退職の悩み

退職時に有給消化できない3つのケース!会社が拒否した場合の対策法も解説

「退職時に有給消化できない場合はどうしたらいい?」

「有給消化をしようとしたら会社に拒否された!」

退社時の有給消化について、上記のような悩みを抱えている方は少なくありません。しかしせっかくある有給を、消化せずに退職するのはもったいないですよね。

この記事では、退職時に有給消化をするための方法や会社に拒否され有給消化できない場合の対処法を解説していきます。これから退職を考えている方は、是非参考にしてください。

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退職代行マイスター 
鈴木拓海

『退職希望者』と『退職代行業者』の懸け橋になることを目標に本プロジェクトを立ち上げる。自分たちの退職時の経験から悩みに寄り添い、安心して利用できる退職代行業者のみを紹介する。

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退職時に有給消化できない3つのケース

有給休暇は、働く人が「休む」ために与えられた平等な権利です。「退職前に有給休暇を取るなんて申し訳ない」と感じるかもしれませんが、「退職前に有給消化をしてはいけない」という法律はありません。

つまり退職前に有給消化をすることは、決して間違ったことではないですし、会社も拒否する権利はありません。とはいえ、以下のような場合は有給消化できない可能性も。

  • 有給消化が間に合わない
  • 引き継ぎが終わらない
  • 出勤率が80%未満

それぞれの条件を詳しく見ていきましょう。

1.有給消化が間に合わない

一つ目は「有給消化が間に合わない」場合です。有給消化はその会社で働いている人に与えられる権利ですので、当然ですが退職後に有給休暇を使うことはできません。

たとえば2週間後に退職したいのに、有給休暇が20日残っていれば、物理的にすべての有給休暇を使うことはできなくなります。退職日を延ばすことができれば問題ありませんが、転職先の入社日の関係などで、どうしても退職日を動かせないこともあるでしょう。

そういった場合は、残念ながらすべての有給休暇を使い果たせないまま、退職せざるを得なくなります。

ただし現在の会社と転職先のどちらも二重就労を禁止していなければ、有給消化期間と転職先の使用期間が重なっても問題ありません。しかし雇用保険の手続き等もあるため、両方の会社に在籍期間が重なることの了承を得ておきましょう。

2.引き継ぎが終わらない

二つ目は「業務の引き継ぎが終わらない」場合です。業務の引き継ぎは法的な義務ではないのですが、引き継ぎをしないことで業務に支障をきたす場合は、会社側から損害賠償請求をされる可能性も。

もちろん100%完璧な引き継ぎをするというのは難しいでしょうが、ある程度の引き継ぎはしておくようにすると、トラブルを回避できます。ただしこれまで業務都合や会社都合で、有給休暇の取得がしにくかったという状況であれば、会社としても有給消化を認めざるを得ないこともあります。

3.入社半年未満もしくは出勤率が80%未満

最後は「入社半年未満もしくは出勤率が80%未満」の場合です。有給休暇は下記の2点をクリアしている労働者のみに与えられる権利です。

  • 仕事を開始してから6ヶ月以上継続して雇われている
  • 全労働日の8割以上出勤している

そのため上記の条件を満たしていない場合は、有給消化できないどころかそもそも有給休暇を取得できないのです。

退職前に有給消化するための3つの方法

「退職前に嫌な顔をされずに有給消化をしたい」

「スムーズに有給消化するための方法は?」

有給消化は当然の権利とはいえ、退職前に揉めるのはできる限り避けたいところです。周囲にできるだけ迷惑をかけずに有給消化をするには、3つのポイントがあります。

  • 事前に日数を確認しておく
  • 早めに退職を伝える
  • 引き継ぎを効率的に終わらせる

それぞれのポイントを徹底解説していきます。

1.事前に日数を計算しておく

まずは「事前に日数を計算」しておきましょう。いざ有給消化をしようとしたら、思った以上に有給が残っていた、というのはよくあるケースです。有給休暇は以下のように、勤続年数に応じて付与されます。

勤続年数6ヶ月1年半2年半3年半4年半5年半6年半
有給日数10日11日12日14日16日18日20日
有給休暇の付与日数

6年半以降は、毎年20日ずつ支給されます。たとえば入社2年で、一度も有給休暇を使っていない人の場合、10日+11日=21日の有給休暇が残っている計算になります。

最大で保有できる日数は40日間までで、それを超えた有給休暇は消えてしまうので注意しましょう。また就業規則に定められている休日は、有給休暇を使えないことも覚えておくべきです。

もし退職前に40日間の有給消化をしたい場合は、少なくとも退職予定日の2ヶ月前から有給消化を始めた方がいいでしょう。

2.早めに退職を伝える

2つ目は「早めに退職を伝える」ことです。法律上では、2週間前までに退職を申し出れば、退職が認められることになっています。

当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

民法第627条

しかし会社としても人員の補充や業務の引き継ぎをしたいと思うはずです。できれば1~2ヶ月前には上司に退職の意向を伝えるようにしましょう。また有給消化をしたいことも、合わせて伝えておくことをおすすめします。

早めに伝えることで、余裕をもって有給消化を含めた退職までのスケジュールを組むことができるからです。気持ちよく有給消化をさせてもらうためには、早めの相談が大切であることを覚えておきましょう。

3.引き継ぎを効率的に終わらせる

3つ目は「引き継ぎを効率的に終わらせる」ことです。先ほども書いたように、引き継ぎが終わらない状態で有給消化に入ってしまうと、会社にも後任者にも迷惑がかかります。

有給消化日数を考慮に入れたうえで、余裕を持って引き継ぎスケジュールを組むようにしましょう。予想外のアクシデントで思ったように引き継ぎが進まず、引き継ぎ期間が延びてしまう可能性もあります。

そうなると有給消化の期間もズレてきますので、余裕を持った引き継ぎを行いましょう。完璧に引き継ぎが終わらなかった場合は、困った時に連絡が取れるよう、連絡先を伝えておくと、安心して有給休暇を取得できるはずです。

消化できない有給は買取してくれるの?

「どうしても消化できない有給休暇を買い取りしてほしい」

「お金に変えてくれるのなら、休まなくてもいいんだけど…」

原則として、有給休暇の買い取りは労働基準法違反に当たります。しかし例外として認められているものも。そのひとつが「退職時に消化しきれない有給化の買い取り」です。

ただ労働基準法で禁止されていないだけで、「買い取らなければいけない」と決められているわけではありません。買い取るかどうか、またいくらで書いとるかは会社の決定となりますので注意しましょう。

買い取ってもらえる場合でも、通常の賃金の70~80%など、割安になってしまうことが多いようです。

会社に有給消化を拒否された場合の対処法

「会社の規定だからと有給消化できない」

「経理の締め日が過ぎているという理由で、有給休暇を受理してもらえない」

先ほども書いたように、どんな理由があろうとも会社側が有給休暇の使用を拒否することはできません。労働基準法で有給休暇の使用は定められているからです。

使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。

労働基準法第39条

もし有給休暇の使用を拒否されるようなら、人事部や各市町村の労働基準監督署へ相談しましょう。しかし退職前にできるだけ波風立てずに有給消化をしたいと思うのも自然なことです。

そんな時は「退職代行サービス」に相談することをおすすめします。退職代行サービスでは、あなたが円満に退職できるように間に入ってサポートしてくれます。

当サイトでは退職代行サービスについて分かりやすく説明していますので、是非参考にしてみてください。

初心者ガイド
退職代行初心者ガイド 退職代行を利用するのってとても不安ですよね。 その不安はあなただけではありません。退職代行を利用されるほとんどの方は、不安で胸が...

退職前に有給消化ができなかった人の体験談

残念ながら「退職前に有給消化できないで終わってしまった」という方もいます。有給休暇を使わせてもらえなかった方の体験談を、いくつかご紹介します。

転職活動で無事に内定をもらい、退職の意向を上司に伝えたAさん。有給消化についても相談したところ、上司からは「退職する社員は有給消化しないのが、うちの慣習だから」「これまで誰も消化した人はいない」などと言われました。

「有給休暇の取得は権利ですよね?」と食い下がったものの「辞めることで会社に迷惑をかけるのに、有給休暇まで消化しようとするのは非常識だ」とまで言われてしまいます。結局Aさんは、有給消化を泣く泣く諦め、最終日まで勤務を続けました…。

エン転職

いろいろな理由を付けて有給休暇の使用を拒否するケースは、残念ながらいまだに多いようです。しかし何度も書いていますが、有給休暇の取得を拒否することは、労働基準法に違反する行為です。

直属の上司に拒否されるのであれば人事部へ、それでも拒否される場合は労働基準監督署へ相談することをおすすめします。

30日間の有給休暇が残っていたBさん。しかし、退職を告げたのは退職を希望する1ヶ月前で、残り営業日は20日しかありませんでした。よって、10日分の有給休暇が消滅することに…。

エン転職

このように有給消化が間に合わなかったというケースも少なくありません。事前に有給休暇日数を計算していれば、このようなことにはならなかったはずです。後悔のないよう、しっかり計算してから退職までのスケジュールを組んでいきましょう。

有給消化の条件を知れば、損なく退社できる!

退職前に有給消化をするための方法や、会社に拒否されて有給消化できない場合の対処法を解説してきました。退職前に有給消化をするためには、余裕をもったスケジュール調整と、早めの退職申告が必要になります。すべての有給を消化して、損なく退職しましょう。

もし退職をなかなか切り出せなかったり、有給消化を拒否される場合には退職代行サービスの利用を検討しましょう。退職代行サービスなら、あなたの円満退職をサポートしてくれるはずです。

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