ユーロ週間見通し:もみ合いか、ユーロ圏7月製造業・サービス業PMIが売買材料に

2021年7月17日 14:30

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記事提供元:フィスコ


*14:30JST ユーロ週間見通し:もみ合いか、ユーロ圏7月製造業・サービス業PMIが売買材料に
■弱含み、ユーロ圏の金利先高観は後退

今週のユーロ・ドルは弱含み。欧州中央銀行(ECB)デギンドス副総裁のインフレ上昇は一時的との見解を示したことや、ユーロ圏5月鉱工業生産の落ち込みを受けて、ユーロ売りが優勢となった。ただ、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言で金融緩和策を当面維持することが示唆され、ユーロ売り・米ドル買いはやや縮小した。取引レンジ:1.1772ドル-1.1880ドル。

■もみ合いか、ECBは金融緩和策の長期継続を提示か

来週のユーロ・ドルは、もみ合いか。欧州中央銀行は2%のインフレ率を設定し、一時的にはこの水準を上回ること(オーバーシュート)も容認している。欧州中央銀行は現行の金融緩和策を長期間維持する可能性が高いとみられており、ラガルド総裁の会見では金融緩和策の早期縮小について否定的な見解が提示される見込み。

予想レンジ:1.1700ドル−1.1900ドル

■弱含み、ECB金融緩和策の長期化観測強まる

今週のユーロ・円は弱含み。欧州連合(EU)で新型コロナウイルスのワクチン接種を完了した成人割合が50%を上回ったとの発表を好感し、リスク選好的なユーロ買い・円売りが先行した。しかし、世界的な変異ウイルス感染拡大への懸念が強まったほか、イタリア中央銀行のビスコ総裁が「金融引き締めはずっと先になる」と発言したことから、ユーロ売り・円買いが優勢になった。取引レンジ:129円61銭−131円09銭。

■もみ合いか、ユーロ圏7月製造業・サービス業PMIが売買材料に

来週のユーロ・円はもみ合いか。7月製造業購買担当者景気指数(PMI)と7月サービス業PMIの数値が有力な手掛かり材料になりそうだ。これらが市場予想とおおむね一致した場合、域内経済の持続的な回復への期待は残されることから、リスク回避的なユーロ売り・円買いが強まる可能性は低いとみられる。

○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント
・22日:欧州中央銀行理事会(金融政策は現状維持の予想)
・23日:7月マークイットサービス業PMI
・23日:7月マークイット製造業PMI

予想レンジ:129円50銭−131円50銭《FA》

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