看護師は同僚だけでなく患者さんやその家族など、日々人と接する機会がありますよね。しかし世の中には色々なタイプの人がいるために、普段接する人からセクハラを受けているという看護師も…?そこで今回は同じ悩みを持つ看護師の声も参考に、セクハラに穏便に対処する方法を紹介したいと思います。
みんな大丈夫?看護師業界のセクハラの実態とは
女性が圧倒的に多い看護師業界ですが、職場でセクハラを受けている人はいるのでしょうか?ここではまずSNSのリアルな声から、看護師業界のセクハラの実態を見ていくことにしましょう。
セクハラで悩む看護師の声
リアルな声が集まるTwitterを調査してみたところ、セクハラで悩む看護師はたくさんいることが分かりました。他の看護師はどんな悩みを抱えているのか、状況別に詳しくチェックしていきましょう。
医師からのセクハラ
医師と看護師は本来お互いを信頼し、協力して仕事にあたるべきビジネスパートナーといえます。しかし悲しいことに、その医師からセクハラされる看護師が多いのが現実です。年配の男性が医師として働く病院は特に、セクハラをゆるす状況になりやすいといえるでしょう。
上司からのセクハラ
どの職種でも少なからず上司のセクハラが問題視されると思いますが、看護師の場合はさらによくない事態になることも。直接的なセクハラに留まらず相談したのに対応してもらえないケースも多々あるようで、多方面からの被害に悩む看護師もいるのです。
患者さんからのセクハラ
看護師以外の人からは想像しにくいことですが、患者さんからのセクハラはもはや日常茶飯事。障害を抱える人・比較的健康な人どちらからもセクハラされ、それを我慢しつつケアしなければならないのが看護師の仕事です。
悲しいことに、患者さんからは言葉だけでなく物理的な被害も受けやすい傾向にあります。
患者さんの家族からのセクハラ
患者さん本人からのみならず、看護師はそのご家族からセクハラされることも少なくありません。直接的に被害を受けることがある他、患者さんが家族の目の前で看護師にセクハラしても見てみぬふりをすることもあるのだとか。
また患者さんからのセクハラを相談した際、逆ギレされるという問題も多く発生しています。
患者さんからの被害が最も多い
看護師は同僚・上司・患者さん側と多方面からセクハラされるリスクがありますが、日本医療労働組合連合会の調査によると、中でも患者さんからのセクハラが群を抜いていることが分かっています。本来感謝されるべき立場にありながら、真逆の行為をされる看護師は多いということですね。
セクハラは 11.6%、パワハラは 29.0%が受けたことがあると回答
引用元:日本医療労働組合連合会『2017年 看護職員の労働実態調査結果(概要)』
―――セクハラは、「患者」からが 71.5%と最も多く、20代では8割を超えています。
我慢してもしなくても事態は悪化!?
看護師のセクハラ問題は深刻なものですが、相談してもしなくてもトラブルの原因となることが事態をさらに悪化させています。セクハラを我慢した場合・相談した場合双方に起こり得る問題について、それぞれ詳しく見ていきましょう。
我慢した場合に起こり得ること
「勘違いかな…」「1回だけだったから」と、セクハラを抱え込んでしまう看護師もいるようです。しかし放っておくと調子に乗られてしまうため、さらに被害が大きくなる可能性があります。実際度重なるセクハラにより、ストレスで体調を崩す看護師もいるんですよ。
相談した場合に起こり得ること
もしセクハラを周りに相談しても、「あなたの表情が悪かったのでは?」「勘違いなんじゃない?」など、傷口に塩を塗られる2次被害を受けることが。診察室や病室など人目につきにくい場所で被害に遭うケースが多いため、セクハラの証拠がなく真摯に対応してもらえない可能性もあるのです。
何故看護師業界はセクハラが多いの?
看護師は他の職業よりセクハラされるリスクが高そうですが、セクハラが問題視されるようになった昨今、何故それが日常化しているのか気になるところですよね。そこでここでは、看護師業界にセクハラが多い理由を押さえていくことにしましょう。
理由1:閉鎖的な職場環境
患者さんのプライバシーを尊重するなどの観点から、病院には個室・カーテンなどの仕切りがたくさんあります。外部からの目線や第三者に対する意識が薄れるため、病院は「バレないだろう」という考えが働きやすい場所でもあるのです。
特に歴史ある病院や個人経営のクリニックは、労働環境がセクハラの一因となる可能性が高いと考えられるでしょう。
理由2:典型的な縦型社会
病院は閉鎖的な空間ゆえに外部の影響を受けにくく、上下関係など昔ながらの考え方が根強く残っています。”上の立場の意見は絶対”という風潮は当たり前、医師や師長が権力を振るう病院も珍しくはありません。上の立場の人が「自分は偉い」と勘違いした結果、セクハラに走る可能性もあるというわけです。
理由3:接触する機会が多い
患者さんのケースにいえることですが、看護師と至近距離になる機会が多いのも原因の1つといえるでしょう。
身体が弱っているタイミングに介抱されると「自分のことを考えてくれる=自分のことを好き」という勘違いを起こしやすく、さらに丁寧に扱ってもらえることもその間違った考えに拍車をかけてしまうのです。
セクハラを穏便に解決する方法は?
万一セクハラされたとしても、今後のことを考えるとできれば大事にしたくはないですよね。看護師のセクハラ問題を穏便に解決するにはどうすべきか、それを最後にご紹介したいと思います。
対処法1:家族に連絡すると伝える
相手のパートナーや家族と接触できる場合、セクハラの事実を親しい人に伝えると抗議してみてはいかがでしょうか。自分の恥じを身内に知られたくないという思いはどんな人にもあるはずなので、家族が身近な場所にいる方にとっては効果てきめんの方法ですよ。
同じ院内に奥さんが働いている医師や上司・患者さんにセクハラされた際は、まずこの方法を試してみてください。
対処法2:上司に相談する
逆に心無いことを言われる可能性もありますが、職場の問題は上司に相談するのが筋。セクハラを自分で解決できそうにない場合、まずは直属の上司に相談するようにしましょう。
もし真摯に対応してもらえずとも”あなたは相談した”という事実は作れるので、望み薄な上司であれば会話を録音しておくと安心ですよ。
対処法3:担当を交代してもらう
患者さんからセクハラされる場合には、その人の担当を交代してもらうのも1つの手です。例えばその患者さんが男性なら、男性看護師に担当してもらうと被害が広がらずに済む可能性が高いでしょう。
人手が足りない・同性の看護師しかいない場合には難しいですが、余裕がありそうな職場なら1度相談に乗ってもらってはいかがでしょうか。
対処法4:こちらから身を引く
もし他の方法を試しても改善しない場合、こちらから身を引くのがベストな方法といえるでしょう。部署異動や他の病院に転職するなど、看護師を続けつつ環境を変える手段はたくさんあります。また心機一転するために、他の職種にチャレンジしてみるのも良いかも知れませんね。
なお退職の際理由を言いにくければ、退職代行サービスが便利ということも頭の片隅に留めておきましょう。
あなたは1人じゃない!上手に対処して穏便解決を目指しましょう
看護師は人・職場環境によって、セクハラされるリスクが高くなることが分かりましたね。なかなか相談しづらい問題ではありますが、あなただけでなく他にもたくさんの看護師が日々セクハラに悩んでいます。もしもの時にはこちらの記事を参考に、ぜひ自分にあった対処方法を考えてみてくださいね。