20日の米国市場ダイジェスト:米国株式市場はまちまち、景気後退懸念くすぶり神経質な展開

2022年5月23日 06:29

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記事提供元:フィスコ

*06:29JST 20日の米国市場ダイジェスト:米国株式市場はまちまち、景気後退懸念くすぶり神経質な展開
■NY株式:米国株式市場はまちまち、景気後退懸念くすぶり神経質な展開

ダウ平均は8.77ドル高の31,261.90ドル、ナスダックは33.88ポイント安の11,354.62で取引を終了した。

都市封鎖で景気後退が懸念されている中国において、中国人民銀行(中央銀行)が経済支援を目指した予想外の利下げを実施、世界経済の鈍化懸念が緩和し、寄り付き後上昇。ただ、国内経済が来年にも景気後退入りするとの懸念が根強く、次第に売り圧力が強まり、下落に転じた。一方、この日は大規模なオプションが満期を迎え、テクニカルな取引も見られ、荒い展開のなか引けにかけてNYダウは再びプラス圏を回復。ナスダック総合指数は小幅下落となった。セクター別では耐久消費財・アパレルや医薬品・バイオテクが上昇した一方、自動車・自動車部品が大幅下落。

履物販売会社のフットロッカー(FL)は四半期決算で1株利益が予想を上回ったほか、既存店売上も予想ほど悪化しなかったため、買われた。また、靴メーカーのデッカーズアウトドア(DECK)は四半期決算で1株利益が予想を上回り、上昇。ノースフェイス、ティンバーランドなどのアパレルブランドを運営するVFコープ(VFC)はノースフェイスブランドの売上が強く、楽観的な業績見通しを示し、上昇した。一方、農機具メーカーのディア(DE)は、農家の肥料などのコスト上昇により農機具の需要が低迷した結果、四半期決算で売上高が予想を下回り、下落。

S&P500種指数は週間ベースで7週連続下落と、2001年以来の長期下げ局面となった。

(Horiko Capital Management LLC)


■NY為替:中国金融緩和も世界経済減速への懸念残る

20日のニューヨーク外為市場でドル・円は、128円25銭まで上昇後、127円59銭まで反落し127円95銭で引けた。黒田日銀総裁が「エネルギー価格によるCPI上昇で、2%を安定的に達したとは言えない」とし、YCC軸に緩和を続ける計画を再表明したため一時円売りが強まった。しかし、米国のリセッション懸念が強まり米国債利回りの低下に伴うドル売りや、株安に連れたリスク回避の円買いに反落。

ユーロ・ドルは1.0580ドルから1.0533ドルまで下落し、1.0556ドルで引けた。フィンランドはロシアがガス供給を21日に停止することを明らかにし、欧州経済が悪化するとの懸念がユーロ売り圧力となった。ユーロ・円は135円41銭から134円58銭まで下落。中国金融緩和も世界経済への懸念完全に払しょくできず、リスク回避の円買いに下落。ポンド・ドルは1.2500ドルまで昇後、1.2453ドルまで反落。英中銀のチーフエコノミスト、ピル氏が追加利上げが必要だとの見解を示しポンド買いが一時強まった。ドル・スイスは0.9717フランから0.9764フランまで上昇した。


■NY原油:小幅続伸、中国の金融緩和を好感した買いが入る

20日のNY原油先物7月限は小幅続伸(NYMEX原油7月限終値:110.28 ↑0.39)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物7月限は、前営業日比+0.39ドルの110.28ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは108.13ドル-111.04ドル。アジア市場で108.13ドルまで下げたが、中国の金融緩和が改めて好感されたことによってロンドン市場で110ドル台を回復。ニューヨーク市場の終盤にかけて111.04ドルまで上げ幅を拡大した。通常取引終了後の時間外取引では110ドル台で推移した。


■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC) 33.86ドル -0.59ドル(-1.71%)
モルガン・スタンレー(MS) 79.37ドル -0.59ドル(-0.74%)
ゴールドマン・サックス(GS)306.80ドル -1.40ドル(-0.45%)
インテル(INTC) 41.65ドル -0.36ドル(-0.86%)
アップル(AAPL) 137.59ドル +0.24ドル(+0.17%)
アルファベット(GOOG) 2186.26ドル -28.65ドル(-1.29%)
フェイスブック(FB) 193.54ドル +2.25ドル(+1.18%)
キャタピラー(CAT) 197.82ドル -8.94ドル(-4.32%)
アルコア(AA) 60.57ドル -1.48ドル(-2.39%)
ウォルマート(WMT) 119.20ドル +0.13ドル(+0.11%)《ST》

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