看護師は慢性的な人手不足が続いており、激務な上に薄給でストレスの多い仕事です。「辞めたい」と思っても辞められず、ストレスを抱えたまま働いている看護師が多く存在します。
サービス残業やいじめ・パワハラなども横行しており、「働き方改革」が進む現代においても改善されない過酷な職場環境です。当記事では、看護師の抱えるストレス原因や対処法、ストレス軽減方法を紹介します。

看護師を辞めたい!ストレス原因8選

多くの看護師がストレスを感じながら業務に励んでいます。ここでは、多くの看護師が感じるストレスの原因8選を見ていきましょう。
激務・業務時間が長い
看護師は長時間労働や残業が当たり前の職業です。「働き方改革」美動きが広がっている現代でも、サービス残業やプライベート返上で働いている看護師は少なくありません。
看護師の人手不足は深刻であり、看護師1人あたりの負担が増加しています。休む時間もほとんどないまま、低賃金で激務に耐えている看護師が多いのです。
「定時にタイムカードを切らないと怒られる」「残業代が出ない」と悩んでいる看護師が多く存在します。夜勤もあるため生活のリズムが崩れ、ストレスと激務で心身ともにボロボロです。
人間関係が辛い
看護師は女性が多く、いわゆる女社会特有のネチネチした人間関係がある職場です。専門職であるためプライドが高く、激務・多忙で心に余裕がない看護師が多いので、どうしても人間関係に悪影響が起こってしまいます。
「悪口の言い合い」「お局様からの嫌がらせ」などがストレスになり、人間関係が原因で辞めたいと思っている看護師は少なくありません。先輩や同僚の顔色をうかがいながら仕事をするのは辛いですよね。
看護師同士だけでなく、医師や患者との人間関係を築くのも難しいものがあります。社交的な人やコミュニケーション能力が高い人なら問題ありませんが、人と関わるのが苦手な人にとってはストレスが高い職場であることは明確です。
いじめやハラスメントがある
患者にとって、看護士は優しく頼りになる存在です。しかし裏では、いじめやパワハラなどの問題が多く起こっています。
看護師はストレスが多い職場なので、同僚や新人をいじめることでストレス発散しているのかもしれません。中には自分の言動が「いじめ」「いびり」だと気づいていないお局様も多く存在します。
体調不良でも休ませてくれない
サービス残業を強いられる
医師からの無理な要求
職務中の八つ当たり・罵倒
患者からの暴力・セクハラ
上記など、民間企業では到底許されないことが看護師には当たり前に起こっています。どうしても改善されないのであれば、ストレスに耐えるのではなく環境を変えるべきです。
患者の対応が辛い
体調が悪いとき、心に余裕がなくなってしまうのは仕方がないことです。しかし横柄な患者は想像以上に多く、看護師のストレス原因になっています。
- 待ち時間が長いと怒鳴る
- 治療に納得がいかないと怒鳴る
- 言葉遣いや態度が悪いと怒られる
- 入院患者のむやみな呼び出し
- その他理不尽なクレーム対応
看護師の仕事は看護であるはずなのに、横柄な患者のクレーム対応をしなければなりません。中には医師には媚びへつらっているのに、看護師には横暴な態度で接してくる患者もいます。
自己犠牲の精神で患者に優しく接する看護師は多いですが、看護師も患者と同じ人間です。理不尽なことが続けば、ストレスが溜まって辞めたいと思ってしまうのも無理はありません。
仕事の責任が大きすぎる
看護師は人の命を預かる責任の重い仕事です。医療ミスは絶対に許されません。緊張感をもって仕事をしなければならず、常にストレスを抱えています。
患者にとっては医師よりも看護師の方が身近な存在なので、医師のミスでも看護師の責任のように思われてしまいます。夜勤になるとさらに人手が少なく、看護師1人の責任が重くなってしまうのです。
ほとんどの医療機関が看護師不足なので、体調が悪くても簡単に休めません。看護師が1人休むと病院が回らなくなってしまうので、限界に近い状態で働いている看護師も多いのが現状です。
看護士の仕事に向いていない
看護師になってから「看護師に向いていない」と気付くこともあります。どの職業にも言えることですが、実際に仕事をしてみないと向いているのか、向いていないのか分かりません。
患者でいるうちは、優しくて素敵な看護師さんに憧れを持つものです。しかし実際には激務で、嫌な仕事もたくさんあります。夜勤などもあり、生活リズムが崩れて心身の調子が悪くなってしまう人もいるでしょう。
責任感が強い人ほど「優しくなれない」「患者の悩みを解決できない」と悩んでしまいます。患者の死と隣り合わせで、精神的に辛くなってしまう看護師もいるでしょう。
しかし一生懸命勉強して取得した資格なので「向いてない」と気付いてもなかなか辞められません。医療現場は常に人手不足なこともあり、適正がなくても辞めにくいのが看護師の現状です。
給料が低い・上がらない
看護師は激務で責任が重い仕事なのに、見合った給料をもらえる職場はほとんどありません。多くの病院・クリニックでは、驚くほど低賃金で看護師を雇っています。
サービス残業は当たり前で、夜勤の手当てもそれほど大きくありません。一般的に看護師の給与は高いと思われていますが、実際に働いてみると割に合わないことに気付くのです。
残業代がもらえず有給もとれないような職場であれば、ストレスがたまります。辞めたい看護師や、実際に退職してしまう看護師が増えるのは当然のことです。
不規則な生活による不眠
夜勤がある職場で働く看護師は自律神経の調子が悪くなったり、睡眠障害になったりすることがあります。不眠が続くと不眠恐怖が生じ、ストレスを感じてさらに不眠が悪化してしまうのです。
眠れないので疲れが取れません。仕事中に眠くなるだけでなく、心身ともに多くの悪影響を及ぼします。
- 倦怠感や意欲低下
- 集中力定価
- 抑うつ
- 頭重やめまい
- 食欲不振
- その他
夜勤を続けていくうちに慣れる看護師もいますが、夜勤に慣れず苦しむ看護師は少なくありません。夜勤に慣れないのであれば、夜勤がない職場に変える勇気を持つことが大切です。
看護士を辞めたいときの対処方法

ストレスに耐えて仕事を続けていても、いつか限界がきます。心身が疲れ果てたまま業務をしていれば、集中力が落ちて医療ミスを起こしてしまうかもしれません。
ここでは、ストレスで看護師を辞めたいと思ったときの対処方法を4つ紹介します。しっかりチェックして、できるだけ早く適切に対処しましょう。
信頼できる上司に相談する
ストレスが原因で「辞めたい」と思ったら、まずは信頼できる上司に相談しましょう。上司に相談するのが難しければ、話しやすい先輩やドクターでも構いません。
食事や休憩の時間など、相手の余裕があるときに辛い気持ちを吐き出すことから始めてみてください。1人で思い悩むよりも、人に話すことで心が軽くなります。
上司や先輩に相談すれば、シフトや職場環境を変えてもらえるかもしれません。きちんと状況を伝えても理解してもらえない場合は、職場環境を変えることも検討しましょう。
異動を希望する
環境を変えたい場合は、異動や配置転換を希望してみましょう。環境を変えることでストレスが軽減されるかもしれません。
人間関係が辛い
特定の患者と関わりたくな
苦手な仕事がある
看護師の仕事自体は好き
給与面や待遇などは問題ない
異動や配置転換なら退職するよりも負担が少なく、すんなり認められる場合が多いです。新しい人間関係の構築や、仕事を1から覚え直すことは少し大変ですが、ストレスに耐えるよりも楽になります。
休職する
看護師には休職制度があります。身体やメンタルの調子が悪くなってしまったら、退職する前に休職を検討しましょう。
休職するためには「就業できない理由」を示さなければなりません。産業医やかかりつけの医師に相談して、診断書を書いてもらうことが確実です。
休職の申し出をする先は師長ですが、師長との人間関係がこじれている場合は看護部長や人事課でもOKです。診断書を提出しても休職を断られた場合は、加入している労働組合や公的な相談窓口に連絡しましょう。
退職する
ストレスが原因で辞めたいと思うのであれば、勇気を出して退職してしまいましょう。労働者は、自由に退職する正当な権利を認められています。看護師だからといって我慢しなくていいのです。
まずは職場の就業規則を確認し、退職を伝えるまでの期間を確認してください。基本的には2週間~3ヶ月前までに師長・人事課等に伝えれば退職できます。
「職場に迷惑がかかる」「患者が心配」「気まずい」と迷っているかもしれません。しかし、まずは自分の健康と幸せを第一に考えてみてください。1度きりの人生なので、ストレスで仕事が辛いなら退職することが最良です。
退職代行を利用する
看護師でも退職代行を利用できます。どうしても退職することが難しい場合は、退職代行の利用を検討してみてください。
- 退職を言い出しにくい
- 退職すると言ったら揉めそう
- 退職の許可が下りない
- 人間関係が悪い
- もう二度と関わりたくない
- 引き継ぎが少ない
看護師は慢性的な人手不足なので、師長に退職を申し出ても許可してもらえない場合が多くあります。しかし本来であれば、職場側が退職を止めることはできません。
退職代行を使えば、担当者が退職完了まできちんと手続きをしてくれます。職場状況によっては、二度と職場に行くことなく辞められる場合もあるので安心です。まずは無料相談を利用し、退職のプロに状況を話してみてください。

看護士におすすめのストレス軽減方法

「看護奨学金の返済中」「経済的理由」などで、どうしても環境を変えられない人もいるのではないでしょうか。そんなときは、できるだけストレスを軽くするように行動してみましょう。
ここでは、看護師におすすめのストレス軽減方法3選を紹介します。辞めたいけれど辞められず、悩んでいる人は参考にしてみてください。
職場から離れた場所に旅行する
有給休暇を数日間まとめて取り、職場から離れた場所に旅行してみましょう。物理的距離が離れるだけで解放されたような気分になります。
旅行しにくい状況のときは、できる範囲で職場から離れて遊びましょう。
- ドライブ・ツーリング
- 登山・ハイキング
- 釣り・マリンレジャー
- キャンプ・グランピング
- 大きい公園を散歩する
上記など、地域でできるアウトドアレジャーを試してみてください。仕事のことを少しでも長く忘れて、思い切り楽しみましょう。
身体の疲れをとるためにはゆっくり寝るだけの休日も必要ですが、思いきり遊ぶことでストレスを軽減できます。看護師はストレスを感じやすい仕事なので、たまには現実逃避も大切です。
友達や家族に話しを聞いてもらう
信頼できる友達や家族に悩みを打ち明けるだけで、心が軽くなります。共感や肯定してくれるような友達に、気持ちを打ち明けてみてください。
友達なら、同僚や先輩に話すよりもハードルが低いはずです。言葉がまとまっていなくてもいいので、嫌な気持ちを打ち明けましょう。
居酒屋やカフェなどで会って話すことがベストですが、外出が難しい場合はビデオ通話で飲み会を開くこともおすすめです。定期的に友達と話す機会を作ることで、ストレス発散出来て心がすっきりします。
アロマでリラックスする
帰宅後や休日に、1人でゆっくりしたいならアロマがおすすめです。精油や香炉など、道具をそろえるだけで簡単にできます。
精油を使ったアロマテラピーだけでなく、キャンドルやお香もおすすめです。もっと手軽な方法としては、ハーブティーの香りを楽しみながら飲むだけでもリラックス作用が期待できます。
- カモミール
- ペパーミント
- ラベンダー
- セントジョンズワート
- ジャスミン
さまざまなハーブを試したり、好きなハーブをブレンドしたりしながら、アロマを楽しみましょう。自然と心が落ち着き、ひとときの幸せな感覚を実感できます。
ストレスで看護師を辞めたいときの対処法まとめ

看護師の仕事は、見た目以上に過酷です。人手不足なので看護師1人あたりの負担が大きく、多くの看護師がストレスを抱えています。
責任感が強く優しい人ほど、辞めたいと思っても辞められずに我慢をしてしまいがちです。しかし1度きりの人生なのですから、辛いときは「休職」「退職」することも検討しましょう。
どうしても辞められなかったり、師長と揉めたりする場合は、退職代行を利用することも可能です。メンタルが崩壊してしまう前に、できるだけ早くストレスのケアをしてあげてください。
