米IT幹部の84%、旧式システム理由にAIプロジェクトの中止経験―GFT世界調査

2026年10月2日 10:27

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記事提供元:International Business Times

Photo by Israel Andrade on Unsplash

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 企業のAI導入が進む一方、既存のレガシー(旧式)システムが実用化の障害となっている。GFT Technologiesの世界調査では、最高情報責任者(CIO)と最高技術責任者(CTO)の84%が、レガシーシステムの制約によってAIのパイロットまたはプロジェクトを中止したことがあると回答した。

 調査はWakefield ResearchがGFTの委託を受け、2026年8月11〜31日に実施した。年間売上高5億ドル(約791億円)以上の企業に所属する19カ国のCIOとCTO、計945人を対象とした。

■84%がAIの実証・プロジェクトを中止

 GFTの調査によると、回答者の84%は、レガシーシステムの制約が原因で、自社がAIのパイロットまたはプロジェクトを中止したと回答した。

 旧式のIT基盤はセキュリティ面でも懸念材料となっている。回答者の93%は、古いインフラを近代化しないままAIを稼働させれば、最終的に全社規模のセキュリティ危機につながると考えている。

 GFT USAのリシ・チョーハン最高経営責任者(CEO)は、AIを単にレガシーシステムの上に重ねればよいわけではないと指摘した。84%がAI案件を中止したとの結果について、企業がAI導入の前提となるシステム基盤の重要性を認識し始めていることを示すとの見方を示した。

 AI投資が実際に生み出せる事業価値を上回るペースで拡大していることへの懸念も強い。世界全体では89%がこの点を懸念した。米国では92.1%に上り、欧州・中東・アフリカ(EMEA)の80.6%を上回った。

 チョーハンCEOは、米国の技術幹部には「AIが実際の価値を生んでいるのか、従業員の信頼を得られているのか、問題が起きた場合に自身がどのような責任を負うのか」を巡り、他地域以上の圧力がかかっているとの見方を示した。

■米国の93.3%、AIを人員削減の「口実」に使う企業があると回答

 AIと人員削減の関係についても、技術幹部の間で企業側の説明に対する懐疑的な見方が強まっている。

 米国の回答者の93.3%は、一部の上場企業が、主として株価を押し上げることを目的とした人員構成の変更を正当化するためにAIを持ち出していると考えている。世界全体でも90.6%だった。

 企業が従来型のコスト削減や人員調整をAIによる変革として説明するのではないかとの議論は「AIウォッシング」と呼ばれている。

 AIデータ企業Scale AIのジェイソン・ドローグCEOも4月、米ワシントンで開かれたSemafor World Economyで、AI関連とされる人員削減の多くについて、企業がAIを理由に人員を減らしている面があると指摘した。実態は通常の人員規模の適正化であるケースもあるとの見方を示した。

■AI拡大の判断ミス、自身の職にも懸念

 AI導入に伴う人員戦略は、CIOやCTO自身の雇用不安にもつながっている。

 米国の回答者の47.0%は、AIを大規模に導入する際に人員について誤った判断を下せば、自身の職が危うくなることを「非常に」または「極めて」懸念していると答えた。世界全体では42.9%だった。

 企業がAIへの投資を拡大するなか、投資収益率(ROI)を示す圧力も強まっている。一方、AIを安定的に運用するには、既存システムの近代化に加え、データ基盤、セキュリティー、ガバナンス、人材の整備が必要になる。

 チョーハンCEOは、米国にAI投資が集中していることで成果への監視も厳しくなっているとしたうえで、インフラやガバナンス、適切な人材といったAIを支える基盤は、AI技術そのものと同じくらい重要だと指摘した。

 さらに「話をする企業はどこもAIロードマップを持っているが、それに対応するインフラのロードマップを持つ企業は少ない」と述べ、このギャップが多くのAI施策をパイロット段階から先に進めなくしているとの見方を示した。

※この記事はInternational Business Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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