24日の香港市場概況:ハンセン1.3%安で3日ぶり反落、不動産セクターに売り

2021年9月24日 18:00

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記事提供元:フィスコ


*18:00JST 24日の香港市場概況:ハンセン1.3%安で3日ぶり反落、不動産セクターに売り
24日の香港市場は、主要60銘柄で構成されるハンセン指数が前日比318.82ポイント(1.30%)安の24192.16ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が128.74ポイント(1.47%)安の8604.99ポイントとそろって3日ぶりに反落した。売買代金は1475億3790万香港ドルにやや縮小している(23日は1789億8020万香港ドル)。


中国不動産大手を巡る警戒感が重しとなる流れ。外電が23日、消息筋情報として伝えたところによれば、中国の中央政府は地方政府に対し、デフォルト(債務不履行)リスクに直面する中国恒大集団(3333/HK)が経営破たんする可能性に備えるよう指示したもようだ。中国人民銀行(中央銀行)の資金供給スタンスなどを支えに、指数はプラス圏で推移する場面がみられたものの、上昇の勢いは続かず、引けにかけて下げ足を速めている。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、ガラス生産の信義玻璃HD(信義ガラス:868/HK)が7.3%安、医療サービス企業の阿里健康信息技術(アリババ・ヘルス・インフォメーション・テクノロジー:241/HK)が6.4%安、スポーツ用品中国大手の李寧(リーニン:2331/HK)が5.4%安と下げが目立った。


セクター別では、本土・香港の不動産が安い。上述した中国恒大集団が11.6%、融創中国HD(1918/HK)が6.9%、龍湖集団HD(960/HK)が4.3%、恒基兆業地産(12/HK)が3.7%、新鴻基地産発展(16/HK)が3.1%、恒隆地産(101/HK)が2.9%ずつ下落した。香港不動産については、「中国が香港の不動産業界に対しても支配力を強化しようとしている」と先週報じられたことが売り材料として蒸し返されている。


セメントや鉄鋼の素材セクターも急落。中国建材(3323/HK)が6.7%安、華潤水泥HD(1313/HK)が6.6%安、安徽海螺水泥(安徽コンチセメント:914/HK)が6.1%安、鞍鋼(アンガン・スチール:347/HK)が8.8%安、馬鞍山鋼鉄(323/HK)が7.0%安、中国東方集団HD(581/HK)が5.4%安と値を下げている。当局が物価を安定させるため、素材価格の抑制スタンスを続けていることが改めて不安視された。

石炭や天然ガスの銘柄群も売られる。エン州煤業(1171/HK)が9.6%安、中国神華能源(1088/HK)が5.2%安、中国中煤能源(1898/HK)が3.9%安、華潤燃気HD(華潤ガス:1193/HK)が11.4%安、新奥能源HD(ENNエナジー:2688/HK)が9.3%安、中国燃気HD(中国ガス:384/HK)が5.3%安で取引を終えた。


一方、本土市場は4日ぶりに反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.80%安の3613.07ポイントで取引を終了した。素材株が安い。石炭株、金融株、公益株、不動産株、自動車株、インフラ関連株なども売られた。半面、食品飲料や酒造、小売など消費関連株の一角は高い。医薬品株、半導体株、海運株も買われた。

亜州リサーチ(株)《FA》

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