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相場展望5月1日号 日経平均PERから見ると、すでに割高 米欧日の中央銀行からの過剰マネーに、踊らされない様に

2020-05-01 11:24:55

■I.米国株式市場
●1.米1~3月期のGDPは、▲4.8%と新型コロナで外出規制の為、11年ぶりのマイナス成長。
 1)米商務省が29日発表した、2020年1~3月期の国内総生産(GDP)は年率換算で前期比▲4.8%減だった。市場予想は▲4%減だった。リーマンショックによる金融危機後の2008年10~12月期の▲8.4%以来の低水準。

【前回は】相場展望4月27日号 日銀、27日に『追加緩和』決定も、相場上昇は限定的か

 2)原因は、新型コロナ感染拡大に伴う経済活動の縮小が響いたため。特に、感染者が急増した3月半ばから急速に悪化した。

 3)10年超に及ぶ過去最長の景気拡大を続けてきた米国経済は曲がり角に差し掛かった。

 4)4~6月期は、1930年代の大恐慌以来となる歴史的なマイナス成長になる公算が大きい。

●2.各国の新型コロナ感染に対する制限解除
 1)米国
  ・経済活動再開の決定権は州知事にあり、大統領ではないため再開の期待度は後退気味。だが、活動制限解除のデモが広がる。
  ・NY州の再開条件はコロナ入院患者減少で、5月15日以降、再開順番は製造と建設業から。オフィスの再開はさらに2週間遅らせた時点。

 2)ドイツ  着実に経済活動再開に踏み出す環境が整う。

●3.原油相場から目を離せない
 1)原油需要の過剰状態が解消困難なことから、原油先物による波乱要因には、目が離せ
ない。

●4.企業業績
 1)SP500ベースの企業の1~3月期は▲14.8%の減収見込み。

 2)GM  手元資金の温存を図るため、配当と自社株買いを停止。

■II.中国株式市場
●1.中国の経済活動は再開
 1)リーマンショック時の中国主導による世界経済復興の「救施主」を狙うが、中国は新型コロナ感染拡大の第2波感染のリスクが残る。

●2.中国経済、3月回復の兆し、しかし4月に失速
 1)新型コロナウイルスによる打撃
  (1)1~3月期:歴史的な経済収縮に見舞われた。
  (2)3月後半:回復の兆しが見られた。
  (4)4月:世界的景気後退の兆候で逆風が強まり、国内需要が非常に弱く、企業は引き続き慎重なため、その勢いは失速している。

 2)売上高低迷の説明
  (1)売上低迷の大部分は、外需(輸出)の急速な低下による輸出受注の落ち込みが原因。
  (2)新規輸出受注指数は3月50.8⇒4月41.1に急低下した。

●3.中国4月購買担当者景況指数(PMI)、30日発表
 1)製造業   50.8で市場予想(51.0)を下回る   
  非製造業  53.2で市場予想(52.5)を上回った。

●4.中国で感染拡大中の謎のウイルス蔓延、人間への被害も懸念
 1)中国で現在、爆発的に流行し、他の諸国に被害を拡大させているウイルス
  (1)新型コロナウイルス:人間を死に追いやる。湖北省武漢から感染拡散
  (2)鳥インフルエンザ:ニワトリなど鳥類を死に追いやる。
  (3)アフリカ豚コレラ:豚が感染し、ほとんど死滅させる。
  (4)十脚目虹ウイルス:エビ、ロブスター、ザリガニ、カニなど甲殻類が全滅。2014年12月浙江省で検出、広東省中心に東南アジアに拡大

 2)人間に対するリスク
  (1)ウイルスが人間の体内に入って突然変異し、人間を死に至らしめるケースがある。
  (2)このため、広東省ではウイルスに感染した豚や養殖池に部外者が近づくのを禁止。

続いて、「日本株式市場」の分析、「注目銘柄」へ

■III.日本株式市場
●1.PERから見た日経平均は16.07倍と割高圏にあり、世界の過剰マネーに踊らされない様に
 1)日経平均EPS(1株当たり利益)は1,256円(4/30)まで低下し、さらに悪化する可能性が高いことから、PER(4/30 16.07倍)は割高水準にあると言える。

 2)また、暴落前の日経平均のPER14.69倍(2/13)をも既に大きく超えている。つまり、PERからみる日経平均は『暴落前に戻って、しかも超えた』と言える。

 3)2018年度以降の平均PER12.8倍をも大きく上回った16.07倍となった。直近の16.07倍は、今年度の回復期待を過剰に織り込んでいる可能性があるため、反動に注意。

 4)したがって、米日欧の中央銀行による過剰マネーに、踊らされない注意が今後必要。

●2.日経先物からみた日経平均は50%戻りが天井か
 1)海外勢は買い越しが4月28日現在で+134,662枚まで減少継続しており、日銀の支えだけでは暴落幅の50%戻りの20,300円が節目となる可能性がある。

●3.日経平均は逃げ足の速い短期筋の仕掛けで動いている
 1)「野村」がキーパーソンで、野村の売買と日経平均株価の上下との連動が続く。

 2)本格的GWを来週に控え、2週連続で買い支えた国内大手の積極的な市場参加が限定されるため、短期筋の売買仕掛けに振らされやすい環境が続くと見られる。

●4.日銀の追加緩和決定の効用期間は短い(1週間程度)とみる
 1)材料出尽くしとなる可能性が高く、金融政策期待でここから上値を追うのはリスク。

●5.新型コロナ「緊急事態宣言」延長へ
 1)1ヶ月前後延ばす見通しで、全国一斉も検討。
 2)緊急事態の期間が長引けば、さらなる景気悪化や財政支出の増大が懸念される。

●6.企業業績
 1)信越化学  2020年3月期の当期利益は+1.6%増の3,140億円。
 2)日産自動車 最終損益の予想+650億円⇒▲850~▲950億円の赤字へ。
 3)JR東日本  1~3月最終利益▲530億円赤字、通期+1,984億円黒字と前年比▲32.8%減
 4)東京エレクトロン 営業利益は前年度比▲23.6%減の+2,372億円の黒字。7年ぶり減益。
 5)日本の自動車メーカー8社生産、3月▲26%減(前年同月比)。

●7.原油価格と株式相場は高い連動性がある
 1)原油価格変動と日経平均株価はパラレルに連動する。その理由は、 (1)世界の経済活動の強弱が企業業績と密接に関係し、原油需要に直結する。 (2)原油価格の上下が、産油国の財政に直結し、資金運用に影響を与える。

 2)WTI原油先物は、4/20▲40.3ドル/バレルからは回復したが、4/29に15.06ドルと回復途上にあるが、暴落前の価格にはまだ遠く、しばらくは動揺が続こう。

 3)原油価格と株式相場の連動性は過去、パラレルに動くため、先行き警戒は続くとみる。

●8.4月消費者心理、リーマン時より悪化し過去最低に
 1)内閣府が30日発表した、4月消費動向調査によると、21.6(前月比▲9.3減)と2004年4月以降で過去最低となった。

 2)原因は、新型コロナ感染拡大の影響で大幅下落となり、リーマン時の2009年1月の27.5も下回った。

 3)基調判断も3ヶ月連続で下方修正し、最も厳しい表現「急速に悪化」とした。

●9.北朝鮮・金正恩氏の変異によっては、地政学上のリスクが発生する懸念
 1)北朝鮮での権力交代や、力の真空状態の出現で、混乱が生じる場合があり得る。

 2)北朝鮮は政権の崩壊を避けるために、韓国・日本などに対して危機転嫁の対外戦争を発動してしまう危険性は無いとは言えない。

■IV.注目銘柄(株式投資は自己責任でお願いします)
 ・9843 ニトリ  苦境に強い。
 ・9740 CSP   JR東日本の警備を一手に扱い、業績好調。

執筆:中島義之(なかしま よしゆき) 

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