整備士という職業柄、根性論や体育会系よりの考えが根付いているおかげで、新人でも辞めるに辞められません。
この記事では、辞めたいと思っている入社1~2年目の整備士の方に向けて、退職までの指南や、悩みに寄り添った内容をお届けします。悩んでいる整備士の方はぜひ参考にしてくださいね。
自動車整備士を新人の内に辞めるメリットは?
入社後すぐ辞めるケースは意外と少なくありません。入社3年以内で離職するする人でも
新人の内に自動車整備士を辞めることに抵抗感がある人も多いのではないでしょうか。そんな方のためにここでは、新人自動車整備士のまま辞めるメリットについて紹介したいと思います。
仕事に馴染みやすい
新人自動車整備士は知識・技術・経験で見るとまだまだこれからではありますが、それは逆にいうと柔軟性と伸びしろを備えているといえます。今までの常識に囚われないため仕事に早く馴染むことができ、新しい知識もどんどん吸収できるのが新人の内に辞める最大のメリットです。
収入UPを狙える
Twitterの口コミからも分かるとおり、自動車整備士業界は全体的にお給料が低い傾向にあります。それは昇給やボーナスにおいても同様で、長く勤めても大幅な収入UPは見込めないと考えられるでしょう。
その点早めに条件の良い仕事に転職すればそこからキャリアスタートできるため、昇給のチャンスも多くなります。金銭面に不満がある方は特に、新人の内に転職を検討してみても良いのではないでしょうか。
新人自動車整備士にぴったりの転職先7つ
専門職である自動車整備士は転職先の選択肢が少ないイメージがありますが、実は新人ならではの柔軟性や元気を活かせる仕事はたくさんあるんですよ。ここでは新人自動車整備士に最適な転職先をチェックしていきましょう。
その1:ディーラーor民間整備工場へ
同じ自動車整備士でもディーラーか民間整備工場かで違ってくるので、まずは環境を変えてみるというのも1つの手です。ディーラーと民間整備工場は基本的に真逆の立ち位置にあるため、反対の環境に身を置くことで悩みが解消できるかも知れませんよ。
自動車整備士自体が嫌いでない方は、ディーラーから民間へ・民間からディーラーへの転職を検討してみてください。
ディーラー | 民間整備工場 | |
仕事内容 | 勤め先のメーカーの車種のみ | 幅広いメーカーの車種を扱う |
職場環境 | 空調含む設備が充実 | 職場によって設備に差がある |
労働時間 | ・長い ・土日は特に忙しい | ・比較的短い ・土日休みも取りやすい |
給料 | 整備士の中では高め | 整備士の中では低め |
その2:カー用品ショップ
接客が苦でない方は、カー用品ショップのスタッフ・整備士の仕事もおすすめです。お客さんに直接アドバイスしたりちょっとしたカスタマイズもできるので、大きなやりがいを感じられることでしょう。また正社員の採用が多い業界であり、残業がほとんどないのも魅力です。
- 主な仕事:接客・車検・商品の取付け
- メリット:正社員採用が多い・残業が少ない
その3:自動車関連の営業職
お話好き・接客スキルに自信がある方は、自動車関連の営業職という選択肢もあります。成績によっても左右されますが営業職は基本的にお給料が高く、生活に余裕ができるのが嬉しいところ。ディーラー・保険会社など車の知識が必要な営業職はたくさんあるので、ぜひ色々なジャンルを見比べてみてください。
- 主な仕事:自社製品の販売
- メリット:お給料が高い
その4:期間工
車を直すより組み立てるのが好き・ひとまず貯金を貯めたいという方は、期間工(※)として働いてみてはいかがでしょう。期間工は実入りが良く寮を完備している会社もあり、好きなことをしつつ貯金したい方にはぴったり。同じ会社に長く勤めることは難しいですが、年中募集はあるため別の企業で期間工を続けることもできますよ。
※期間工:会社直接雇用の契約型工場作業員のこと。
- 主な仕事:自動車や電子部品などの組み立て
- メリット:お給料が高い・短期間で貯金できる
その5:機械系の設計や品質管理
モノづくりや設計が好きという方は、設計や品質管理部門に就職するのも良いでしょう。車を生み出したり送り出すことに直接関われるという大変やりがいのある仕事であり、各分野の最先端技術に触れることもできますよ。
なお一見狭き門ですが自動車整備士専門の募集もあるようなので、転職しにくいということはないでしょう。
- 主な仕事:新製品の設計や品質管理
- メリット:各分野の最先端技術に触れられる
その6:ドライバー
車の運転が好き・1人が好きという方は、タクシーやトラックの運転手として活躍してみてはいかがでしょう。ドライバーなら好きなだけ運転することができますし、車内で1人静かな時間を過ごすことも多いですよ。ただしお給料は自動車整備士より少ない可能性もあるので、お金より働きやすさ重視の方向けという点にご注意を。
- 主な仕事:車などを運転して荷物や人を送り届ける
- メリット:運転が仕事になる・静かに過ごせる
その7:IT企業やWeb業界
パソコン仕事にチャレンジしたいという方は、IT企業やWeb業界が向いているかも知れません。未経験でもチャレンジできることはもちろん自動車整備士は機械の仕組みや順序だてて考えることに強いため、プログラミングにも楽しく取り組めるのではないでしょうか。
またITやWeb業界はベンチャーから大手まで選択肢が多くあり、自分に合った職場を探せるはずですよ。
- 主な仕事:プログラミングやWebデザインなど
- メリット:未経験OK・機械に強いなどの強みを活かせる
新人自動車整備士が辞めるデメリットは?
先ほどご紹介したようにもちろんメリットもありますが、新人の内に自動車整備士を辞めるにはデメリットも念頭に置かなくてはなりません。新人自動車整備士が退職する際どんなことに留意すべきか、それを最後にしっかり確認していってください。
再就職に不利な可能性も
「仕事は3年続けるべき」、みなさんも耳にしたことがあるのではないでしょうか。3年勤続すると仕事が身につき良さも分かるという意味の言葉ですが、それが転じて”3年続かない=やる気がない”という印象を与えることもあるのです。
勤続年数の短さが不利に働くことを念頭に、3年未満で辞める場合は志望先の面接事情や考え方をリサーチしておくと良いでしょう。
即戦力として扱われることがある
もし転職先を中途採用枠で探すなら、新人ではなく経験者扱いされる可能性もあることにご注意を。特に転職後も自動車整備士を続ける場合は経験者=即戦力として認識されてしまうため、急に知らない仕事を振られて戸惑ってしまうことがあるかも知れません。
あなたのスキルに関する認識のズレが起こらないよう、面接ではできることだけでなくできないことについてもしっかり伝えるようにしましょう。
高確率で引き留められる
自動車整備士の平均年齢は2018年時点で45.3歳(※1)であり、上場企業の従業員平均年齢は41.4歳(※2)。自動車整備士業界には早くも少子高齢化の波が来ていると考えられますね。
つまり会社としてはせっかく入った新人を逃したくないわけで、退職に際し引き留めにあう可能性は高いです。その対策として、引き留めを見越して早めに相談する・先に次の内定を貰っておくと辞めやすくなりますよ。
なおどうしても辞められない場合は退職代行サービスが便利なので、もしもの時のために併せて覚えておきましょう。
※1 参照:国土交通省『自動車整備分野における外国人材の受入れ』
※2 参照:株式会社 東京商工リサーチ『2019年3月期決算上場企業1,841社「従業員平均年齢」調査』
以下の記事では退職代行マイスターおすすめの退職代行サービスを紹介しています。強引な引き留めにお困りの際は、ぜひこちらもチェックしてみてください。
新人は選択肢の幅が広い!無理せず再出発を目指しましょう!
憧れの職業だった自動車整備士も、続けられるかどうかは金銭面や職場環境によって左右されてしまいます。入社後すぐは「就職したばかりだし…」と諦めがちですが、もしもの時は新人ならではのメリットを活かして転職するのもアリです。自動車整備士を辞めたくなったらこちらの記事を参考に、ぜひあなたの本当の天職を探してみてくださいね。