マイアミ空港でAmazon向け767貨物機が滑走路逸脱、車両の5人死亡 NTSBが原因調査

2026年9月8日 20:21

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記事提供元:Tech Times

米フロリダ州のマイアミ国際空港で9月6日、Amazonの航空貨物を運ぶ21 Airのボーイング767貨物機が着陸時に滑走路をオーバーランし、車両2台に衝突した。米運輸安全委員会(NTSB)によると、車両に乗っていた5人が死亡し、パイロット2人を含む5人が負傷した。

事故機は滑走路の舗装面から約1,300フィート(約396メートル)先まで進んだ。事故原因は分かっておらず、NTSBは着陸状況、機体のシステムやブレーキ、気象条件、航空管制、運航会社の手順、空港の安全設備などを調べている。

■滑走路を越えて車両2台に衝突

事故を起こしたのは、21 AirがAmazonのPrime Air便として運航していた7598便である。プエルトリコのルイス・ムニョス・マリン国際空港を出発し、9月6日午後1時53分ごろ、マイアミ国際空港の滑走路30に着陸した。

NTSBの9月7日の説明によると、機体は滑走路を越えた後、航空保安施設などに衝突し、空港内にいたフォード・エコノラインのバンに接触した。バンには航空会社向けの清掃業務に携わる7人が乗っていた。

機体はさらに空港の外周フェンスを突き破り、空港外のノースウェスト67番街を走っていたトヨタ・カローラクロスに衝突した。その後も草地を進み、別のフェンスを越えた先で停止した。死亡者5人は、いずれも衝突した2台の車両に乗っていた人だった。

事故ではこのほか5人が負傷し、事故当日の発表では3人が重体とされた。貨物機に乗っていたのはパイロット2人で、両者とも生存した。消防・救助隊は機内や車両に取り残された人の救助に当たり、燃料漏れと火災にも対応した。

現場には60を超える消防救助部隊と約200人の緊急対応要員が出動した。マイアミ国際空港では一時、すべての滑走路と誘導路が閉鎖され、航空便に広範な欠航や遅延が生じた。その後、一部の滑走路で運用が再開された。

■滑走路を出た時点で約112ノット

航空機追跡サービスFlightradar24のADS-Bデータによると、事故機は滑走路の使用可能部分を出た時点で約112ノット(時速約207キロ)だった。最後に受信された速度は69ノット(時速約128キロ)で、この時点ではすでに滑走路外を進んでいた。

NTSBは事故翌日の段階で、接地点や接地時の速度、乗員が着陸復行を選ばなかった経緯について結論を示していない。映像や追跡データから接地点が通常より先だった可能性が指摘されているが、正確な飛行経路や機体の状態は、回収された記録装置などを用いて検証される。

事故当時、空港周辺では雷雨と強い風が観測されていた。もっとも、気象条件が事故にどのように関係したかは現時点で明らかになっていない。NTSBは気象情報や航空管制記録、乗員の操作、エンジン、ブレーキ、逆推力装置を含む機体システムを調査する。

■EMASを含む空港の安全設備も調査対象

滑走路30の終端には、オーバーランした航空機を減速させるEMAS(Engineered Materials Arresting System)が設置されていなかった。NTSBは、EMASがなかったことを含め、滑走路と空港の安全要因を調査項目に挙げている。

EMASは、滑走路の先に変形しやすい軽量素材を敷設する安全設備である。航空機の車輪が進入すると、素材が機体重量によって変形し、運動エネルギーを吸収して航空機を減速させる。

米連邦航空局(FAA)によると、標準的なEMASは、滑走路終端を70ノット前後で越える多くの航空機を停止させることを想定している。滑走路安全区域を標準的な寸法で確保できない空港では、地形や道路、水域などの制約を補う手段として導入されてきた。

一方、今回の事故機が滑走路を出た際の推定速度は約112ノットだった。EMASの停止性能は、対象となる機体の重量や進入速度、設備の長さと設計などによって変わる。このため、仮に設置されていた場合に事故の結果がどう変わったかは、速度だけから断定できない。

FAAは、滑走路安全区域について、航空機が滑走路を外れた場合に停止するための空間を確保するとともに、緊急車両の活動を容易にする役割があると説明している。今回、機体は舗装面から約1,300フィート先まで進んでおり、NTSBは事故経路と空港施設の配置を記録したうえで安全対策を検討する。

■記録装置を回収、32人態勢で調査

NTSBは32人の調査チームを現地に派遣した。フライトデータレコーダーとコックピットボイスレコーダーはすでに回収され、解析のためワシントンの施設へ送られた。

調査では、乗員と運航、21 Airの方針や手順、Amazonとの契約関係、FAAによる監督、航空管制、気象、空港設備、機体のシステムとエンジンなどを幅広く確認する。

パイロットへの聞き取りは9月7日の会見時点では実施されていなかった。NTSBは現場で残骸やタイヤ痕など時間とともに失われる可能性のある証拠を収集し、事故機が停止するまでの経路を詳しく記録している。

NTSBの初期段階の説明は、事故現場で確認された事実を示すものであり、原因を認定するものではない。推定原因や安全勧告は、記録装置、機体、運航資料、気象情報、関係者への聞き取りなどを総合して判断される。

■事故機は旅客機から改造された767

事故機の登録記号はN1997Aで、機種はボーイング767-33Aを貨物機に改造した767-300BDSFである。1994年に製造され、事故時の機齢は約32年だった。

FAAの登録情報では、製造番号は27310で、GE製CF6-80C2B6Fエンジンを搭載する。もともとは旅客機として複数の航空会社で運航され、2015年ごろに旅客運航を終えた後、貨物機へ改造された。FAAの登録記録には、貨物機としての耐空性に関係する日付として2016年6月22日が記載されている。

BDSFは、Israel Aerospace Industriesによる旅客機から貨物機への改造方式である。一般的な改造では、大型貨物扉の設置、主甲板床の補強、客室設備の撤去、貨物輸送に対応したシステムの変更などが行われる。

21 AirはAmazonから航空貨物輸送を受託している運航会社の一つである。Amazonは自ら航空機を運航するのではなく、航空運送事業者として認可された複数の航空会社にPrime Air便の運航を委託している。

■Amazonと21 Airが調査への協力表明

Amazonは、死亡した人々の家族や関係者に哀悼の意を表し、現地当局と連携して状況を確認するとともに、調査へ全面的に協力すると表明した。

21 Airも死亡者の家族や関係者に弔意を示し、関係当局と緊密に連携しているとした。ボーイングも哀悼の意を表し、調査を支援する方針を示している。

今回の事故では、空港内の業務用車両に加え、外周フェンスの外にある公道を走行していた車両も巻き込まれた。NTSBの調査では、乗員や機体に関する直接的な原因だけでなく、滑走路終端から空港境界までの安全設備と、周辺道路を含む施設配置も重要な検討対象となる。

元記事: Amazon Cargo Jet Kills Five After Overrunning Miami Runway With No High-Speed Safety Net

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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