米国株式市場見通し:クリスマスラリー存続

2021年12月18日 14:44

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記事提供元:フィスコ


*14:44JST 米国株式市場見通し:クリスマスラリー存続
来週は、クリスマス祭日を控えて参加者も限定的となり、調整色が強まりそうだ。今週は新型コロナのオミクロン変異株感染急増で重症度が低いながらも、消費への影響が懸念され相場の重しとなった。ただ、専門家によると、間もなくピークを迎え、比較的短期間に勢力が弱まる見通しで、消費の速やかな回復に期待したい。また、不透明要因だったFOMCも通過。新年度に向けて、新たに投資がしやすい環境になる。このため、底堅い展開になるだろう。FRBは今年最後のFOMCで政策金利を据え置くと同時に、大半のエコノミストが想定していた通り、持続的な高インフレへの対処で資産購入縮小の規模を2倍に増やし、前倒しで終了する計画を発表した。スタッフの金利予測でも中間値で2022年に3回の利上げを予想しており、見通しにほぼ一致したほか、高インフレへの対応を投資家は好感している。サプライズなく、緩和解除の軌道におけるソフトランディング期待も好感材料になりそうだ。

調査によると、市場参加者の最大の懸念は現状で、利上げ。その次がインフレ、新型コロナと続く。新型コロナのオミクロン変異株が回復のリスクとなる可能性は除外できないが、パンデミック発生直後と違いワクチンや治療薬もあり、経済への影響は限定的だろう。また、オミクロン変異株感染拡大にもかかわらず世界各国の中央銀行が慎重に金融緩和の解除軌道にあることは同時に、回復の持続を予想していることにもなる。FRBの利上げも各会合で実施されるのではなく、段階的なペースで実施される見込みで、株式相場に混乱をもたらすとは思えない。

なお、24日はクリスマス関連で休場となる。

経済指標では、11月景気先行指数(20日)、7-9月期経常収支(21日)、11月シカゴ連銀全米活動指数、7-9月期GDP確定値、12月消費者信頼感指数、11月中古住宅販売件数(22日)、週次新規失業保険申請件数、11月個人所得・支出、11月PCEコアデフレーター、11月耐久財受注、12月ミシガン大消費者信頼感指数、11月新築住宅販売件数(23日)、などが予定されている。今後は、FRBの利上げのタイミングや速度に注目したい。FRBがインフレ指標として注視している変動の激しい燃料や食料を除いたコアのPCEデフレーターは4.9%と、1983年以降38年ぶり最大の伸びを記録する公算だ。FRBは来年2月にインフレがピークをつけると予想している。しばらく高インフレは続きそうだ。

主要企業決算では、半導体メーカーのマイクロン・テクノロジー、スポーツ用品ブランドのナイキ、クルーズ船運営するカーニバル(20日)、食品メーカーのゼネラル・ミルズ(21日)、給与・人事関連アウトソーシングソリューションを提供するペイチェックス、自動車販売のカーマックス、会計・コンサルティングサービスを提供するH&Rブロック(22日)などが予定されている。自動車販売のカーマックスの決算では、供給不足が影響した可能性に警戒だ。消費は引き続き強く、ナイキ決算には期待したい。

(Horiko Capital Management LLC)《FA》

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