5日の中国本土市場概況:上海総合0.3%安で反落、素材セクターに売り

2021年8月5日 16:50

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記事提供元:フィスコ


*16:50JST 5日の中国本土市場概況:上海総合0.3%安で反落、素材セクターに売り
5日の中国本土市場は、主要指標の上海総合指数が前日比10.67ポイント(0.31%)安の3466.55ポイントと反落した(上海A株指数は0.31%安の3633.24ポイント)。


新型コロナウイルス変異種(デルタ株)感染拡大が不安視される流れ。中国で直近2週間の市中感染者数は、7月中旬まで半年間の合計を上回った。野村は最新リポートで、中国各地で昨年春以来の厳しい防疫対策が実施される可能性を指摘。サービス業を中心に一定の影響が出るとの見方を示している。すでに複数の工場が操業停止を余儀なくされる状況で、経済成長の鈍化が警戒された。もっとも、下値を叩くような売りはみられない。景気腰折れを回避するため当局は経済対策を強める——との観測も根強く、指数はプラス圏で推移する場面もみられた。(亜州リサーチ編集部)


業種別では、非鉄や鉄鋼など景気動向に敏感な素材が安い。江西銅業(600362/SH)が4.4%、中国アルミ(601600/SH)が3.2%、洛陽モリブデン(603993/SH)が3.1%、重慶鋼鉄(601005/SH)が2.0%、杭州鋼鉄(600126/SH)が1.6%ずつ下落した。食品飲料株、医薬品株、エネルギー株、運輸株、金融株の一角も売られている。


半面、ハイテク株の一角は高い。太陽光発電用ガラスの福莱特(601865/SH)が4.8%、IC設計の上海韋爾半導体(WILLSEMI:603501/SH)が3.6%、電子機器メーカーの国睿科技(600562/SH)が2.9%、パワー半導体の杭州士蘭微電子(600460/SH)が1.8%ずつ上昇した。福莱特は上場来高値を連日で更新している。また、上海市場のハイテク企業向け市場「科創板」では、ICファウンドリ中国最大手の中芯国際集成電路製造(SMIC:688981/SH)が5.1%高と大幅続伸した。不動産株、自動車株、防衛関連株も買われている。


一方、外貨建てB株相場は、上海B株指数が0.09ポイント(0.04%)高の260.13ポイント、深センB株指数が6.80ポイント(0.56%)安の1214.14ポイントで終了した。

亜州リサーチ(株)《FA》

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