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相場展望2月25日号 中国との関係濃度で国別・銘柄の選別進む 米国の長短金利差の縮小・逆転に警戒

2020-02-24 16:56:48

■I.米国株式市場
●1.米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨
 1)慎重ながら米経済を楽観視して、年内の金利据え置き方向。

【前週は】相場展望2月17日号 米国株急上昇vs日本株鈍い動き、その理由は?

 2)7月で金融緩和第4次政策(QE4:月額600億ドル)を終了は、予定通り。
    ⇒ 強気相場を支えるFRB金融緩和政策の変更に警戒したい。

 3)新型肺炎を「新たなリスク」として米景気への影響を注視。

●2.長短金利差(10年国債利回りと2年国債利回りの差)が縮小傾向に注視
 1)2月20日には差が0.126%(1月8日は0.293%)に縮小。
   SP500のPERは20倍近辺の高水準と、相俟って一層の動揺に警戒。

 2)逆イールド(長短金利差の逆転)発生を警戒。1月31日NYダウが▲603ドル安となった日の長短金利差は0.194%。

              1月8日  1月31日  2月20日
      10年国債利回り 1.874%  1.507    1.515  
      02年国債利回り 1.581   1.313    1.389
      金利差      0.293   0.194    0.126
      NYダウ    +$161高 ▲$603安  ▲$128安(翌日▲$227)

●3.FRBは、市場の利下げ予想に対し慎重姿勢(フィスコ)
 1)新型肺炎の感染拡大が景気成長を抑制するとの懸念から、米国金利先物市場では年内1回~最大2回の追加利下げを織り込み始めた。市場の反応は速くて、2020年6月、7月の利下げを織り込んでいるようだ。

 2)米連邦準備制度理事会(FRB)は米国経済に楽観的で、年内の金利据え置き予想を維持している。
  クロリダFRB副議長は20日、(1)新型肺炎が中国経済に影響を与えることは必至 (2)新型肺炎が、米国の金融政策の修正を必要とする証拠がない、として「利下げの可能性は高くない」と語った。

●4.アップルは新型肺炎の影響で売上未達を発表
 1)アップルは中国本土の店舗と事務所を閉鎖し、また製造拠点や供給拠点半分近くが中国にあるため大規模な混乱のリスクにさらされている。

 2)アップル製品の組み立てを行う台湾の電子機器受託製造大手・鴻海精密工業は、先週にも生産活動を再開する予定だった。しかし、一部の工場は閉鎖されたままになる他、従業員の復帰率10%の工場もある、と報じられている。

●5.アップル以外で新型肺炎の影響を受ける主な米企業の例
 1)大手コネクター・メーカーのアンフェノール
  ・中国向け売上高が約30%を占める。

 2)コンピューター機器大手のHP(ヒューレットパッカード)
  ・工場労働者の約70%が中国で働いている。

 3)PC大手のデル
  ・仕入先の半分以上を中国に依存。


続いて、「中国株式市場」の分析へ

■II.中国株式市場
●1.中国への依存度の高い(1)国(2)銘柄の株価は下落、低い国と銘柄は上昇し、格差
         国        銘柄
   1)高い: アジア諸国、日本、韓国  自動車、空運、機械、鉄鋼、非鉄金属
         台湾、フィリピン     旅行・ホテル、小売
   2)低い: 米国、欧州        IT、半導体、医薬品・機器、不動産
                      
●2.中国人民銀行(中央銀行)は2月17日、金融緩和に動く
 1)上海総合指数は大幅上昇だが、2月4日以降の12勝1敗は異常。官製相場?

●3.中国・武漢の新型肺炎患者の状況
 1)入院患者数3万人、うち重症者数1万人という。

●4.国際通貨基金(IMF)の要人発言
 1)新型肺炎の感染拡大は中国の成長を低下させ、他国・世界経済に影響する。

●5.新型肺炎を反映した2月分の中国製造業PMI(2月29日発表)に注目

●6.中国の全人代常務委員会(日本の国会にあたる)開催予定3月5日を延期

●7.新型肺炎で航空会社の売上減は3兆円超に 国際航空運送協会(IATA)発表
 1)うち、中国国内線の売上減少は43.6%を占め減収は約1兆4,300億円。

 2)2020年は航空会社にとって非常に厳しい年になるだろうと結論付けた。

 3)中国大手航空会社の海航集団は経営悪化のため中国大手3社が分割吸収。


続いて、「日本株式市場」の分析と「注目銘柄」へ

■III.日本株式市場
●1.日本経済は弱い
 1)2019年10~12月年率GDP▲6.3%減、5四半期ぶりマイナス成長
  ・消費増税と中国減速が響く。

 2)2019年10~12月期純利益比較
  ・世界+16%、米国+25%、欧州+18%、日本▲12%。

●2.日経平均の動きに変調
 1)日経平均は2月17日、GDP年率▲6.3%と急減を受け、朝方に約▲350円安。しかし、中国人民銀行の金融緩和発表を受け▲164円安と下げ渋った。

 2)2月19日の日経平均は+206円高だが、内容が悪い
  (1)日経平均0.83%上昇に対しTOPIX0.37%上昇と歪。
  (2)NT倍率が13.997倍と少数の値嵩銘柄で日経平均上昇は歪。
  (3)年初来高値9銘柄に対し、安値は65銘柄も現出と構成銘柄悪化。

●3.決算純利益は2020年3月期製造業が▲23.4%減(前期比)(単位:億円)
 1)純利益状況  製造業  非製造業  全産業  金融含む全産業   
   2019年3月 16兆1,174 12兆7,525 28兆8,699 32兆6,909
   2020年3月 12兆3,455 12兆7,424 25兆0,879 30兆4,854

 2)製造業の減益が目立つ。

●4.新型肺炎で、部品調達・生産・流通・需要などすべてに影響
 1)2020年3月末に向けて、企業業績予想の下方修正が多発する可能性あり。

●5.新型肺炎の影響
 1)山陽新幹線 利用者▲12%減少、外国人減の影響。

 2)訪日外国人減少が中国以外にも拡大。国内旅行も控える動き(観光庁)。

 3)日本国内でも人混みを控え、イベント開催中止で消費落ち込み懸念。

 4)金融庁は日本の銀行による中国融資7兆円超に緊急リスク調査に着手。


■IV.注目銘柄
 ・6579 ログリー     日本初のネイティブ広告で、業績好調
 ・4901 富士フイルム   子会社の薬が新型肺炎患者に調査投薬中。

執筆:中島義之(なかしま よしゆき) 

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