著名投資家マイケル・バーリ氏、マイクロンなどの空売り拡大―メモリ供給過剰を警戒

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著名投資家のマイケル・バーリ氏が、人工知能(AI)ブームの恩恵を受けてきた半導体・テクノロジー関連銘柄への弱気姿勢を強めている。足元の深刻なメモリーチップ不足について、生産能力の拡大に伴い、いずれ供給過剰へ転じる可能性があるとみている。
2007~2009年の金融危機前に米住宅市場の下落を見込んだ取引で知られるバーリ氏は22日、マイクロン・テクノロジー、クラウドコンピューティング会社のネビウス・グループ、パランティア・テクノロジーズ、半導体株に連動する上場投資信託(ETF)「iシェアーズ・セミコンダクターETF(SOXX)」の空売りポジションを相当規模で積み増したと、ニュースレター配信サービスのSubstackで明らかにした。
バーリ氏の動きは、米ハイテク株が最高値圏にあるなかで出てきた。ナスダック100は22日、前日比250.05ポイント高の3万0732.40で取引を終え、終値として過去最高を更新した。上昇率は0.82%だった。取引時間中にも3万0770.63まで上昇し、過去最高値を付けた。
ハイテク株比率の高いナスダック総合指数も同日、前日比122.19ポイント高の2万7244.28と、2営業日連続で終値の最高値を更新した。取引時間中の最高値は2万7288.79だった。
もっとも、ナスダック100は23日に0.85%下落した後、24日は0.03%高の3万0478.86とほぼ横ばいだった。ナスダック総合指数も23日に1.13%下落し、24日は0.01%高の2万6939.37で終えた。
バーリ氏は、投資家が現在の極めて旺盛なメモリー需要を将来にわたって当てはめすぎている可能性があるとみる。「今後2年間で生産が追い付き、この不足は解消に向かう。その後、メモリー市場は再び下降局面に入る」とSubstackに投稿した。
AIインフラへの巨額投資は、広帯域メモリー(HBM)をはじめとするメモリー製品への需要を押し上げ、供給不足と価格上昇をもたらしてきた。一方、価格上昇と高い収益性は、メーカーに生産能力を増強する誘因も与えている。バーリ氏は、こうした増産が最終的に需要へ追い付き、メモリー価格を押し下げる可能性を指摘する。
中国メーカーによる生産拡大も、その見通しを左右する重要な要素である。バーリ氏は、台湾のパソコン大手エイサーのジェイソン・チェン会長兼最高経営責任者(CEO)の発言に注目した。
チェン氏は、一部の高性能メモリー製品では供給逼迫が残っているものの、中国メーカーの生産能力拡大が続くなか、現在の不足が長期間続くとの見方に疑問を示している。汎用メモリーでは供給に余裕が生じつつあり、中国から低価格製品の供給が増えれば、メモリー価格への下押し圧力が強まる可能性があるとの認識を示した。
中国のDRAM大手、長鑫存儲技術(CXMT)は20日、第5世代DRAM技術プラットフォーム「G5」の量産を開始したと発表した。同プラットフォームを採用した容量24ギガビットのLPDDR5X製品2種類も量産に入った。
CXMTによると、G5ではウエハー1枚当たりに製造できるチップ数が、8ギガビット換算で従来の第4世代プラットフォームより少なくとも50%増加した。新しいLPDDR5X製品の記憶容量も従来の同等製品より50%増えたとしている。
DRAMの世界市場はサムスン電子、SKハイニックス、マイクロンなどが中心となっている。CXMTの量産拡大は、中国が世界のメモリー市場で供給力を高める動きの一環となる。
バーリ氏の想定通り供給が需要に追い付けば、マイクロンへの影響は明確である。同社は現在、メモリー価格の上昇と需給逼迫を背景に、収益性を大きく高めている。同社の2026年5月までの第3四半期は、売上高が前年同期比約4.5倍の414億5600万ドル、純利益が同約15倍の282億4300万ドルとなった。売上高総利益率は前年同期の37.7%から84.6%へ上昇した。
同時にマイクロンは、顧客需要に対応するため、技術開発や製品、生産能力への投資を記録的な水準に引き上げている。供給増加によってメモリーの需給が緩和すれば、製品価格や利益率が低下する可能性がある。
バーリ氏はナスダック100についても「歴史的に割高で、歴史的に上位銘柄への偏りが大きい」と指摘した。AI関連企業の高いバリュエーションと指数内での集中が、半導体市況が下降局面へ転じた場合の影響を増幅させる可能性があるとの見方である。
AI関連株の値動きが一様ではなくなっている兆候もある。BTIGのテクニカルアナリスト、ジョナサン・クリンスキー氏によると、ナスダック100が8月半ば以降おおむね横ばいで推移する一方、構成銘柄のうち株価が200日移動平均を上回っている銘柄の比率は77%から56%へ低下した。
ただ、バーリ氏は株式市場全体に弱気なわけではない。大幅に値下がりした銘柄の価格に投資妙味があるとして、建材流通会社QXO、玩具小売りのビルド・ア・ベア・ワークショップ、食品スーパーのスプラウツ・ファーマーズ・マーケット、履物大手ビルケンシュトック、南米の電子商取引大手メルカドリブレの買い持ちを増やした。
同氏は、これら5銘柄について「大幅に調整しており、市場が提示する価格はかなり魅力的だ」と述べ、いずれも自身が想定する十分な規模の保有ポジションになったと明らかにした。
※この記事はInternational Business Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。
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