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ソニーのAI統合開発環境 クラウドでの高速学習サービスを開始

2018-05-11 18:53:01

Neural Network Console(図:ソニーの発表資料より)

Neural Network Console(図:ソニーの発表資料より)

 ソニーは9日、ディープラーニング(深層学習)のプログラムを生成できる統合開発環境「コンソールソフトウェア:Neural Network Console」のクラウドサービスにて、複数GPUによる高速学習サービスの提供を開始したと発表した。

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 人工知能(AI)の研究者や開発者にとって、統合開発環境の構築は金銭的な負荷だ。この負荷を低減するために、ソニーは統合開発環境を無償で提供してきた。

 2017年6月には、ディープラーニング開発のためのコアライブラリ「Neural Network Libraries」をオープンソース化、同年8月には、コンソールソフトウェア「Neural Network Console」の無償提供を開始。WindowsのOS(オペレーティングシステム)のみならず、Mac OSやLinux OSにも対応。

 1アカウントあたり、10時間のCPU学習、10GBのストレージ、10のプロジェクトという制約はあるが、無償である。AIの研究開発では、AIに高速学習させることが重要だ。今回、新たに提供する高速学習サービスは、より大規模な学習の実行や複数のプロジェクトの学習を同時に進行させたい研究者、開発者向けに、最高で8台のGPU(グラフィックス プロセッシング ユニット)までを有償で提供する。

●クラウドでの高速学習サービスの特長
 新たに提供するクラウドでのGPUを用いた学習では、CPUでの学習と比較して10倍から100倍の高速学習が可能だ。

 GPU学習環境の開発・保守・運営には、多額の費用が必要だ。これまでにAI開発環境やライブラリのオープンソース化、そしてCPUでの学習環境を無償で提供してきたが、GPU学習環境は、1時間当たり210円の費用負担が必要となる。それでも、実際にGPU学習環境を構築・保守・運営する費用に比べれば、安価な設定であろう。

●AI学習環境(ソニー、Neural Network Console)のテクノロジー
 社会でのAI普及のために、AI環を整備して研究者や開発者に提供する。そのために、ソニーで培ったAI用のライブラリや統合開発環境、さらにはCPUでの学習環境を無償で提供してきた。今回は、10倍から100倍の高速学習が可能なGPU学習環境を安価に提供。大きな社会貢献の一環であろう。

 一方、AIは今後の製品やサービスに必須だ。Neural Network Consoleを用いた研究者や開発者の裾野が広がることで、AI分野でソニーがリーダーシップを握っていく狙いもあるのであろう。

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