LGがIFAのBest Brand受賞、TCL CSOTは印刷OLED技術で金賞

IFA Innovation Award group photo in IFA Berlin 2026 on September 4, 2026. (TechTimes)[写真拡大]
IFA 2026で、LG ElectronicsがIFAイノベーション・アワードの「Best Brand」に選ばれた。LGの「LG OLED evo AI Wallpaper TV W6」と「LG Sound Suite」も各部門で受賞し、Samsung Electronicsのエアコンと冷蔵庫はWinnerまたはHonoreeに選出された。
並行して発表された別の表彰プログラムでは、TCL CSOTの27型インクジェット印刷OLEDディスプレイが金賞を獲得した。薄型テレビやAI家電に加え、OLEDの製造方法もIFA 2026における技術的な焦点の一つとなった。
■LGが最優秀ブランド、テレビとオーディオも受賞
IFAイノベーション・アワードは、2025年に始まったIFAの表彰プログラムである。2026年は総合表彰として「Best of IFA」「Best of Tech」「Best Brand」が設けられ、このうちBest BrandにLG Electronicsが選ばれた。
製品部門では、「LG OLED evo AI Wallpaper TV W6」がBest in Home & Entertainmentを受賞した。壁に密着させて設置する薄型デザインと、映像・音声を別体の「Zero Connect Box」から無線伝送する構成を特徴とする有機ELテレビだ。
日本では83型の「OLED83W6PJA」が2026年8月に発売された。本体の厚さは9.95mmで、電源コードを除くチューナーや外部入力端子をZero Connect Boxに集約している。同ボックスはテレビから最大10m離して設置でき、4K映像を最大165Hzで無線伝送する。
応答速度は0.1msで、NVIDIA G-SYNC CompatibleとAMD FreeSync Premiumにも対応する。薄型の壁掛けテレビとしての意匠に加え、高リフレッシュレートを必要とするPCゲームにも対応した製品である。
画質面では「Hyper Radiant Colorテクノロジー」を採用した。LGによると、輝度、黒表現、色再現、反射低減を総合的に最適化する技術で、プライマリーRGBタンデム構造の有機ELパネルや輝度向上機能と組み合わせている。
LGは2017年にも、壁に沿って設置する「Wallpaper」デザインの有機ELテレビを発表していた。W6では、このデザインを現在の有機ELパネルやワイヤレス伝送技術と組み合わせている。
オーディオ部門では「LG Sound Suite」がBest in Audioを受賞した。設置されたスピーカーの位置を把握し、室内の構成に応じて出力を調整するサウンドシステムである。
LGはこのほか、83型の「LG OLED evo AI TV G6」、Micro RGBテレビ、Mini RGBテレビ、「LG StanbyME 2 Max」、スピーカー「LG xboom Stage 501」が各部門のHonoreeに選ばれた。
■Samsungのエアコンがデザイン部門を受賞
Samsung Electronicsの「Bespoke AI WindFree Pro」は、Best in DesignのWinnerに選ばれ、Best in Home AppliancesではHonoreeに選出された。
同製品は、壁や家具に見られる直線や格子と調和させた「Grid Design」を採用し、エアコンの機能部品を視覚的に目立ちにくくしている。室内設備としての存在感を抑え、周囲の空間になじませる設計がデザイン部門で評価された。
機能面では、3枚の可動翼によって複数の気流パターンを作り出す。レーダーセンサーで利用者の位置や動きを捉え、風を直接届けるか、利用者を避けて送るかを調整する「AI Motion Wind」にも対応する。
対応するウェアラブル端末と連携する「WindFree Wearable Good Sleep」では、利用者の睡眠状態に応じて冷房を自動調整する。Samsungが従来から展開してきたWindFree技術と、センサーやウェアラブル端末から得た情報を組み合わせた構成である。
冷蔵庫では、「Bespoke AI Refrigerator Family Hub 32インチ」がBest in DesignのHonoreeに選ばれた。32インチディスプレイを備え、庫内カメラを使った食材管理や、SmartThings Foodを通じたレシピ提案に対応する。
Best in Home Appliancesでは、設置時に左右各4mm、上部20mmの隙間で収められる「Bespoke AI Refrigerator Zero clearance fit」もHonoreeに選ばれた。開閉に必要な周囲の空間を抑えるヒンジや、庫内容量を確保する薄型ドアを採用している。
Samsungについては、エアコンのデザイン部門での受賞1件と、エアコンおよび冷蔵庫によるHonoree選出3件を合わせ、計4件の評価となる。
■TCL CSOTのインクジェット印刷OLEDが金賞
IFA会期に合わせて発表されたGlobal Product Technology Innovation Awardsでは、TCL CSOTの「IJP OLED UHD 120Hz Monitor Display」がOLED Display Solutions Gold Awardを受賞した。
受賞したのは27型、UHD解像度、リフレッシュレート120Hzのディスプレイパネルである。TCL CSOTによると、全画面輝度は最大500ニトで、赤、緑、青のサブピクセルを縦方向に並べた独自の「Real Stripe RGB」配列を採用する。
インクジェット印刷OLEDは、有機発光材料を含む液体を基板上に塗り分けて発光層を形成する製造技術である。真空蒸着とメタルマスクを中心とする一般的なOLED製造とは異なる工程を利用できる点が特徴となる。
Real Stripe RGB配列は、文字や細い輪郭の周囲に生じる色のにじみを抑えやすく、文書作成や画像編集など、細部の見え方が重要な用途との相性がよい。印刷工程による材料利用効率や生産性の向上も研究・開発の焦点となってきた。
TCL CSOTとMSIは2026年8月、このパネル技術を採用する27型4K・120Hzの業務用モニターを発表している。IFAで展示された500ニト仕様のパネルは、TCL CSOTが展開する印刷OLED技術の改良版に位置付けられる。
金賞の受賞は、OLEDの画質やリフレッシュレートだけでなく、製造工程そのものがディスプレイ産業の競争領域になっていることを示している。一方、受賞は製造コストの低下や小売価格の下落を保証するものではなく、今後は量産規模や採用製品の広がりが焦点となる。
■IFAイノベーション・アワードとは別の表彰制度
IFAイノベーション・アワードとGlobal Product Technology Innovation Awardsは、IFAに合わせて発表されるが、別々の表彰プログラムである。
IFAイノベーション・アワードでは、技術・機能、デザイン・美観、独自性・革新性などを基準に応募製品を審査する。2026年の公式一覧では、各カテゴリーのWinnerと、これに続くHonoreeが区別されている。
LGのBest Brand、LG OLED evo AI Wallpaper TV W6、LG Sound Suite、Samsung Bespoke AI WindFree Proのデザイン部門受賞は、IFAイノベーション・アワードによるものだ。
一方、TCL CSOTのインクジェット印刷OLEDディスプレイに贈られたOLED Display Solutions Gold Awardは、Global Product Technology Innovation Awardsによる評価である。両制度の受賞数や賞の名称は、同一の基準で単純に比較できない。
■受賞製品に共通する設計の方向性
今回の受賞製品からは、AIやセンサーを単独の付加機能として搭載するのではなく、映像、音響、空調、食材管理といった製品本来の働きに組み込む方向性が見える。
LG Sound Suiteはスピーカーの設置状態を音響調整に利用し、Samsungのエアコンは利用者の位置や動きを気流制御に反映する。冷蔵庫では、庫内カメラによる食材認識を管理やレシピ提案につなげている。
外観と機能を一体化する設計も共通する。LG W6は接続端子を別体化することで壁面の配線を減らし、Samsungのエアコンは気流制御に必要な構造を室内になじむ外観へ組み込んだ。
TCL CSOTの印刷OLEDは、完成品の機能ではなく、ディスプレイを作る工程に革新の焦点を置く。IFA 2026の受賞製品は、利用者が直接触れる製品設計と、その背後にある部品製造の双方で技術開発が進んでいることを表している。
■IFA 2026は9月8日まで開催
IFA 2026は9月4日から8日まで、ドイツ・ベルリンのMesse Berlinで開催される。会場のInnovation Awards Zoneでは、IFAイノベーション・アワードの受賞製品やHonoreeが展示される。
IFA側は、同賞が応募資料を基にした審査委員会の評価であり、独立した試験機関による性能試験や、個々の製品に対する購入推奨ではないとしている。受賞製品に掲げられた性能値についても、メーカーの試験条件や対象モデルを含めて確認する必要がある。
元記事: LG Wins Best Brand at IFA Innovation Awards as Samsung Earns Four Prizes
※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。
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