三井金属が1株を10株に分割 非鉄3社の投資額と成長分野

2026年10月1日 21:29

印刷

三井金属鉱業が本社を置く東京都品川区のゲートシティ大崎(User:Kentin, CC BY-SA 3.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0>, via Wikimedia Commons)

三井金属鉱業が本社を置く東京都品川区のゲートシティ大崎(User:Kentin, CC BY-SA 3.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0>, via Wikimedia Commons)[写真拡大]

 三井金属は2026年10月1日付で、1株を10株に分割した。非鉄3社について、JX金属、住友金属鉱山と投資額や業績、成長分野を見ていく。

 10月1日の終値は、三井金属が2,464.5円、JX金属が3,605円、住友金属鉱山が9,770円だった。100株の購入に必要な資金は、それぞれ約25万円、約36万円、約98万円となる。三井金属は10分割によって最低投資額が理論上10分の1となり、3社で最も買いやすい水準になった。

 ただし、株式分割で企業価値や保有株式の実質的な価値が変わるわけではない。三井金属の株価は10月1日に前日比7.6%上昇しており、分割後の買いやすさだけでなく、業績や成長期待が株価にどこまで織り込まれているかも確認したい。

 三井金属は、金属製錬に加え、半導体パッケージ基板などに使われる極薄銅箔「MicroThin」を手掛ける。AIサーバー向け光モジュールやデータセンター関連の需要拡大を見込み、生産能力の増強を進めている。

 2027年3月期第1四半期は、売上高が前年同期比19.3%増の2,016億円、営業利益が同84.1%増の210億円だった。銅箔の販売増加や非鉄金属相場、円安が利益を押し上げた。9月には全固体電池の実用化に向け、米Factorial Energyとの共同開発契約も発表している。

 JX金属は、半導体用スパッタリングターゲットや高機能銅合金などに強みを持つ。第1四半期は、売上高が前年同期比36.2%増の2,606億円、営業利益が同175.5%増の814億円だった。AI関連の需要に加え、銅価格の上昇や円安も業績に寄与した。

 住友金属鉱山は、鉱山開発から製錬、電池材料まで一貫して展開する。第1四半期の売上高は前年同期比42.3%増の5,401億円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は同約3.2倍の879億円だった。資源価格や為替の影響を受けやすい点には注意が必要だ。

 三井金属はAI向け銅箔と全固体電池、JX金属は先端半導体材料、住友金属鉱山は資源と電池材料などが成長の軸として注目される。3社とも非鉄金属に分類されるが、利益を左右する製品や市況は同じではない。

 三井金属の10分割で、非鉄3社の最低投資額の差は大きく縮まった。投資判断では買いやすさに加え、AI・半導体需要の継続性、金属価格や為替の変動、大型設備投資の回収を確認したい。(記事:林田孝治・記事一覧を見る)

関連キーワード