トランプ氏、宇宙軍のミラー中将を司令官に指名 軌道上兵器を公表後初の新司令官

2026年10月3日 00:23

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記事提供元:Tech Times

米宇宙軍のデービッド・N・ミラー・ジュニア中将。2024年9月18日、米メリーランド州ナショナルハーバーで開かれたAir & Space Forces Associationの会議で講演する様子。ミラー氏は2026年9月、米宇宙コマンド(USSPACECOM)の次期司令官に指名された。(Photo: U.S. Space Force / Dave Grim)

米宇宙軍のデービッド・N・ミラー・ジュニア中将。2024年9月18日、米メリーランド州ナショナルハーバーで開かれたAir & Space Forces Associationの会議で講演する様子。ミラー氏は2026年9月、米宇宙コマンド(USSPACECOM)の次期司令官に指名された。(Photo: U.S. Space Force / Dave Grim)[写真拡大]

トランプ大統領は、米宇宙軍のデービッド・N・ミラー・ジュニア中将を米宇宙コマンド(USSPACECOM)の次期司令官に指名した。上院が承認すれば、スティーブン・ホワイティング大将の後任となる。米国による軌道上兵器の保有が公表され、司令部の移転も進むなかでの人事だ。

米宇宙コマンドは、陸海空など各軍種の部隊を用いて宇宙関連作戦を指揮する統合軍である。人員の編成・訓練・装備を担う軍種としての米宇宙軍とは、役割が異なる。

■軌道上兵器の公表と司令官交代

2026年9月14日、トロイ・メインク空軍長官はメリーランド州で開かれた航空宇宙軍協会の会議で、米国は統合部隊を敵対勢力の行動から守るための「軌道上の宇宙制御兵器」を保有していると述べた。兵器の種類や数量、運用方法には触れなかった。米政府高官が軌道上兵器の保有を公に認めた発言として、複数の専門メディアが報じている。

ミラー氏が上院承認を得れば、2019年の米宇宙コマンド再設置後、4人目の司令官となる。現職のホワイティング氏は2024年1月に着任した。宇宙軍作戦部長のダグラス・シース大将は9月30日、ミラー氏の指名を歓迎し、この重要な統合軍の指導職にふさわしい有力な候補だと評した。

■再設置に関わったミラー氏の経歴

ミラー氏は2025年11月から、宇宙軍の戦略・計画・事業・要件を担当する副作戦部長を務め、戦略や予算に関する職務を担っている。宇宙軍の公式経歴によると、1993年に任官し、ミサイル運用や宇宙作戦の指揮を経験した。2021年から2023年には米宇宙コマンドで作戦・訓練・部隊育成を担当した。

2019年の同コマンド再設置にも関わった。再設置当時の司令官ジョン・レイモンド大将は、ミラー氏に詳細な設置計画を任せ、同氏がタスクフォースを組織したと、2020年の司令官交代式で述べている。その後ミラー氏は、2024年1月から2025年11月まで宇宙作戦コマンドの司令官を務めた。この組織は後に戦闘部隊コマンドへ改称された。

ミラー氏はラファイエット大学で人類学・社会学を学び、経営学や国家安全保障などの修士号も取得した。2023年冬号の学術誌「Æther」には、核兵器と抑止に関する論考を共著で発表している。2026年には、米国防産業協会のロッキーマウンテン支部からハーティンガー賞を受けた。

同支部は授賞理由として、イスラエルのミサイル警戒に関わる協力、イランの軍事活動を対象とした宇宙からの監視、米軍の「ミッドナイト・ハンマー作戦」やインド太平洋地域での作戦への支援を挙げている。これらは同支部が公表したミラー氏の功績の説明である。

■中国とロシアを巡る宇宙の安全保障

米宇宙軍が2026年7月に更新した脅威評価は、中国を宇宙領域での「最優先の課題」と位置付けている。中国の人民解放軍は偵察に利用できる衛星を510基以上保有するとし、衛星による米軍の動向把握が長距離精密攻撃能力と結び付いていると評価した。

同評価によると、中国は点検・修理を目的に掲げる衛星を打ち上げており、こうした衛星は兵器としても利用し得る。衛星のセンサーを妨害・損傷させる地上配備レーザーを複数保有し、低軌道の衛星を狙う地上発射型の衛星攻撃能力も整備しているという。

ロシアについては、2021年11月に地上発射型ミサイルで使われていない衛星を破壊し、追跡可能な破片を約1500個生じさせたと記載した。地上配備レーザー「ペレスベト」を戦略ミサイル部隊の5個師団に配備したとも評価している。さらに同評価は、ロシアが核兵器を搭載する設計の衛星を用いた衛星攻撃能力を開発しているとしている。

■宇宙条約と軍備管理の議論

1967年に発効した宇宙条約の第4条は、核兵器やその他の大量破壊兵器を載せた物体を地球周回軌道に置くことを禁じている。通常兵器の軌道上配備を同条で一律に禁止する規定はない。一方、軌道上兵器を巡る議論には、条約の文言に加えて、使用方法や他の国際法上の義務も関わる。

ロシアと中国は、宇宙空間への兵器配備の防止を目指す条約案を提案してきた。米国は、配備状況を検証する仕組みが欠け、地上から衛星を攻撃する兵器にも十分対処しないとして、この案に反対している。宇宙での軍備競争を巡る国際的な協議は続いている。

■アラバマ州への司令部移転

米宇宙コマンドは、コロラド州コロラドスプリングスのピーターソン宇宙軍基地から、アラバマ州ハンツビルのレッドストーン兵器廠へ司令部を段階的に移している。トランプ大統領は2025年9月2日、同地を恒久的な司令部の所在地にすると発表した。所在地を巡っては、コロラド州とアラバマ州の間で長年議論が続いていた。

2026年4月29日には、レッドストーン兵器廠の暫定施設で開所式が行われ、情報分析を担う部門が移転を進めている。米宇宙コマンドは、2028年末までに人員の少なくとも半数を同地で勤務させる目標を示した。移転中もコロラド州の施設を使いながら任務を継続する計画だ。

恒久的な司令部施設の設計・建設費は、2026年9月時点で約20億ドル(1ドル=158円換算で約3160億円)と見積もられている。2027年の着工が計画され、完成は2031年ごろ、全体の移転完了は2032年ごろと見込まれている。約1800人の移転を伴う計画を引き継ぐことも、次期司令官の課題となる。

■上院承認の見通し

ミラー氏の就任には上院の承認が必要だ。9月29日に上院へ送られた大将への昇進指名には赴任先が記されていなかったが、米宇宙コマンドと宇宙軍は翌30日、司令官への指名を確認した。2026年10月2日時点で、承認公聴会の日程は発表されていない。

宇宙政策専門サイトSpacePolicyOnline.comのマーシャ・スミス氏によると、上院は11月9日に審議を再開する予定で、第119議会の会期末までの審議日は約22日となる。会期中に承認に至らなければ、2027年1月に始まる次の議会へ指名を改めて提出する必要がある。ホワイティング氏の退任と司令部移転が控えるなか、上院での審議が次の節目になる。

元記事: Space Force Names First Orbital Weapons Commander as Senate Confirmation Looms

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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