ITC、MicronのDDR5メモリ特許調査を開始 Netlistが米輸入排除求める

2026年9月26日 18:13

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記事提供元:Tech Times

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米国際貿易委員会(ITC)は、Micron Technology(マイクロン・テクノロジー)のDDR5サーバー向けメモリなどを巡り、Netlistが申し立てた特許侵害について337条調査を開始した。Netlistは対象製品の米国への輸入を制限する排除命令などを求めている。調査開始は侵害の認定を意味せず、現時点でMicron製品の輸入や販売が停止されるものではない。

■ITCがMicronなどを対象に調査

ITCは2026年9月23日、1930年関税法337条に基づく調査「337-TA-1523」を開始した。調査はNetlistが8月11日に提出し、8月25日に補足した申し立てに基づくもので、Micron Technology、Micron Semiconductor Products、Hewlett Packard Enterprise(HPE)、Lenovo Group、Lenovo (United States)、Super Micro Computer(Supermicro)が被申立人となっている。

Netlistは、米国特許第10,025,731号、第10,217,523号、第12,373,366号、第12,675,407号の4件について侵害を主張している。同社によると、これらの特許はDDR5 RDIMMまたはMRDIMMに関係する。

Netlistは、侵害が認定された製品について米国への輸入を制限する限定的排除命令と、被申立人に対する停止命令を求めている。ITCは調査開始時点では侵害の有無について判断していない。

NetlistのC.K. Hong最高経営責任者(CEO)は調査開始について、ITCの決定を歓迎するとしたうえで、Samsungとの合意が同社の知的財産の価値について重要な業界上の基準を確立したと述べ、Micronなどに対する権利行使を続ける考えを示した。

■AIやデータセンターで使われるDDR5メモリ

RDIMM(Registered DIMM)は、メモリコントローラーとDRAMの間の信号をレジスターで中継するサーバー向けメモリモジュールである。信号品質や安定性を高め、大容量のメモリを搭載しやすくするため、企業向けサーバーやクラウド、データセンターなどで利用されている。

MRDIMM(Multiplexed Rank DIMM)は、複数のDRAMランクへのデータ転送を多重化することで、従来型のRDIMMより高いメモリ帯域を目指す仕組みである。Micronは現在、最大8,800 MT/sのDDR5 MRDIMMを製品化しており、次世代品では12,800 MT/sのデータ転送速度を想定している。

Micronは9月15日、512GBのDDR5 RDIMMを複数のサーバープラットフォームで実証したと発表した。最大9,200 MT/sに対応し、AMDとIntelが検証を進めている。Micronによると、512GBモジュール1枚の動作電力は16.0Wで、128GBモジュール4枚の計44.2Wと比べ60%以上少ない。

同社は512GB RDIMMについて、2027年下半期中の量産開始を見込んでいる。AIやデータ分析、インメモリーデータベースなど、大容量メモリを必要とするデータセンター向けを想定している。

■Samsungとは最大約8億9800万ドルのライセンス契約

Netlistは2026年8月、Samsung Electronics(サムスン電子)との一連の特許係争を解決する5年間の契約を締結した。Netlistの米証券取引委員会(SEC)提出書類によると、SamsungはNetlistに対し、2億ドルの一時ライセンス料と、その後20四半期にわたり四半期最大2750万ドルを支払う。

韓国の源泉税をSamsungが負担するグロスアップ分を含めると、Samsung側の支払義務は最大約8億9800万ドルとなる。内訳は一時金が約2億3900万ドル、四半期ごとの支払いが最大約3290万ドルである。四半期の支払額は売上高に連動する算定式などに基づき、調整や返金の対象となる場合がある。

両社は特許ライセンスに加え、メモリー製品の供給契約も締結した。Netlistには5年間でSamsung Semiconductorから年間最大3億ドル、総額最大15億ドルのDRAMとNAND製品を購入する権利が与えられた。またSamsung SemiconductorはNetlist株1000万株を総額100万ドルで取得した。

さらにSamsungは5年間のITC協力契約に基づき、Netlistが第三者を相手取る将来のITC手続きで使用する一定の情報、文書、宣誓書などを提供することに同意している。

■Micronは過去にもNetlistと特許紛争

MicronとNetlistの特許紛争は今回が初めてではない。米テキサス州東部地区連邦地裁の陪審は2024年5月、MicronがNetlistの米国特許第7,619,912号と第11,093,417号を故意に侵害したと認定し、Netlistに4億4500万ドルの損害賠償を認めた。

この訴訟ではMicronのDDR4 RDIMMやDDR4 LRDIMMなどが対象となっていた。Micronは侵害を否定し、特許の有効性などを争ってきた。

SamsungもNetlistとの別の特許訴訟で、2023年に3億300万ドル、2024年には1億1800万ドルの損害賠償を陪審から命じられていた。両社はその後、2026年8月の契約によって係争を包括的に解決することで合意した。

■337条調査、最終判断の日程は今後設定

ITCの337条調査では、行政法判事(ALJ)が証拠審理を行い、337条違反の有無について初期判断を示す。その判断はITCによる審査の対象となり、最終的には委員会が判断する。

ITCは調査開始から45日以内に、最終判断を出すための目標日を設定する。今回の337-TA-1523についても、9月23日の調査開始時点では最終判断の日付は確定していない。

ITCが違反を認定した場合、対象製品を米国市場から排除する命令や、販売などを停止させる命令を出すことができる。命令は発令時から効力を持ち、その後60日以内に米通商代表部(USTR)が政策上の理由で不承認としなければ最終的に確定する。

排除措置を検討する際、ITCは米国の公衆衛生・福祉、米国経済の競争条件、同種または競合製品の米国内生産、米国消費者への影響といった公益要素も考慮する。

■Netlistは別のITC調査も進行中

Netlistを申立人とするITC調査は今回だけではない。ITCは7月15日、Samsung、Google、Supermicro、Nvidia、Broadcomなどを被申立人とする別の337条調査「337-TA-1511」を開始している。

同調査もDRAM製品やそれを搭載した製品などを対象とし、Netlistは限定的排除命令と停止命令を求めている。こちらについても、ITCは調査開始時点では特許侵害の有無について判断していない。

■現時点ではMicron製品の輸入に変更なし

今回の調査開始だけで、MicronのDDR5 RDIMMやMRDIMMが米国で輸入禁止になるわけではない。ITCが侵害を認定し、排除命令を出すまでは、対象製品の輸入や販売を直ちに停止させる措置は発生しない。

今後の焦点は、行政法判事による審理でNetlistが主張する4件の特許侵害が認められるか、そして違反が認定された場合にITCがどのような救済措置を選択するかとなる。

Samsungとの5年間のライセンス契約は、Netlistが自社の知的財産をどの程度の経済価値として扱っているかを示す材料にはなる。一方、Micronとの交渉や和解が同様の条件になるかどうかは現時点では決まっておらず、ITCの調査結果や当事者間の交渉を待つ必要がある。

元記事: Micron DDR5 AI Server Memory Faces Netlist ITC Probe; $898M Samsung Deal Sets Bar

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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