世界初!!GSアライアンス株式会社が白色LED用のグラフェン量子ドット複合体材料を開発

プレスリリース発表元企業:GSアライアンス株式会社

配信日時: 2021-03-16 10:30:00

青色発光LED(左) 青色発光LEDに今回開発した量子ドット複合材料を担持したもの(右)

従来の白色LED(左)と今回開発した量子ドットLED(右)の比較概念図

GSアライアンス株式会社(Green Science Alliance Co., Ltd.:環境、エネルギー分野の最先端材料、技術を研究開発する化学会社/本社:兵庫県川西市)はこれまで各種の量子ドット、量子ドット複合材料を研究開発、事業化してきました。この度、同社の岩林 弘久研究員と森 良平博士(工学)は、同社で合成しているグラフェン系量子ドット、炭素系量子ドットを元にシリカ複合材料を作り、440 - 470nmの青色を発光するLEDの上にこの材料を担持することにより、白色LEDが作れることを明らかにしました。炭素系量子ドット、グラフェン量子ドットのシリカ系無機材料との複合体を用いた白色LED用材料としては世界初です。

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/250878/LL_img_250878_1.jpg
青色発光LED(左) 青色発光LEDに今回開発した量子ドット複合材料を担持したもの(右)

画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/250878/LL_img_250878_2.jpg
従来の白色LED(左)と今回開発した量子ドットLED(右)の比較概念図

可視光の中で赤(RED)、緑(GREEN)、青(BLUE)の三色の光は光の三原色とよばれます。人工的に白色光を得るためには、三原色のすべてを含む幅広い発光スペクトルをもつか、または赤、緑、青の三原色に対応する複数のLED(でそれぞれ発光する材料)を組み合わせることが必要となってきます。しかしながら、現在の大多数の白色LEDにおいては、三色を用いることはコストの観点からもあまりなく、窒化ガリウム(GaN)などの青色LEDと、補色の黄色蛍光体の組み合わせが最も多く用いられています。既存の白色LED用蛍光体や黄色蛍光体の代表的なものとしてYAG系と呼ばれる(Y,Gd)3(Al,Ga)5O12:Ce3+や(Ba,Sr,Ca)2SiO4:Eu2+が挙げられます。また最近は窒化物、酸窒化物及び硫化物などの蛍光体もあります。

一方でこれらの半導体系の蛍光体は、その材料組成に依存した一定の決まった波長しか発光せず、発光波長の微調整が難しいという課題もあります。この点量子ドットは、可視スペクトルのほとんどすべての色に光を変換することが可能です。量子ドットの合成時において組成の違い、量子ドットサイズの違いをつけて、発光色を調整することができることが最大の利点です。また現行使用されているYAG系材料などの蛍光体材料はミクロンサイズなので、光散乱が課題でもありますが、量子ドットは10nm以下のナノ超微粒子であるので可視光領域での透明度が高く光散乱が少ないので入射光、発光ともに効率良く取り出せることができ、GaNなどの青色LEDからの励起光を効率良く波長変換できるという利点もあります。
つまりGaNに対する同じ消費電力で既存のLEDより、明るくなる可能性があります。また発光部分と青色発光源であるGaNの距離が離れている構造なので、GaNの温度が上がりにくく、GaNがダメージを受けにくく、LEDが長寿命化できる可能性もあります。さらに現在最も使用されている黄色蛍光体である上述したYAG系蛍光体はコストが高いという課題があります。この点量子ドットも値段は高いという感はありますが、この度開発したグラフェン量子ドットLEDの原料である炭素系量子ドット、グラフェン量子ドットは比較的コストメリットのある有機物を原料としており、大量生産時には既存の白色LEDより安価に生産することができる可能性もあります。

今後はこれらの材料のサンプルワーク、事業化などを国内外に展開していく予定です。


◆量子ドット(Quantum Dot)
量子ドットとは、量子化学、量子力学に従う光学特性を持つシングルナノスケールの超微細結晶である最先端材料です。量子ドットの大きさは通常0.5 - 9nmの直径というごく小さい構造体で、1個あたりの原子、分子数は数個 - 数千個といわれており、人口原子とも言われています。エネルギー準位、バンドギャップ、伝導帯、価電子帯といった概念は、通常のバルクサイズの半導体の概念がそのままあてはまりますが、10nm以下のサイズになると量子封じ込めと言われる物理化学的効果により、量子ドットにおいての電子エネルギー準位は連続ではなく、分離が生じています。よって量子ドットにおいては、その粒子サイズによってバンドギャップを調節することが可能であるため、(粒子サイズ)粒径に依存した特徴的な発光特性を持ちます。
つまりサイズを変化せることにより発光波長が調整可能ということになります。

量子ドットは、以下に示すような様々な用途で一部実用化、応用が期待されています。

1. LED
2. 太陽電池
3. ディスプレイ
4. 生体イメージング、バイオマーカー、医療画像装置
(がん細胞のイメージング、たんぱく質の分析、細胞の追跡など)
5 セキュリティタグ、セキュリティインク、偽造防止
6. レーザー
7. トランジスタ
8. フォトニック結晶
9. 高密度固体メモリー
10. 電材料
11. 人工光合成

など


■会社概要
商号 : GSアライアンス株式会社
代表者 : 代表取締役社長 森 良平博士(工学)
所在地 : 〒666-0015 兵庫県川西市小花2-22-11
事業内容: 環境、エネルギー分野の最先端材料、技術の研究開発
URL : https://www.gsalliance.co.jp/


詳細はこちら
プレスリリース提供元:@Press