【視点】S&P500の利益見通しに変化、23週続いた上方修正優勢が終了―インフレと金利が重荷

2026年9月26日 23:50

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記事提供元:Tech Times

Photo by Maxim Hopman on Unsplash

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米企業の利益予想を巡り、ウォール街のアナリストの見方に変化が表れている。Bloombergが9月23日に報じたところによると、シティグループの指数で利益予想を引き下げたアナリストが引き上げたアナリストを23週間ぶりに上回り、2021年9月以来最長だった上方修正優勢の流れが途切れた。

ただ、企業利益そのものがすでに減少へ転じたことを意味するわけではない。2026年第2四半期にはS&P500種株価指数の利益予想が大きく引き上げられており、第3四半期についても8月末までの集計では、通常とは逆に予想の上方修正が続いていた。

■23週続いた上方修正優勢が終了

Bloombergによると、シティグループの利益予想修正に関する指数では、利益予想を引き下げたアナリストの数が23週間ぶりに引き上げたアナリストを上回った。上方修正が優勢だった期間は2021年9月以来で最長だった。

BNPパリバ・ウェルス・マネジメント・ドイツの最高投資責任者(CIO)、シュテファン・ケンパー氏はBloombergに対し、弱さが目立つ分野として生活必需品、一般消費財、素材、金融を挙げた。生活費やエネルギー価格の上昇が利益予想の修正につながっているとの見方を示した。

背景にはインフレと金利の上昇がある。米連邦準備制度理事会(FRB)は9月16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を0.25ポイント引き上げ、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を3.75〜4.00%とした。FRBはインフレが依然として高い水準にあると説明している。

■原油高が企業コストとインフレを圧迫

2026年は中東情勢を受けたエネルギー価格の急上昇も企業利益を取り巻く環境を変えた。米エネルギー情報局(EIA)によると、ブレント原油先物は年初の1バレル61ドルから第1四半期末には118ドルまで上昇した。インフレ調整後の四半期上昇幅としては、データがさかのぼれる1988年以降で最大となった。

EIAは、2月28日以降の中東での軍事行動と、ホルムズ海峡を通る船舶交通の大幅な減少が原油供給を圧迫したとしている。9月22日時点でもブレント原油は1バレル100ドル前後、WTI原油は95ドル台と、年初を大きく上回る水準にあった。

フィッチ・レーティングスは6月の世界経済見通しで、2026年の米実質GDP成長率予測を従来から0.3ポイント引き下げ、1.9%とした。原油価格上昇によるインフレが実質賃金と個人消費を圧迫するとみている。

世界銀行も4月、中東情勢による供給ショックを背景に、2026年のエネルギー価格が前年比24%上昇すると予測した。原油高は企業の投入コストと家計負担の双方を通じ、利益予想を左右する要因になっている。

■S&P500の利益予想はなお高水準

一方、S&P500企業の利益見通しは2026年第2四半期に大きく改善した。FactSetによると、第2四半期のボトムアップ方式によるEPS予想は3月31日の78.84ドルから6月30日の81.54ドルへ3.4%上昇した。四半期中の上方修正幅としては2021年以来の大きさだった。

通常は四半期が進むにつれて利益予想が引き下げられる。FactSetの集計では、過去5年間の平均では四半期中に2.0%、過去10年間では2.7%低下しており、2026年第2四半期は異例の上方修正となった。

第3四半期についても、7月と8月の2カ月間にボトムアップEPS予想は88.64ドルから89.69ドルへ1.2%上昇した。過去5年間の同期間には平均1.7%、過去10年間では2.1%低下しているため、少なくとも8月末まで企業利益の見通しは底堅かった。

このため、23週ぶりの利益予想修正の反転は、企業利益全体の急激な悪化を直ちに示すものではない。むしろ、高水準まで引き上げられてきた予想に対し、インフレや高金利、エネルギー価格上昇の影響を織り込む動きが広がり始めたことを示している。

■AI関連企業は高成長を維持

利益拡大を支えてきた要因の一つがAI関連需要である。エヌビディアの2027年度第2四半期は、2026年7月26日までの3カ月間の売上高が962億2100万ドルとなり、前年同期比106%増加した。データセンター部門の売上高は890億ドルで117%増だった。

大手テクノロジー企業によるAIインフラ投資も高水準が続く。アルファベットは2026年の設備投資額を1800億〜1900億ドルと見込み、大半をサーバーやネットワーク機器、データセンターなどの技術インフラに振り向ける方針を示している。

アマゾン・ドット・コムもAI関連投資を拡大している。同社によると、第2四半期の設備投資に相当する現金支出は前年同期の314億ドルから531億ドルへ増加した。過去12カ月のフリーキャッシュフローは76億ドルのマイナスとなり、同社は設備投資増加の主因がAI関連投資だとしている。

AI分野の成長が企業利益と設備投資を支える一方、金利上昇に伴う資金調達コストや巨額投資の採算性は今後の利益見通しを左右する要素となる。

■株式市場は高値圏で変動

利益予想の変化が表面化する一方、米株式市場ではAI関連株への期待が続いている。9月22日にはナスダック総合指数が取引時間中の過去最高値を更新した。

ただ、翌23日は原油価格と米国債利回りの上昇を受けて株価が下落した。ロイターによると、S&P500は0.75%安、ナスダック総合指数は1%を超えて下落した。前日に最高値を更新した市場でも、金利とエネルギー価格への警戒が再び強まった格好だ。

シティグループの指数が示す23週ぶりの変化は、これまで幅広く続いてきた利益予想の上方修正が一服したことを示す。今後は第3四半期決算を通じ、AI関連需要による増益が続く一方で、インフレ、高金利、エネルギー高が企業利益にどの程度影響するかが焦点となる。

元記事: Wall Street Flips Net Negative on S&P 500 Earnings After 23-Week Upgrade Streak

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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