Xiaomiが独自チップ「XRING O3」発表、10コアCPUとLPDDR6対応でAnTuTu 522万点を主張

2026年8月25日 19:56

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記事提供元:Tech Times

Xiaomiは2026年8月24日、北京で開催した技術発表会で、スマートフォン向けSoC「XRING O3」、AIアクセラレーター「XRING O100」、スマートドライビング向けプロセッサ「XRING D100」を発表した。

このうち最初に製品へ搭載されるXRING O3は、Arm C1シリーズで構成した10コアCPUとLPDDR6への対応が特徴だ。XiaomiはAnTuTu V11で522万8,014点を記録したとしているが、現時点で公表されている性能値は同社による測定結果が中心となる。搭載製品は2026年9月に中国で発売される予定だ。

■Arm C1シリーズで構成した10コアCPU

XRING O3のCPUは、最大4.35GHzのC1-Ultraを2コア、3.68GHzのC1-Premiumを4コア、3.15GHzのC1-Proを4コア搭載する。Armが低消費電力コアとして位置づけるC1-Nanoを採用せず、3種類のビッグコアで構成した設計である。

C1-Ultraはピーク性能、C1-Premiumは性能と効率の両立、C1-Proは持続性能を重視したArmのCPUコアだ。異なる特性のコアを組み合わせながら、軽負荷処理を主に担うLITTLEコアを搭載しない点がXRING O3の特徴となる。

Xiaomiによると、Geekbench 6.5ではシングルコア3,945、マルチコア15,221を記録した。マルチコア性能はXRING O1比で61%向上したという。AnTuTu V11の総合スコアは522万8,014点としており、同社はモバイルSoCとして初めて500万点を超えたと説明している。

製造プロセスについては、関係者の情報としてTSMCの3nm技術を使用すると報じられている。XiaomiとTSMCは、製造委託先やプロセスの詳細について報道機関からの問い合わせに回答していない。チップは240億個のトランジスタを133平方ミリメートルのダイに集積するとされる。

LITTLEコアを持たない構成で、低負荷時の消費電力や温度をどのように制御するかは、搭載端末の冷却設計や電力管理にも左右される。折りたたみ端末に搭載した状態での持続性能やバッテリー駆動時間は、市販機による評価が重要になる。

■LPDDR6に対応、帯域幅は113.8GB/s

XRING O3は、XiaomiのモバイルSoCとして初めてLPDDR6に対応する。Xiaomiは、モバイルSoCとしても世界初の対応になると説明している。

半導体の標準化団体JEDECは2025年7月、LPDDR6規格「JESD209-6」を公開した。LPDDR6はモバイル機器やAI処理を想定し、性能、電力効率、信頼性を高めるための新しいメモリ規格である。ダイ当たり2つのサブチャンネルを備え、各サブチャンネルは12本のデータ信号線を使用する。

XRING O3は4組の24ビット構成でLPDDR6を利用し、転送速度は10,667Mbps、メモリ帯域幅は113.8GB/sに達するとXiaomiは説明している。前世代のXRING O1が採用したLPDDR5Xと比べ、帯域幅は48%増加したという。

メモリ帯域と並列性の向上は、CPUやGPUだけでなく、画像処理やオンデバイスAIで大量のデータを継続的に読み書きする際にも重要になる。一方、実際のAI処理性能はメモリだけでは決まらず、モデルの量子化方式、演算器の構成、ソフトウェア最適化などにも依存する。

■200TOPSのNPUとArm系GPUを採用

XRING O3のNPUについて、XiaomiはA8W4換算で200TOPSのテンソル演算性能と、3.13TFLOPSのベクトル演算性能を備えるとしている。NPU性能はXRING O1比で45%向上したという。

AI処理はNPUだけに集中させず、CPU、GPU、画像信号プロセッサ、ディスプレープロセッサ、オーディオDSPなどにも分散する設計だ。用途に応じて複数の演算器を使い分けることで、撮影、表示、音声処理を含む端末全体でAI機能を動かす構成となっている。

GPUには16コア構成の「G2-Ultra NX」を採用する。これはXiaomiが独自に設計したGPUではなく、ArmのGPU技術を基盤とする。XiaomiはXRING O1と比べてグラフィックス性能が最大85%向上し、消費電力を最大64%削減したとしている。いずれも同社による測定値であり、比較条件をそろえた市販機での確認が待たれる。

■Xiaomi 18 FoldとPad 9 Pro Maxに初搭載

XRING O3は、折りたたみスマートフォン「Xiaomi 18 Fold」とタブレット「Xiaomi Pad 9 Pro Max」に搭載され、2026年9月に中国で発売される予定だ。日本での発売や価格、提供時期は発表されていない。

Reutersによると、XiaomiはXiaomi 18 Foldの出荷台数を20万~30万台とする目標を立てているという。この数字は関係者に基づく情報であり、Xiaomiは出荷目標について公式には回答していない。

調査会社Smart Analytics Globalによると、Huaweiは2026年第2四半期に中国で160万台の折りたたみスマートフォンを出荷し、市場シェアは68%だった。XiaomiはXRING O3をプレミアム折りたたみ端末へ搭載することで、自社設計チップの採用範囲を広げる。

前世代のXRING O1を搭載したスマートフォン、タブレット、スマートウォッチの累計出荷台数は100万台を超えたとXiaomiは説明している。独自SoCの投入は、外部の半導体メーカーへの依存を減らすだけでなく、自社の端末、OS、AIモデルに合わせてハードウェアを調整する取り組みでもある。

■AIアクセラレーターXRING O100は1.22TB/sを公称

同時に発表されたXRING O100は、大規模なAIモデルの推論処理を目的とする専用アクセラレーターだ。6nmプロセスの演算チップと2層のDRAMを垂直方向に積層し、演算器とメモリの間を短く幅広い接続経路で結ぶ。

大規模言語モデルの推論では、モデルの重みをメモリから繰り返し読み出す必要がある。このため演算性能だけでなく、メモリ帯域とデータ移動に伴う電力消費が処理速度を左右する。XRING O100のニアメモリ構成は、演算器の近くにメモリを配置し、データ転送を効率化するという発想に基づく。

Xiaomiによると、XRING O100のニアメモリ帯域幅は1.22TB/sに達する。Xiaomiの小規模言語モデル「MiMo 3B」では最大毎秒330トークンを処理したとしているが、モデルの設定や測定条件を含め、実用環境での性能は今後の製品で確認する必要がある。

XRING O100は開発と検証を終え、2027年の商用化を予定している。Xiaomiはスマートフォン、自動車、ロボットなどにおけるオンデバイスAIへの活用を想定しているが、具体的な搭載製品は発表していない。

■車載AI向けXRING D100も2027年に商用化

XRING D100は、スマートドライビング向けに開発された3nmプロセッサだ。20コアCPUと16コアNPUを備え、最大160GBのユニファイドメモリをサポートする。

Xiaomiは、最大2,000億パラメータのモデルをローカル環境へ配置できるとしている。実行可能なモデルの規模や性能は、数値形式、量子化、利用できるメモリ容量、処理内容などによって変わるため、パラメータ数だけで車載AIの能力を比較することはできない。

D100は検証を完了し、2027年の商用化が予定されている。最初に搭載する車種や演算性能を示すTOPS値、具体的な導入時期は明らかにされていない。

Xiaomiは、XRING O3、O100、D100を組み合わせた開発用コンピューター「Xiaomi AI Cube Prototype」も披露した。この試作機では、1,200億パラメータと30億パラメータのモデルをローカル環境で動かすデモが示されたが、市販の予定や価格は発表されていない。

■性能評価と供給体制は今後の焦点

XRING O3のベンチマーク、GPU、NPU、メモリ帯域に関する数値は、主にXiaomiが発表した測定結果である。CPU、GPU、NPUのピーク性能に加え、折りたたみ端末の限られた冷却能力の中で性能を維持できるかが実用上の焦点となる。

また、Reutersは関係者の話として、XRING O3の製造をTSMCが担当すると報じた。Xiaomiが自社で担うのはチップの設計であり、半導体製造そのものとは区別する必要がある。

XRING O1搭載製品の累計出荷は100万台を超えたものの、Xiaomi全体の端末事業に占める割合はまだ限られている。XRING O3の投入は単独のベンチマーク記録だけでなく、自社設計チップをスマートフォン、AI処理、車載システムへ段階的に広げる取り組みとして位置づけられる。

■企業向け調達では法制度と運用実績を併せて評価

企業や政府機関がXiaomi製品を調達する場合は、性能や価格に加えて、製品のデータ処理、更新方針、ソフトウェア構成、サプライチェーン、適用法令を個別に確認する必要がある。

中国の国家情報法第7条は、組織と国民に対し、法に基づいて国家情報活動を支持、援助、協力することを定めている。一方、第8条は、国家情報活動を法に基づいて行い、人権と個人・組織の合法的権益を尊重、保障することを規定している。

Xiaomiは、政府機関から受けた適法な個人情報開示要求に対応し、その件数などを透明性レポートで公表する方針を示している。法制度上の規定だけから個別製品のデータ処理を断定するのではなく、端末とクラウドの通信、保存地域、暗号化、管理機能、第三者監査などを含めて調達要件に照らすことが重要となる。

■注目ポイントQ&A

●XRING O3のCPU構成は一般的なモバイルSoCと何が違うのですか?

XRING O3は、C1-Ultra、C1-Premium、C1-Proという3種類のArmビッグコアを計10基搭載し、LITTLEコアのC1-Nanoを使用していません。ピーク性能だけでなく、異なる性格のビッグコアを組み合わせて負荷を分担する構成です。

●LPDDR6はオンデバイスAIにどのような利点がありますか?

メモリ帯域や並列性が高まることで、AIモデルの重みや中間データを演算器へ供給しやすくなります。ただし、実際の処理速度はNPUの構成、モデルの量子化、ソフトウェア最適化などにも左右されます。

●XRING O100の帯域幅は1.22Tbpsですか、それとも1.22TB/sですか?

Xiaomiが示した数値は1.22TB/sです。大文字のBはバイトを表すため、1.22Tbpsと比べて8倍の帯域幅に相当します。

●XRING O100はXRING O3搭載スマートフォンに内蔵されるのですか?

現時点ではそのような発表はありません。XRING O100は独立したAIアクセラレーターで、2027年の商用化が予定されています。具体的な搭載機器は明らかにされていません。

●Xiaomi 18 FoldやPad 9 Pro Maxは日本でも発売されますか?

2026年8月25日時点で確認できるのは、2026年9月に中国で発売される予定であることです。日本での発売日、価格、販売方法は発表されていません。

●公表されたベンチマークは実際の端末性能を示していますか?

Xiaomiが示した性能の一つの指標ですが、長時間使用時の発熱、消費電力、冷却設計、アプリごとの最適化までは判断できません。市販端末を使った第三者の継続負荷試験が必要です。

元記事: Xiaomi Xring O3 Tops 5M AnTuTu With All-Big-Core CPU and First LPDDR6 Mobile Chip

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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