キオクシア・イビデンが10月1日付で株式分割 AI半導体株は買いやすくなるのか

キオクシア岩手北上工場(撮影:掬茶、Wikimedia Commons、CC BY-SA 4.0)[写真拡大]
キオクシアHDとイビデンが、2026年9月末を基準日として10月1日付で株式分割を実施する。キオクシアHDは1株を3株、イビデンは1株を2株に分割する。両社の業績や事業内容と合わせて比較する。
9月4日の株価は、キオクシアHDが前日比5.4%高の5万4,460円、イビデンが同3.8%高の2万475円だった。100株の必要資金はそれぞれ約545万円と約205万円になる。現在の株価を基準にすると、分割後は約182万円と約102万円となる。
最低投資額は下がるものの、東京証券取引所が望ましい投資単位として示す5万円以上50万円未満と比べれば、両社とも依然として高い。株式分割によって企業価値が変わるわけでもない。投資判断では、業績の成長性と株価への織り込みを確認したい。
キオクシアHDは、データセンターやスマートフォンなどに使われるNAND型フラッシュメモリーを手掛ける。2027年3月期第1四半期の親会社の所有者に帰属する四半期利益は8,421億円となり、前年同期の約46倍に拡大した。AI向けデータセンターの需要拡大やメモリー価格の上昇が業績を押し上げた。
同社は8月、サンディスクと共同で政府支援を前提に国内に約5兆円を投資する方針も示した。生産能力や技術開発の強化が期待される一方、巨額の設備投資には需要変化や供給過剰のリスクが伴う。メモリー市況によって収益が変動しやすい点にも注意が必要だ。株価は6月22日に上場来高値の112,700円まで上昇した後、9月4日には5万4,460円と半値以下になっており、値動きの大きさも考慮したい。
イビデンは、生成AI用サーバーなどに使われる高機能ICパッケージ基板を成長分野としている。2027年3月期第1四半期は、売上高が前年同期比26.4%増の1,232億円、営業利益が同52.4%増の268億円だった。大野事業場の生産安定や円安も利益を支えた。
イビデンは第1四半期決算に合わせ、2027年3月期の営業利益予想を従来の900億円から1,270億円へ引き上げた。AIサーバー向け需要が成長をけん引する一方、特定顧客への依存度や大型設備投資の回収が注目点となる。株価は7月1日に2万7,480円まで上昇した後、9月4日は2万475円となっており、キオクシアHDと同じく値動きの大きさも考慮したい。
キオクシアHDはAI時代のデータ保存需要、イビデンは高性能半導体を支えるパッケージ基板が成長の軸となる。両社ともAI投資拡大の恩恵を受けるが、キオクシアHDではメモリー価格と需給、イビデンでは主要顧客の投資動向と生産能力が重要になる。
10月1日付の株式分割によって、両社の最低投資額は大幅に下がる。ただし、分割後も100株の購入には100万円を超える資金が必要となる見込みだ。成長期待に加え、業績変動と高い株価水準を受け入れられるかが、両社を選ぶ際の判断材料になりそうだ。(記事:林田孝治・記事一覧を見る)
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