Google「Gemini 3.7 Flash」発表、年末までAPI料金半額 業務自動化で競合超えをアピール

2026年8月15日 16:14

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記事提供元:Tech Times

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Googleは2026年8月14日、AIモデル「Gemini 3.7 Flash」を発表した。コーディング、AIエージェント、ナレッジワーク、Web開発を中心に前世代から性能を高め、2026年12月31日までAPI料金を通常価格の半額に設定する。業務自動化ベンチマークでは競合モデルを上回る結果を示しているが、すべての評価分野で首位に立ったわけではなく、用途ごとの比較が欠かせない。

■前世代から3週間で刷新、コーディングや計画能力を強化

Gemini 3.7 FlashのAPI料金は、2026年12月31日まで入力100万トークンあたり0.75ドル(約119円、1ドル=159円換算)、出力100万トークンあたり3.75ドル(約596円)となる。2027年1月1日以降は、入力1.50ドル(約239円)、出力7.50ドル(約1,193円)の通常価格に移行する。無料枠については、利用条件や上限が有料枠と異なる。

今回のリリースは、前世代のGemini 3.6 Flashからわずか3週間で実現した。Googleによると、開発者からのフィードバックとアルゴリズム面の改良を反映したもので、モデルカードでもGemini 3.6 Flashを基盤とすることが示されている。

Gemini 3.7 Flashはテキスト、画像、音声、動画を入力でき、最大100万トークンのコンテキストウィンドウと最大6万4,000トークンのテキスト出力に対応する。推論レベルを調整することで、品質、コスト、応答時間のバランスも変更できる。

Googleが公表した評価では、コーディングベンチマーク「FrontierCode 1.1 Main」で43.6%を記録し、Gemini 3.6 Flashの34.4%を上回った。ソフトウェアエンジニアリング評価「DeepSWE v1.1」では65.3%対49.0%、複雑な文書の処理能力を測る「GDP.pdf」では34.0%対22.0%となっている。

Web開発を評価するArena.aiの「WebDev Arena」では、Eloスコアが3.6 Flashの1,538から1,588に上昇した。Googleは、少ないプロンプトで実用的なレイアウトや必要な機能を備えたアプリを生成でき、スクリーンショットやデザインシステムなどの参照入力に対する再現性も高まったとしている。

複数工程の計画やツール呼び出しについても、実行前により入念な検討を行い、行き詰まった場合の対応や指示追従性を改善したという。エージェント型ワークフローでは、再試行や人による監視を減らせるかどうかが処理時間と運用コストを左右するため、実環境での検証が重要になる。

■AutomationBenchで競合をリード、結果の条件も確認が必要

発表時の比較で目玉となったのが、業務自動化ツールを手がけるZapierの「AutomationBench」だ。Googleの評価資料では、Gemini 3.7 Flashは30.4%を記録し、Gemini 3.6 Flashの17.0%、Claude Sonnet 5の10.7%、GPT-5.6 Terraの23.6%を上回った。

AutomationBenchは、営業、マーケティング、運用、サポート、財務、人事の6領域を対象に、CRM、メール、カレンダー、表計算などを模した環境でAIエージェントに業務を実行させる。回答文の印象を別のLLMに採点させるのではなく、処理後の環境が所定の成功条件を満たしたかを決定論的に判定する方式である。

Zapierは公開タスクに加え、公式ランキング用の非公開タスクを用意している。評価環境や採点方法は公開されているものの、同社はAIを使ったワークフロー自動化サービスの提供企業でもある。モデル選定ではAutomationBenchだけで結論を出さず、自社のデータや利用ツール、承認手順を再現した評価を併用する必要がある。

Artificial Analysisの「Intelligence Index」では、Gemini 3.7 Flashは56を記録した。Gemini 3.6 Flashの52やClaude Sonnet 5の55を上回る一方、GPT-5.6 TerraとMuse Spark 1.2の57にはわずかに及ばない。特定の業務自動化では高い性能を示すが、総合評価で一貫して首位というわけではない。

なお、Googleの評価資料には、GeminiモデルについてGoogle側で実施した測定と、外部の公開ランキングから取得した測定が混在している。ベンチマークを比較する際は、モデルの推論設定、エージェント実行環境、使用したツール、測定時点が同一かどうかも確認すべきである。

■競合に遅れをとる領域と「Gemini 3.5 Pro」の不透明な動向

Gemini 3.7 Flashは特定のタスクで高い能力を示す一方、競合に及ばない評価もある。画面を認識してキーボードやマウスを操作する能力を測る「OSWorld-2.0」では、Gemini 3.7 Flashが47.9%、GPT-5.6 Terraが50.2%となった。ブラウザやデスクトップアプリを直接操作する用途では、この差を実際の業務環境で検証する必要がある。

高難度の幅広い問題を扱う「Humanity's Last Exam」では、Gemini 3.7 Flashが26.3%、Claude Sonnet 5が33.3%だった。また、ナレッジワークを評価する「GDPVal-AA v2」でも、Gemini 3.7 Flashの1,525に対し、Muse Spark 1.2は1,628、Claude Sonnet 5は1,598、GPT-5.6 Terraは1,578となっている。

こうした結果から、Gemini 3.7 Flashは、高速性とコスト効率を重視しながら大量の処理を担う「主力モデル」という位置付けに合致する。コーディング、文書処理、Web開発、複数ツールを使う業務では有力な候補となるが、高度で長時間にわたる推論やGUI操作を含む用途では、競合モデルとの比較が必要だ。

上位モデルの展開にも不透明さが残る。Googleは2026年5月のGoogle I/Oで、フラッグシップモデル「Gemini 3.5 Pro」を翌月に提供する見通しを示していたが、8月14日時点で一般提供されていない。Googleはパートナーとテスト中であると説明しているものの、新たな提供時期は明らかにしていない。

GoogleはGemini 4の開発も進めているが、Gemini 3.5 Proが見送られるかどうかについて公式発表はない。複雑な推論や長い文脈を継続的に扱う用途では、未発表モデルを前提とせず、現在利用できるモデルで性能と運用条件を評価する必要がある。

組織面では、2026年8月5日にDemis Hassabis氏がGoogle DeepMindのCEOから会長へ移り、Alphabetのチーフサイエンティストに就任した。日常業務はGoogle DeepMindのシニアバイスプレジデントとなったKoray Kavukcuoglu氏が担う。

同日には、Googleに27年間在籍したJeff Dean氏が、Sanjay Ghemawat氏、Oriol Vinyals氏、Quoc Le氏とともに退社し、機械学習や科学、工学分野の研究を手がける新会社Discovery Loopを設立した。Alphabet株は一連の発表後に約4%下落した。企業ユーザーにとっては、製品ロードマップやサポート体制の継続性も今後の確認事項となる。

■提供先、安全対策、開発者が検討すべき導入基準

Gemini 3.7 Flashは、Gemini API、Google AI Studio、Android Studio、Google Antigravity、Gemini Enterprise Agent Platform、Gemini Enterpriseアプリで提供される。個人向けには、160か国以上のGoogle AI ProおよびGoogle AI Ultra加入者が利用できるパーソナルAIエージェント「Gemini Spark」の基盤モデルにも採用された。

SparkはGoogle Workspaceのアプリやツールを使い、ユーザーの指示に基づいて複数ステップのタスクを実行する。今回の更新では、複数のファイルやメールから情報をまとめる作業、メールの下書き、進捗文書の更新などで、精度と出力品質が向上したとGoogleは説明している。

安全面では、化学・生物・放射線・核に関するCBRN領域と、サイバー攻撃への悪用を想定した保護策が更新された。モデルカードによると、Gemini 3.7 FlashはGoogleのFrontier Safety Frameworkで定める重大能力レベルには達していないものの、CBRNとサイバーセキュリティの一部評価では早期警戒の対象となり、追加の保護策が適用されている。

年末までの期間限定価格は、大量のトークンを消費するエージェント型ワークフローを運用するチームにとって大きな利点となる。ただし、2027年1月1日には入力・出力料金がそれぞれ2倍になるため、導入判断では割引終了後の費用を前提に試算する必要がある。

コーディング、Web開発、文書処理、業務ツールをまたぐワークフローでは、Gemini 3.7 Flashを評価対象に含める価値がある。一方、GUI操作、高難度の推論、長時間にわたる複雑なエージェント処理では、GPT-5.6 TerraやClaude Sonnet 5などと同じタスク、同じ成功条件で比較すべきである。

■注目ポイントQ&A

●Gemini 3.7 Flashの利用料金と割引期間はどのようになっていますか?

2026年12月31日までは、入力100万トークンあたり0.75ドル(約119円)、出力100万トークンあたり3.75ドル(約596円)です。2027年1月1日以降は、入力1.50ドル(約239円)、出力7.50ドル(約1,193円)になります。料金はいずれも1ドル=159円で換算した概算です。

●Zapierが公開したAutomationBenchの結果は信頼できますか?

採点条件が明確で、AIエージェントが処理した後の環境を固定の成功条件で評価するベンチマークです。ただし、作成元のZapierは業務自動化サービスを提供する企業でもあります。モデルの採用を決める際は、AutomationBenchの順位だけでなく、自社の業務を再現したテストも行うべきです。

●未発売のGemini 3.5 Proの状況はどうなっていますか?

Google I/Oで示された2026年6月の提供予定を過ぎていますが、8月14日時点でも一般提供されていません。Googleはパートナーとテストしていると説明しているものの、新たな提供時期は公表していません。Gemini 4への統合や3.5 Proの中止についても公式な発表はありません。

●Gemini 3.7 Flashが競合モデルに劣る分野はどこですか?

OSWorld-2.0によるGUI操作ではGPT-5.6 Terraを下回り、Humanity's Last Examによる高難度問題の評価ではClaude Sonnet 5を下回っています。総合的なナレッジワーク評価でも競合モデルが上位に立つため、用途に応じた比較が必要です。

元記事: Google Cuts Gemini 3.7 Flash Price in Half as It Claims to Top Claude on Business Workflows

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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