2020年第2四半期台湾ファスナー産業の振り返りと今後の展望<ワイズ機械業界ジャーナル9月第3週号発行>

プレスリリース発表元企業:威志企管顧問股イ分有限公司(ワイズコンサルティンググループ)

配信日時: 2020-09-17 11:25:52

~台湾機械業界の動向が分かる~

ワイズコンサルティング グループ(本社:中華民国台北市、代表取締役:吉本康志)は台湾機械業界専門誌「ワイズ機械業界ジャーナル」の9月第3週号を発行しました。今週号では、ファスナー業界、自動車・二輪車業界、自動車部品メーカーのGSK FBT、再生エネルギー業界について紹介します。



[画像1: https://prtimes.jp/i/59899/16/resize/d59899-16-152566-1.png ]

<200917号内容案内>

[表: https://prtimes.jp/data/corp/59899/table/16_1.jpg ]



台湾ファスナー産業の振り返りと今後の展望—2020年第2四半期
一、産業概況
 2020年第2四半期、台湾ファスナー産業の生産額は293億3,000万台湾元で前期比14.7%減、前年同期比24.8%減となった。また、輸出額は272億8,000万台湾元で前期比14.7%減、前年同期比24.3%減と同じく大幅減少した。20年通年の生産額は前年比32%減の1,021億1,000万台湾元で、リーマンショック以降最大の減少幅となると予測されている。新型コロナウイルスの感染が拡大した影響で、▽医療器具▽第5世代移動通信システム(5G)▽テレビゲーム製品─の需要が増加し、一部ファスナー製品の受注が伸びたが、自動車および建築産業向けのファスナーメーカーは受注が減少している。
 欧米地区は2020年第2四半期、都市封鎖の実施によって工場や会社が営業を一時停止し、無給休暇が実施されたことから、製造業のファスナーに対する需要は大幅減少した。第3四半期も、欧米顧客の営業停止による影響が続いていることから、欧米市場に集中する一部メーカーの受注回復は第4四半期にずれ込む見通しだ。
 一方で、欧米地区の新型コロナウイルスの感染拡大は収束の兆しがなく、自主隔離とソーシャルディスタンスの確保が引き続き実施されていることから、住宅リフォームや電動自転車などの需要が増加した。加えて、これまでの出荷遅延の影響で主要海外顧客の在庫が少なくなっており、一部顧客からの緊急受注が増加した。このため、20年下半期のファスナー市場の需要は回復するが、20年通年の生産額は前年比32%減の大幅減少となる予測だ。
[画像2: https://prtimes.jp/i/59899/16/resize/d59899-16-859451-0.png ]

二、メーカー動向
 MHIヴェスタスオフショアウィンド(MVOW)は恒耀工業(ボルトン)とファスナーの提供で合意し、台湾風力発電産業の台湾生産化計画の中で唯一、台湾メーカーからファスナーを調達する風力発電機メーカーとなった。恒耀工業のファスナーは、MHIヴェスタスの最新型風力発電機(V174)に使用され、同タイプの風力発電機は2022年に台湾で設置される予定だ。
 新型コロナウイルスの感染拡大は航空業にも大きな打撃を与えており、2020年のボーイングとエアバスの新造飛行機の受注は大きく減少した。このため、航空機用ファスナーメーカーの豊達科技(NAFCO)の20年上半期の売上高は前年同期比22.51%減の10億4,600万台湾元と減少した。20年下半期について、豊達科技は国際便の運行が過去の水準まで回復していないため、景気の先行きを懸念している。また、20年から出荷予定だった認証済み新製品の出荷が遅延していることに加えて、景気回復の兆しもないことから、20年通年の売上高に保守的な予測をしている。
 世富螺絲(Sheh Fung)の2020年7月の連結売上高は前期比22.58%増の1億9,000万台湾元で、過去最高を記録した。世富螺絲は、米国各州が都市封鎖を解除し、経済活動を再開したことに加えて、米国の新規建設工事件数が2カ月連続で成長したことから、米国のねじバイヤーおよび建設・リフォーム業者からの緊急発注が増加し、主力のねじ製品の販売が好調だった。また、建築用およびDIYリフォームの関連需要も増加する見通しだ。

三、今後の展望
 国際通貨基金(IMF)は、2020年の世界経済成長率予測値を3.4%に下方修正し、景気は緩やかな成長が続くとみている。とくに、米中貿易摩擦が関税・貿易政策に不確定要素をもたらしたため、メーカーの投資意欲に影響が及んでいる。また、20年に中国で発生した新型コロナウイルスの感染拡大は、中国の経済だけではなく、世界の各産業にまで打撃を与えている。さらに、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)が20年末までに締結される予定であり、台湾ファスナー産業の輸出に大きな影響をもたらす見通しだ。
 短期的には、米州市場は成長する可能性があるため、台湾ファスナーメーカーは米州市場のマーケティングを強化すべきだろう。また、保護貿易主義の高まりに対し、台湾ファスナーメーカーは高付加価値製品の開発とスマート化の生産設備を導入することで、産業全体の競争力を高めるほか、メキシコ、タイ、ロシアなどの新興市場を開拓して潜在商機の獲得を目指す必要がある。

<ワイズ機械業界ジャーナルとは>

[画像3: https://prtimes.jp/i/59899/16/resize/d59899-16-906653-2.png ]

1. 台湾唯一のサービス
台湾で唯一機械業界に特化した日本語情報誌です。
2. 個々の分野の情報が満載
工作機械、機械設備、機械制御装置、手工具、動力工具、ねじ・ナット・リベット、ファスナー、金型、自動車、航空宇宙、自動化・ロボット、再生エネルギー等などの情報が満載です。
3. 多種多様な情報を提供
業界トレンド、企業動向、統計資料、法改正情報を全て網羅しています。
4. 読みやすい紙面
豊富な写真と図表、パソコンでの閲覧に配慮された横型の読みやすいPDF形式にて提供します。
5. 記事データベース検索
ホームページの記事データベースより、自由に過去記事の検索ができます。

●詳細
https://www.ys-consulting.com.tw/service/marketing/machine.html
●2週間無料試読のお申し込み
https://www.ys-consulting.com.tw/login/?buy=1&next=/service/marketing/machine.html&pop=1&frm=2

【会社概要】
会社名:ワイズコンサルティング グループ
所在地:中華民国台北市襄陽路9號8F
代表者:吉本康志
設立:1996年11月
URL:https://www.ys-consulting.com.tw/
事業内容:
・経営コンサルティング(人事労務・マーケティング・経営戦略・情報セキュリティ)
・人材トレーニング(階層別研修・職種別研修)
・日本語台湾経済ニュース、機械業界ジャーナル配信
・市場調査・業界調査・顧客調査
・クラウドサービスの販売

【お客様からのお問い合わせ先】
ワイズコンサルティング
TEL:+886-22381-9711(日本時間10:00~19:00)
e-mail:research@ys-consulting.com

PR TIMESプレスリリース詳細へ