記事を印刷する | ウィンドウを閉じる

ソニーは利口だ! 電化製品製造業のソニーでも、自動車製造は難しい

2020-01-21 11:39:11

「VISION-S PROTOTYPE」(画像: ソニーの発表資料より)

「VISION-S PROTOTYPE」(画像: ソニーの発表資料より)

 テスラはモデル3程度の量産数の自動車で、量産化にてこずっていた。現在でも品質保証に懸念が残っている。その中で、世界市場ではEV競合がいよいよ始まっている。

【前回は】ソニーの「VISION-S」はコンセプトEV 金融技術は付随技術でビジネスモデルではない

 ジャガー・E-PACEの成功や、本格的に登場するポルシェ・タイカンなどが、テスラのドル箱の車両と競合する。いよいよEV市場が確立されてくると共に、「EV」と言う先進性だけでは商品力が保てなくなる。本格的な自動車の製造・生産などの技術競争が始まるのだ。

 「EVになると部品点数は1/4になる」などと言われてきた。エンジン・ミッションがなくなると高度なノウハウを必要としなくなり、他の業種から参入しやすくなると言う主張だった。しかし、現実には自動車は「重要保安部品」が多く、それぞれの部品製作にはそれなりの技術が必要である。

 また、EVならではのバッテリーの重量に悩まされることとなる。エンジン車のガソリンタンクに代わる、エネルギーを蓄えておくバッテリーの集積効率の悪さが、重量増加をもたらしているのだ。

 これから全固体電池などが量産されるようになると、徐々に解消されていくものと見られるが、重量が重いと「熱効率」が悪くなり、発電からのトータルでガソリン車のほうが燃費が良くなる状態も考えられる。

 その重要な軽量化の技術においては新素材開発が欠かせないが、量産に耐えうる素材であることが重要で、まだまだ鋼材がコスト的には有力なのだ。その鉄の利用に関しても多くのノウハウが存在し、「知識集約産業」のすそ野の広さを思い知ることとなっている。

 そこで、電化製品を製造してきたソニーならでこそ、テスラと同じ誤りを犯さないのではないのだろうか?つまり、自動車の製造までは手を出さず、部品開発・製造にノウハウを持つサプライヤーとしての発展を目指しているのであろう。

 この判断は「実に利口」と思われる。自動車製造の技術的奥の深さと広がりを考えると、メガサプライヤーとして広く世界の自動車メーカーに部品を供給していくことが、資金効率を最大にする方策であると言える。

 これからのソニーの発展においては、「グローバル企業であること、日本企業であること」の両立を考えてほしいものだ。これはグローバル経営者と言われる国外の経営者では出来ないことだ。

© Copyright Zaikei Shimubun 2020 All rights reserved.