スペースX「Starship」が初の軌道到達、Starlink衛星26基を投入

スペースXの大型宇宙船「Starship」は28日、14回目の試験飛行で初めて地球周回軌道に到達し、次世代通信衛星「Starlink V3」26基を投入した。(写真:同社の公開映像のキャプチャ)[写真拡大]
米宇宙開発企業スペースX(SpaceX)の大型宇宙船「Starship(スターシップ)」は28日、14回目の試験飛行で初めて地球周回軌道に到達し、次世代通信衛星「Starlink V3」26基を投入した。上昇中にエンジン1基が停止したため当初計画より約7時間早く飛行を終了したものの、Starshipにとって初の実運用衛星の軌道投入となった。
無人のStarshipは米テキサス州のStarbaseから打ち上げられた。下段の大型ブースター「Super Heavy」から分離した後、Starshipの主エンジン3基のうち1基が予定より早く停止した。
スペースXは一時、軌道投入を断念する方針を示したが、その後、残るエンジンを使った軌道投入が可能と判断。Starshipは地球周回軌道に入り、高度約269キロメートルでStarlink V3衛星26基を順次放出した。
イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)はXへの投稿で、26基すべてが目標軌道に投入され、正常に作動していると明らかにした。
Starshipは当初、地球を6周する約10時間の飛行を予定し、南米チリ沖の太平洋に着水する計画だった。しかしエンジンの不具合を受けてミッションは約3時間に短縮された。Starshipは制御された状態で太平洋に降下し、着水した。
スペースX株は同日の取引で約2%下落した。
Starshipは2023年以降、今回を含めて14回の統合飛行試験を実施している。過去13回はいずれも弾道飛行にとどまり、地球周回軌道に入ったのは今回が初めてとなる。
スペースXはStarshipを完全再使用型の宇宙輸送システムとして開発しており、将来はStarlink衛星の大量投入や米航空宇宙局(NASA)の月探査計画「Artemis(アルテミス)」での利用を目指している。
同社は機体をStarbaseへ帰還させる前に、安全性を十分確認する方針である。マスクCEOは9月のイベントで、機体が陸上で破損し、人々の上に破片が降れば「われわれの人気は急速に低下するだろう」と述べ、帰還試験を慎重に進める考えを示していた。
NASAは2027年に予定する「Artemis III」を、地球低軌道での有人実証ミッションと位置付けている。宇宙船Orionと、スペースXおよびブルー・オリジンが開発する月着陸船の試験機とのランデブー・ドッキング能力などを検証する計画である。
NASAはその成果を踏まえ、2028年に予定する「Artemis IV」で宇宙飛行士の月面着陸を目指している。スペースXはNASA向けの有人月着陸システムとしてStarshipを開発している。
スペースXは国際宇宙ステーション(ISS)への宇宙飛行士輸送でもNASAとの関係を深めている。NASAは9月、商業有人輸送能力(CCtCap)契約を変更し、スペースXにCrew-15、Crew-16、Crew-17の3ミッションを追加発注した。契約変更額は計9億4600万ドル(約1480億円)で、履行期間は2030年までとなる。
追加契約には打ち上げだけでなく、地上運用、軌道上運用、帰還・回収、各ミッションの貨物輸送、DragonがISSにドッキングしている間の緊急避難船としての機能などが含まれる。
今回の追加により、CCtCap契約に基づくスペースXのミッション数は計17便となり、契約総額は59億2000万ドル(約9320億円)に増えた。
NASAは2014年、スペースシャトル退役後の米国独自の有人宇宙輸送能力を再構築するため、スペースXとボーイングを商業有人輸送計画の事業者として選定した。スペースXのCrew Dragonは2020年11月にNASAの有人飛行認証を取得した。
一方、ボーイングのStarlinerは定期的な有人輸送の認証をまだ取得していない。NASA監察総監室(OIG)は2026年6月、Starlinerの3回の飛行試験で、ミッションリスクの程度が異なる多数の問題が確認されたと指摘している。
Starship’s 14th flight is set to launch on Monday, Sept 28. The 75-minute launch window opens at 7:15 a.m. CT. Live coverage of the mission starts ~35 minutes before launch → https://t.co/uQKQvgaTmJ
— SpaceX (@SpaceX) September 27, 2026
※この記事はInternational Business Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。
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