約3300万円賞金の米料理番組「100 Cooks」で24歳の初代王者、同時期に米政府も料理番組を配信開始

2026年8月3日 11:29

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記事提供元:Tech Times

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7月最後の日曜日、米Food Networkの料理対決番組「100 Cooks」で、モンタナ州出身の24歳が優勝し、同局史上最高額となる21万5000ドル(約3397万円、1ドル=158円換算)の賞金を獲得した。同じ週には、米国保健福祉省(HHS)が政府制作のYouTube料理番組「The Real Food Show」を開始した。ケーブルテレビ局が手がけた意欲的な料理対決番組と、連邦政府がYouTubeを通じて各家庭に直接届ける料理番組。まったく異なる2つの番組が同じ週に登場したことは、2026年夏の米国において、キッチンが競争と自己証明の場であると同時に、政策手段にもなっている現状を映し出している。

■料理、父との死別、そして狩猟を通じて形作られたアイデンティティ

7月最後の日曜日、ロサンゼルスのキッチンに立ったモンタナ州ボーズマン出身の24歳、ブライス・スタブスは、「私の人生の物語(The Story of My Life)」と名付けた一皿を前に、自分の出場者番号が呼ばれるのを聞いた。「39番、ブライス・スタブス」。皿を構成していたのは、エルクのテンダーロイン、タロイモのフリット、ハックルベリーソース、コーンピューレだった。フランスの製菓学校に通うため、何年も油田で働いて資金を蓄えてきたスタブスは、米国屈指の家庭料理人99人を破り、「100 Cooks」でFood Network史上最高額となる21万5000ドル(約3397万円、1ドル=158円換算)の優勝賞金を獲得した。

スタブスはボーズマン郊外の小さなコミュニティー、チャーチルで育ち、本人が腕の立つ独創的な家庭料理人だったと語る父親と一緒に料理をしてきた。スタブスが13歳のとき、父親は突然亡くなった。それでもスタブスは料理を続けた。NBC Montanaによる優勝者紹介記事によると、モンタナ州立大学で金融を学ぶ一方、数十人規模の友人の集まりで定期的に料理を振る舞い、技術とともに自信を身につけていったという。

スタブスの料理人としてのアイデンティティーを形作っているのは、2つの要素だ。1つは、オアハカチーズやアナハイムペッパーといった食材に表れる、家族のメキシコ系のルーツ。もう1つは、エルクや鹿などの野生鳥獣肉を料理の中心に据える、モンタナ州のハンターとしての暮らしである。この2つの影響は、必ずしも同じ料理に収まるものには見えなかった。しかし「100 Cooks」の決勝では、1枚の皿の上で融合した。

KBZK Bozemanの報道によると、番組の撮影前にスタブスはすでに大きな一歩を踏み出していた。油田での仕事を辞め、フランスの製菓学校に入学していたのだ。優勝後、スタブスは21万5000ドルの賞金によって、プロのシェフになるまでの道のりで遠回りをせずに済むと語った。次に向かうのは、スペインにあるミシュラン星付きレストランのキッチンだ。

■SNSを通じたキャスティングと、スタブスを見いだした番組形式

Food Networkがスタブスを見つけたのは、従来型のオーディションを通じてではなかった。2025年12月、野生鳥獣肉を使った料理を中心に投稿し、フォロワー数も比較的少なかったスタブスのInstagramアカウントが、番組プロデューサーの目に留まった。数週間後、スタブスはロサンゼルス行きの飛行機に乗っていた。

このキャスティングの経緯自体が、料理対決番組の変化を映す一例となっている。2026年6月7日に放送を開始し、7週間で全9エピソードを放送した「100 Cooks」は、二重のランダム選出を軸に構成されている。抽選球を使う機械のような「クック・ミキサー」が、100人の出場者から課題に挑む人物を選び、「チャレンジ・ミキサー」が作る料理を決定する。出場者は得意料理をあらかじめ用意できず、機械が選んだ課題に対して、その場で実力を発揮しなければならない。

賞金の仕組みも、多くの料理対決番組とは逆になっている。各課題の勝者は、その課題に設定された比較的少額の賞金を受け取るか、それを優勝賞金に加えて競争を続けるかを選ぶ。優勝賞金は10万ドル(約1580万円)から始まり、後者が選ばれるたびに増えていく。スタブスは一貫して、賞金をその場で受け取るのではなく、競争を続ける道を選んだ。大会を通じて4回の「ベスト・ディッシュ」を獲得し、最後の8人への進出を最初に確定させた出場者となった。

番組の進行役は、俳優、元NFL選手で、長年テレビ司会者としても活動してきたテリー・クルーズが務めた。審査員は、「アイアン・シェフ」でFood Networkの600本を超えるエピソードに出演してきたアレックス・グアルナシェリと、SNSのフォロワーが合計5000万人を超える料理コンテンツクリエイター、ニック・ディジョバンニだった。

決勝では、出場者に完全な自由が与えられた。スタブスは撮影開始前に、エルクのテンダーロイン、ハックルベリー、オアハカチーズ、タロイモ、アナハイムペッパーという5つの食材をリクエストしていた。これらを使い、モンタナの自然、母親のメキシコ料理、そして欧州で学び始めたフランス菓子の技術という、自らの人生を表現する一皿を作り上げた。審査員のグアルナシェリは「打ち負かすのは難しい」と評し、ディジョバンニはスタブスにとって大会を通じて最高の料理だと評価した。審査員団の投票は満場一致だった。

「番組で優勝した。勝ったんだ。言葉が出ない」と、結果発表後にスタブスは語った。「この大会は、最初から最後まで私を肯定してくれるものだった」

■ケネディ長官が食事ガイドラインをキッチンに持ち込む

スタブスの物語がモンタナ州の地域ニュースで広まっていた同じ週、米国保健福祉省(HHS)のロバート・F・ケネディ・ジュニア長官は、ニューヨーク州北部のフォート・ドラムに新設された食堂施設の開所式で、「The Real Food Show」の開始を発表した。すでにYouTubeとHHSのウェブサイトで公開されている初回エピソードでは、ケネディ長官がシェフのアンドリュー・グリュエルと一緒に料理した。メニューは、リンゴ、白インゲン豆、葉物野菜のサラダを添えた、表面をカリッと焼いたサーモンケーキだ。HHSは、可能な限り1人前を5ドル(約790円)未満にするという番組の基準を満たしていると説明している。

この番組は、ケネディ長官が進める「Eat Real Food」イニシアチブの新たな展開であり、同イニシアチブは2026年1月に発表された「2025~2030年版アメリカ人のための食事ガイドライン」と結びついている。このガイドラインは、長年使われてきた食品ピラミッドを再構成し、タンパク質、全脂肪乳製品、野菜、果物を精製穀物より上位に置いた。数十年にわたる政府の指針からの大きな転換だ。

一方、このガイドラインは科学的な論争がある中で発表された。1980年以来初めて、食事ガイドライン諮問委員会による標準的な策定プロセスが経られず、ハーバード大学、スタンフォード大学、公益科学センターの研究者らは、完成した文書の栄養学的な正確性に懸念を示した。

ケネディ長官が番組を始めた理由は明快だ。多くの米国人が、健康的な食事はファストフードより高いと考えており、それが正しくないことを証明したいという。「ファストフードの方が安いわけではない」と、ケネディ長官は番組開始前にUSA Todayに語った。「あの食事には12~14ドル(約1896~2212円)かかる。家庭なら、はるかに安く、はるかに良いものを食べられる。しかし、多くの米国人は料理の仕方を忘れてしまった」

■栄養士が指摘する「手頃な価格」の条件

初回のレシピには、管理栄養・食事指導の専門家からも検証の目が向けられた。登録栄養士でWalsh Nutrition Consulting社長のマリアン・ウォルシュは、サーモンケーキのレシピには確かな栄養上の利点があると指摘した。サーモンからはタンパク質と心臓の健康に良いオメガ3脂肪酸、ルッコラとリンゴからは抗酸化物質と食物繊維、豆からはさらに食物繊維を摂取できる。

一方、登録栄養士でPrime Women Nutritionを経営するジュリアナ・ボッカは、1人前5ドルという数字が、多くの家庭が実際に負担する食料品費を反映しているのか疑問を呈した。この金額はレシピ全体ではなく1人前当たりであり、冷凍食材や缶詰を使うことを前提としている可能性もあると指摘している。

HHSは、番組の制作費に関する質問に公には回答していない。今後のエピソードには、米軍基地の食事を全面的に見直す別の取り組みを進めているシェフ、ロバート・アーバインが登場する予定だ。その取り組みの3カ所目となるフォート・ドラムが、今回の番組開始イベントの会場となった。

■同じ週に起きたことには意味があるのか

スタブスの優勝とケネディ長官による番組開始の時期が重なったのは偶然だ。「100 Cooks」の決勝は7月19日に放送され、地域メディアによる続報が7月末の週に相次いだ。「The Real Food Show」は7月30日、ニューヨーク州で開かれた政府行事で開始された。同じニュースサイクルに登場するよう、誰かが計画したわけではない。

しかし、この偶然の一致は、偶然だからこそ編集上の意味を持つ。この夏、特に目立った2つの食文化イベントは、互いに調整されることなく登場したが、どちらも米国人の根底にある同じ欲求に訴えかけていた。料理には意味があり、何をどう食べるかはその人が何者であるかを表し、キッチンはアイデンティティーが形作られる場所だという信念である。

スタブスの物語は、モンタナ州の田園地域、野生鳥獣肉、父親から受け継いだもの、SNS、フランスの製菓学校、何百万人もの視聴者が見る料理対決番組を結びつけ、そのすべてを「私の人生の物語」と名付けた一皿に集約した。ケネディ長官の番組は、連邦政府の食事政策、YouTubeチャンネル、有名シェフ、軍事基地の開所式を結びつけている。突き詰めれば、どちらも「米国人が何を料理するかを誰が決めるのか」、そして「それがなぜ重要なのか」をめぐる主張だ。

違いは、そのうち一方には、参加するための納税者負担がないということだ。

■注目ポイントQ&A

●Food Networkの「100 Cooks」で優勝したのは誰ですか?また、優勝者はいくら受け取りましたか?

モンタナ州ボーズマン出身の24歳の油田労働者、ブライス・スタブスが「100 Cooks」の初代王者になりました。獲得した賞金は、Food Network史上最高額となる21万5000ドル(約3397万円、1ドル=158円換算)です。スタブスはプロのキッチンで6カ月働いた経験を持ち、全9エピソードの大会で4回の「ベスト・ディッシュ」を獲得しました。決勝では、「私の人生の物語」と名付けたエルクのテンダーロイン料理で優勝しました。

●「The Real Food Show」とは何ですか?どこで視聴できますか?

「The Real Food Show」は、米国保健福祉省が制作し、ロバート・F・ケネディ・ジュニアHHS長官が出演するYouTube料理番組です。2026年7月30日にYouTubeとHHSの公式ウェブサイトで配信を開始しました。ケネディ長官が著名なシェフと一緒に料理し、「2025~2030年版アメリカ人のための食事ガイドライン」に沿った、自然な状態に近い食材や加工度の低い食材を中心とする食事を、1人前5ドル未満で作れることを示すのが狙いです。無料で視聴できます。

●「100 Cooks」はほかのFood Networkの料理対決番組とどう違うのですか?

「100 Cooks」は二重のランダム選出方式を採用しています。「クック・ミキサー」が各課題に挑戦する出場者を無作為に選び、「チャレンジ・ミキサー」が作る料理を無作為に決めます。出場者は得意料理を事前に用意できません。優勝賞金は10万ドルから始まり、各課題の勝者がその場で賞金を受け取らず、競争の継続を選ぶと増額されます。ゲーム番組の仕組みを取り入れ、準備してきた専門料理ではなく、その場での適応力を試す形式です。「Chopped」や「Top Chef」のように、あらかじめ構成された勝ち抜き方式の番組とは異なります。

●「The Real Food Show」の1人前5ドルという主張は正確ですか?

レシピの内容や、家庭が食材を購入する店舗によって異なります。登録栄養士のジュリアナ・ボッカは、この数字がレシピ全体ではなく1人前当たりであり、生鮮食材ではなく冷凍食材や缶詰を使うことを前提としている可能性があると指摘しています。ケネディ長官は、家庭で作る加工度の低い食事と、通常1食12~14ドルかかるファストフードを比較し、手頃な価格だとの主張を擁護しています。初回レシピの費用について、独立した検証結果はまだ公表されていません。

元記事: Food Network Crowns First 100 Cooks Champion as HHS Launches Rival Cooking Show

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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