サムスン、IFA 2026の大型展示をベルリン市内へ移転 1,100Hz対応「Odyssey G6」など披露

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Samsung Electronicsは、ドイツ・ベルリンで開催される「IFA 2026」に合わせ、メッセ・ベルリンの大規模展示ブースに代えて、市中心部のフンボルト・カレに独自の体験スペース「Samsung Connect」を開設した。会期は2026年9月2日から6日までで、テレビ、ゲーミングモニター、家電、モバイル製品を通じ、AIを日常生活に組み込む「Your Companion to AI Living」を提案している。
メッセ・ベルリンではIFA Creator Hubのメインスポンサーを務め、クリエイター向けの発信拠点にも関与する。製品をまとめて見せる従来型の大型ブースから、商談や体験、デジタル発信を組み合わせた展示形式へ軸足を移した格好だ。
■大型展示をベルリン市内のフンボルト・カレへ
Samsungは1991年のIFA初出展以来、長年にわたってメッセ・ベルリンの主要出展社として大規模な展示を行ってきた。2026年は、専門流通、企業顧客、メディアを主な対象とする展示を、メッセ会場から約8km離れたベルリン・ミッテ区のフンボルト・カレに移した。
IFA運営会社によると、この独自イベントはIFAの公式プログラムに組み込まれている。IFA ManagementのCEO、Leif Lindnerは、IFAがクリエイターエコノミーのプラットフォームへ発展していると説明し、Samsungの新しい展示形式によってIFAの活動範囲をベルリン市内へ広げる考えを示した。
Samsungはメッセ・ベルリンのPalais am Funkturmに設けられたIFA Creator Hubのメインスポンサーも務める。Creator Hubには、ライブ配信、ポッドキャスト、コンテンツ制作に利用できるスタジオや作業スペースが用意され、Samsungも独自のプログラムや体験企画を展開する。
フンボルト・カレの展示は「Entertainment Companion」「Home Companion」「Care Companion」の3ゾーンで構成される。Samsung Electronics Europeの最高マーケティング責任者であるBenjamin Braunは、AIは日常生活の中で利用者が直接実感できる具体的な便益を提供すべきだとの考えを示している。
■最大1,100Hz対応の「Odyssey G6」
展示製品の一つが、27インチのゲーミングモニター「Odyssey G6(G60H)」である。Samsungは、最大1,100Hzに対応する世界初のゲーミングモニターとして発表している。
Odyssey G6はFast IPS液晶パネルを採用し、2,560×1,440ピクセルのQHD解像度では最大600Hz、Dual ModeでHD解像度に切り替えた場合には最大1,100Hzで表示できる。中間階調の応答速度は1msとしている。
リフレッシュレートは、ディスプレイが1秒間に画面を書き換えられる回数を示す。1,100Hzでは約0.91ミリ秒ごとに画面を更新できる計算となり、動きの速い競技ゲームで残像感を抑え、対象を追いやすくすることを狙う。一方、実際に表示できる映像の滑らかさは、ゲームやPCが出力するフレームレート、応答速度、映像設定などにも左右される。
同製品は2025年12月の発表時には最大1,040Hzとされていたが、SamsungがGamescom 2026で発表した2027年Odysseyシリーズでは最大1,100Hzへ引き上げられた。世界市場への投入は2026年後半を予定しているが、価格や日本での発売時期は明らかになっていない。
2027年Odysseyシリーズにはこのほか、49インチの「Odyssey OLED G9」、42インチの曲面型「Odyssey OLED G7」、32インチの「Odyssey OLED G8」が含まれる。製品ごとに画面サイズ、解像度、リフレッシュレート、表示モードを変え、競技ゲームから映像重視のゲームまで幅広い用途に対応する。
■Micro RGBテレビと対話型AI
Entertainment Companionゾーンでは、SamsungのMicro RGBテレビと、テレビ向けAI機能「Vision AI Companion」を組み合わせた視聴体験を紹介している。
Micro RGBテレビは、100マイクロメートル未満の赤、緑、青のLEDをバックライトとして使用し、それぞれの色を個別に発光させる。Samsungによると、ドイツの認証機関VDEによる評価で、映像用の広色域規格「BT.2020」の色域を100%カバーした。
自発光ディスプレイであるMicro LEDとは異なり、Micro RGBはRGB LEDを液晶パネルのバックライトとして利用する。従来の白色または青色LEDを中心としたバックライトに比べ、光源の段階で赤、緑、青を細かく制御できることが特徴となる。
2026年の製品群は55インチから115インチまでのサイズをそろえる。CES 2026では、シリーズ最大となる130インチの「R95H」も発表された。
Vision AI Companionは、自然な会話を通じてコンテンツを検索したり、利用者に応じた候補や視聴中の内容に関係する情報を提示したりする機能だ。番組表やアプリを順番に操作する従来の方式に加え、利用者の質問や要望を起点としてテレビの機能やコンテンツにアクセスできるようにする。
■SmartThingsで家電と電力管理を連携
Home Companionゾーンでは、家電やスマート機器をSmartThingsで接続し、操作やエネルギー管理をまとめる仕組みを展示している。
「Bespoke AI Family Hub」冷蔵庫は、庫内カメラを使ったAI Visionで食材を認識し、保存されている食材に応じたレシピを提案する。大型タッチスクリーンでは、SmartThingsに接続された家電の電力使用量を確認し、機器を操作できる。
欧州向けの「Bespoke AI Washing Machine」には、7インチディスプレイやBixbyによる音声操作を搭載する。IFAの出展者情報によると、WF90F/24シリーズの一部モデルはEcoプログラムで欧州のエネルギー効率クラスAの基準値より最大55%少ない消費電力量を実現するという。
AI Energy Modeについても、Samsungは社内試験で対象プログラムの消費電力量をさらに最大70%削減したとしている。これらの数値は特定のモデル、洗濯物の量、プログラムなどの試験条件に基づくもので、実際の消費量は使用条件によって変わる。
キッチン家電では、調理中の煙やにおいを吸い込むファンとフィルターをIHクッキングヒーターに内蔵した、換気機能一体型の製品を展示する。天井や壁面に独立したレンジフードを設置せずに済むため、キッチンの空間を活用しやすくする。
ビルトイン食器洗い機については、欧州のエネルギー効率A等級の基準値より20%少ないエネルギーで動作するとSamsungは説明している。食器の汚れ具合を検知し、水量や消費電力を調整するAI洗浄機能も備える。
■「Samsung Galaxy S26 FE」も展示
Care Companionゾーンでは、スマートフォンやウェアラブル製品を健康管理や日常生活支援と結びつけて紹介している。中心となる製品の一つが、8月27日に発表された「Samsung Galaxy S26 FE」だ。
Samsung Galaxy S26 FEは、120Hz対応の6.7インチDynamic AMOLED 2Xディスプレイ、3nmプロセスのExynos 2500、4,900mAhのバッテリーを搭載する。充電は最大45Wの有線充電と15Wのワイヤレス充電に対応する。
背面カメラは、光学式手ぶれ補正機構を備えた5,000万画素の広角カメラ、1,200万画素の超広角カメラ、光学3倍ズームに対応する800万画素の望遠カメラで構成する。被写体を自動的に追跡して画面中央に収める「マイファンカム」や、移動しながら撮影する際に映像の水平を保つ「水平ロック」などの動画機能も備える。
ソフトウェアにはAndroid 17を基盤とするOne UI 9を採用する。Samsungは、7世代のOSアップグレードと7年間のセキュリティアップデートを提供する方針を示している。
米国価格は128GBモデルが699.99ドルから、欧州価格は799ユーロからとなる。主要市場では9月4日から販売するが、Samsung Newsroom日本の発表はグローバル発売に関するもので、日本国内での発売日や価格、販売方法は公表されていない。
同ゾーンでは、折りたたみスマートフォン「Samsung Galaxy Z Fold8」や「Samsung Galaxy Watch Ultra2」なども展示し、モバイル機器とウェアラブル機器を通じた活動記録や健康管理の機能を紹介している。
■メッセ会場ではXiaomiやLGが大規模展示
Samsungが主要製品の体験スペースを市内へ移す一方、メッセ・ベルリンの会場ではXiaomiやLG Electronicsなどが大型展示を展開している。
IFAに初出展したXiaomiは、ホール6.2のブース101で「Human × Car × Home」エコシステムを紹介する。IFAの公式プログラムによると、スマートフォン、スマートホーム、スマートモビリティなど380点を超える製品を展示し、世界で11億6,000万台を超える接続機器を持つAIoT基盤を訴求している。
LG Electronicsは、AIホーム向けのテキスト対話型エージェント「ThinQ Claw」を披露した。利用者の依頼や生活上の文脈を読み取り、接続された家電やサービスを連携させる仕組みで、料理の提案、室内環境の調整、家電の操作などを支援する。
Samsung、Xiaomi、LGはいずれも、個々の製品のAI機能だけでなく、テレビ、家電、スマートフォン、サービスを横断して利用者を支援する仕組みを展示の中心に置く。IFA 2026では、AIを搭載しているかどうかに加え、複数の機器をどのように連携させ、日常の操作や管理を簡略化するかが競争軸となっている。
■商談と情報発信を分ける展示戦略
SamsungはCES 2026でも、ラスベガス・コンベンション・センターの大規模展示ブースではなく、ウィン・ラスベガスに独自の展示スペースを設けた。IFAでも同様の形式を採用したことで、展示会場の通行客を幅広く集める方式から、目的を持って訪れる取引先やメディアに重点を置く姿勢が明確になった。
フンボルト・カレでは、来場者にテレビ、家電、モバイル機器を組み合わせた体験を順序立てて提示できる。一方、メッセ会場では競合各社の製品を同じ場所で見比べられるため、小売業者や来場者との偶発的な接点については従来の大型ブースと条件が異なる。
Samsungは、商談や製品体験をフンボルト・カレに集約し、メッセ会場のCreator Hubやオンラインでのコンテンツ発信を通じて幅広い層への認知を確保しようとしている。IFA 2026での取り組みは、巨大な展示ブースに複数の役割を担わせる方式から、商談、体験、コンテンツ制作を別々の拠点で展開する方式への転換を示している。
元記事: Samsung IFA 2026 Opens at Humboldt Carre, Not Messe Berlin, With World’s Fastest Gaming Monitor
※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。
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