仕事にもすっかり慣れ、安定した日常をおくるベテラン看護師。しかしベテランだからこその悩みや不安はありますし、「辞めたいな…」と思っている方も多いのではないでしょうか?そこで今回は同じ悩みを抱える人の声も参考に、ベテラン看護師の退職について一緒に考えていきましょう。
ベテラン看護師が辞める理由とは?
長年勤め続けたベテランの看護師にも、だからこそ退職したいと思うことがあるのです。では10年以上働く看護師はどういった理由で辞めていくのか、兵庫県看護協会の報告書を参考に検証していくことにしましょう。
理由1「ライフスタイルの変化」
10年以上勤続した場合、年齢的に両親の介護・パートナーの転勤といった人生の転機と重なる人が多いです。看護師は日勤・夜勤と不規則な生活になるため、諸々の事情を考慮した結果退職を選択する人は多いのですね。
理由2「体力的にキツイ」
華やかなイメージとは裏腹に、看護師は肉体労働するシーンが多い職種です。座っているより立って動くことの方が多いですし、患者さんのお世話にも体力を使います。
年齢と仕事で消耗する体力を鑑みて、「もう限界…」と感じるベテランさんも少なくないということです。
理由3「キャリアアップしたい」
「ベテランなのに!?」と驚くなかれ、長年勤めたからこそ「もっと活躍したい!」と思う瞬間もあるのです。同じ職場ではお馴染みのメンバーとルーティンワークになりがちですし、どうしても”新鮮味”には欠けてしまいます。
十二分にスキルがついた頃合いで新しい環境・活躍の場を求める場合、退職という手段が1番なのかも知れませんね。
ベテラン看護師が「辞めにくい」と感じる時って?
「辞めたい!」と思う瞬間があっても、ベテランになるとどうしても辞めにくさを感じてしまいますよね。ではベテラン看護師が退職をためらう理由は何か、Twitterの声も参考に検証していきましょう。
管理職に就いている
10年勤務ともなれば看護師長や看護部長など、他の看護師をまとめる役職に就くこともあるでしょう。一般的な職業の課長と部長にあたる地位になるわけですから、確かにそれ相応の業務と責任を負わなくてはいけません。
しかしあなたの人生はあなただけのものであり、また自分のことを大切にできなければ周りの人に優しくすることもできません。看護師や役職にやりがいを感じらるなら問題ないですが、「責任があるから…」と自分を追い込まないようにご注意を。
責任を感じる
役職に就いていなくても、担当する患者さんがいれば少なからず責任を感じてしまうもの。特に職員が不足している病棟であれば、「自分が診なくては」と背負い込む傾向は強いといえるでしょう。
とはいえ無理して身体を壊せば、逆にマイナスとなることが多いはず。急に患者さんをケアできなくなるよりも、あなた自身を大切にすることから始めるのも良いのではないでしょうか。
「今更辞められる?」という思い
長年勤めて「辞めたい」と思う反面、新しい一歩を踏み出すのが怖いという人も多いです。いわゆる”ぬるま湯”に浸かった状態は居心地がよく、新しい環境に憧れる反面不安を覚えてしまうのですね。
確かに新しいことを始めるのには体力が要りますし、今までと違った困難があるかも知れません。しかし看護師という大変な仕事を立派にこなしてきたのなら、あなたは何にでも簡単にチャレンジできる可能性を秘めているはずですよ。
看護師を辞めるベストタイミングは?
ここまでお読みになって「すぐ辞めよう!」と思った方は、ぜひこのコーナーもご一読を。ベテラン看護師には”辞め時”がいくつかあるので、ここを読んであなたにとってのベストタイミングを見極めてください。
ボーナス後の1月&7月がベスト!
一般的に医療機関のボーナスは6月と12月に支給されますから、退職するのであればボーナス後の1月と7月がおすすめのタイミング。それ以外の月の場合は、「ボーナスの次の月」と覚えておくと分かりやすいでしょう。
貰えるものはしっかりGETし、転職に備え懐に余裕をもたせておきたいものですね。
馴染みやすいのは異動シーズン
もし退職後も看護師を続けるのであれば、転職は4月と10月がベストです。
4月は新卒看護師が入ってきますし、人事異動が多い10月は研修が開かれることも多く、どちらも新しい環境に親しみやすいタイミングとなっています。ボーナスの時期から少し時間が空きますし、退職後に転職活動を始める場合でも間に合うのではないでしょうか。
10年目ならもう1年待つのもあり
多くの病院は10年以上勤続で退職金が増えるため、10年目の方はもう1年我慢するとお得な可能性が。退職金の増減についてはきちんと就業規則を確認し、10年目で退職すべきか否かはっきりさせておくと安心ですね。
スキルを活かせる転職先トップ3
医療知識が豊富なだけでなく、コミュニケーション能力やパソコンスキルも高い。そんな看護師には再就職の選択肢もたくさんあります。「もう看護師はこりごり!」という方は、ここで新たな可能性を模索してみてください。
①飲食店スタッフ
職員だけでなく患者さんとも日々コミュニケーションをとる看護師は、接客業もこなせるスキルが身についています。常に笑顔でお話上手、お客さんの要望を把握する能力も高いので、看護師から飲食店のホールスタッフに転職する人はかなり多いんですよ。
②事務職・営業職
コミュニケーション能力だけでなくパソコンを使う事務作業も得意な看護師は、事務や営業といった一般的なお仕事にも向いています。事務や営業は幅広い企業が募集を行っていますから、どちらも視野に入れれば転職活動の幅もグンと広がることでしょう。
③介護士・ケアマネジャー
看護師から転職しやすい職種の代表として、介護士とケアマネージャーが挙げられます。
医療知識はもちろん患者さんへの対応方法も心得ているため、あとは資格を取るのみです。職種としての変化は比較的穏やかなので、ベテラン看護師なら転職後もスムーズに仕事に取り組めるのではないでしょうか。
早めに資格勉強を始めるとスムーズに転職できるので、気になる方はぜひ今からチャレンジしてみてください。
参照:マイナビ転職 女性のおしごと『看護師辞めたいけど不安…… 経験者が語る辞めて良かったこと・転職後の仕事』
看護師が上手に退職する方法は?
せっかく務めてきた職場ですから、辞めるならやはり円満退職が1番です。初めての転職になる方は多いと思いますし、最後に看護師の退職の流れについて、そして万一「辞めさせない」と言われた場合の対処法もご紹介いたしますね。
6つのステップで円満退職
看護師の退職は、この6ステップを守ればOKです。少し注意が必要なポイントもあるので、続けて各ステップを詳しくチェックしておきましょう。
- 就業規則をチェック
- 退職の意思を伝える
- 退職日を調整
- 退職届を提出
- 引継ぎ業務
- 退職
就業規則をチェック
退職の意向を固めたら、まずは就業規則を確認しましょう。一般的に1ヵ月前といわれていますが、中には2~3ヵ月前に申し出ることと記載がある病院もあります。円満退職するために、就業規則に則って意思表示できるようにしておきましょう。
退職の意思を伝える
就業規則をチェックしたら、その定められた期間に則り直属の上司に意思表示を行います。この時長年一緒に働いてきた先輩であっても、ダイレクトに伝えるのではなくオブラートな表現を使うとスマートですね。
退職日を調整
退職日の承諾を得られたら、次は具体的な日取りを決めていきます。引継ぎなどを含め、余裕をもって残りの業務に取り組める日程にすり合わせていきましょう。
退職届を提出
もし退職届が必要なら、退職が決定次第用意しておきましょう。就業規則や社内ルールに則って、早めに準備・提出しておくと安心です。
引継ぎ業務
後任の人が困らないよう、退職日までに引継ぎはきっちり行っておきましょう。資料作成はもちろん、万一の時の連絡先も交換しておくと安心ですね。
退職
最後の日も気を抜かず、しっかり業務に励みましょう。あまり期待し過ぎてはいけませんが、最後に花束の贈呈があるかも知れませんから、手提げなどを持って行くと便利かも知れませんね。
辞められないなら退職代行がベスト!
「退職したい」と伝えた際、もし辞めさせてもらえない・無視されてしまうなら、退職代行サービスも1度検討してみてください。
意向の提示や面倒な手続きも、退職代行サービスにすればすぐに解決。依頼後は出勤することなく退職できることもあるので、交渉が難航した場合にもおすすめの方法ですよ。
以下の記事では退職代行マイスターおすすめの退職代行サービスを紹介しています。万一の時は、ぜひこちらも併せてチェックしてみてください。
ベテラン看護師でも大丈夫!上手に辞めて次のステップへ進みましょう!
ベテラン看護師でもあなたと同じように悩む人はたくさんいて、退職して新しい生活を送る人もちゃんといることが分かりましたね。長年勤めたからこそ幅広い選択肢があるのですから、今こそ自分が本当に輝く場所を見つけるチャンスかも知れませんよ。「今更だし…」と諦めていた方も、これを機にぜひ新たな一歩を踏み出してみてください。