だ。

調査対象は2006年4月から2021年3月までに発生した562件の太陽光関連業者(※)の倒産(法的整理のみ、負債1000万円以上)。「倒産件数と負債総額の推移」、「倒産態様別」、「負債総額別」、「地域別」、「業歴別」、「資本金別」、「従業員別」、「業種別細分類」、「倒産主因」について、調査、分析した。



<調査結果(要旨)>


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2020年度の宿泊業者の倒産件数は前年度比66.7%増の125件となり、増加率が過去最高となった。また125件のうち、新型コロナウイルスの影響による倒産は72件に上り、全体の57.6%を占めた
「倒産態様別」は、「破産」が71件(構成比89.9%)、「民事再生法」が5件(同6.3%)、「特別清算」が3件(同3.8%)
「負債総額別」は、「1000万~5000万円未満」が31件(構成比39.2%)で最も多く、次いで「1億~5億円未満」の25件(同31.6%)。1月以降、負債100億円を超える倒産が (株)JCサービス(東京都、3月24日民事再生法、負債約153億4200万円)など2件発生した
「地域別」は、「関東」が32件(構成比40.5%)と突出。次いで「近畿」の15件(同19.0%)、「九州」の9件(同11.4%)
「業歴別」は、「5~10年未満」の20件(構成比25.3%)がトップ、「30年以上」の19件(同24.1%)が第2位、「10~15年未満」の14件(同17.7%)が第3位
「資本金別」は、「100万~1000万円未満」が37件(構成比46.8%)で最も多く、次いで「1000万~5000万円未満」の31件(同39.2%)
「従業員別」は、「10人未満」が63件(構成比79.7%)を占めた。次いで「10~50人未満」の14件(同17.7%)
2006年4月~2021年3月の累計倒産件数は562件。「業種別細分類」は、「設備工事業」が137件(構成比24.4%)でトップ。倒産主因は、「販売不振」が406件(同72.2%)で最も多かった

<今後の見通し>
太陽光関連業者の倒産件数は、暦年ベース(2020年1~12月、1月19日発表)では84件(前年比13.5%増)と2年ぶりの増加に転じていた。今回、年度ベースの調査では79件と2年連続で減少したが、しかし高水準の倒産が続いていることは間違いない。太陽光関連業者の倒産は2014年度以降、5年連続で増加し続け2018年度には96件のピークをつけたが、その後も80件前後で高止まりしているとみるべきだろう。

2012年に始まった固定価格買取制度(FIT)のもと、出力10キロワット以上の産業用で導入されていた全量買取制度は、2020年度より10~50キロワットのボリューム・ゾーンへの適用が廃止されて自家消費率30%以上を義務付ける余剰電力買取制度へ移行し、小規模メガソーラーのビジネスモデルが成立しにくくなった。年々引き下げられてきた産業用の買取価格は13円、家庭用も21円まで低下。コスト低減も進んでいるため、10%前後の一定の投資利回りは確保されているものの、この数年来、市場の縮小傾向が続いている。そうした中での大型倒産増加は要注意だ。2022年春に予定されているFITに替わる新制度、FIP(発電事業者が自ら電力市場で電気を売り、市場価格にある程度連動した補助金を受け取る)で市場原理が導入されれば、淘汰は一段と加速しかねない。

脱炭素社会の掛け声が強まるなか、本来なら再生可能エネルギーの主役たるべき太陽光関連業者のこの現状はまことに心細い限りだが、自家消費型への転換やコーポレートPPA(発電事業者と、新電力や最終需要家の長期・固定価格の売買契約)の本格普及、更なるコストダウンによる価格競争力の向上が市場再活性化の鍵となるだろう。関連業者もこれまでの成功体験に捉われることなく、大胆に、柔軟にビジネスモデルを変化させていく必要がある。
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■太陽光関連業者とは、(1)太陽光発電システム販売や設置工事、太陽光パネル製造やコンサルティングなど関連事業を主業として手がけるもの、(2)本業は別にあり、従業として太陽光関連事業を手がけるもの、両方を含む
■前回調査は、2021年1月19日

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