アールシーコアは下値切り上げ、22年3月期収益改善期待

2021年4月27日 09:01

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 アールシーコア<7837>(JQ)は、自然材をふんだんに使ったログハウスのオリジナルブランド「BESS」を展開している。21年3月期は新型コロナウイルスの影響などで赤字予想だが、従来予想に比べて赤字幅が縮小する見込みだ。受注残の積み上げやコストダウン効果で22年3月期の収益改善を期待したい。株価は下値切り上げの動きを強めている。底固めが完了したようだ。戻りを試す展開を期待したい。

■ログハウスのオリジナルブランド「BESS」を展開

 自然材をふんだんに使った個性的な木の家であるログハウスのオリジナルブランド「BESS」の販売を、国内直販部門、連結子会社BESSパートナーズ(BP)社、および国内販社で展開している。

 20年3月期セグメント別(調整前)売上構成比は直販部門が26%、販社部門が50%、BP社が24%、営業利益構成比は直販部門が26%、販社部門が83%、BP社が▲9%だった。FCを中心とした事業展開で高資本効率を実現している。

 20年3月期末時点で展示場41拠点を展開し、東京都・代官山のBESS スクエア、神奈川・藤沢市のBESS 藤沢、東京都・昭島市のLOGWAY BESS多摩の3カ所を直営拠点としている。なお21年4月には東京・代官山のLOGWAY旗艦店を「BESS MAGMA LOGWAY、NIPPON」としてリニューアルオープンした。

 収益は直販部門とBP社の「BESS」売上、販社からのロイヤリティ収入および販社へのキット部材売上などである。四半期収益は物件引き渡し件数・時期などで変動しやすい特性がある。

 新中期経営計画ではスローガンに「曲がり真直ぐ、BESSの道」を掲げている。また重点施策としては、LOGWAY戦略のベストサイクル追求、新時代の暮らし方「梺(ふもと)ぐらし」の本格化、ブランドパートナー型FC制度の確立、長寿企業を目指す収益構造改革を推進している。

 なお21年3月には、運転資金および設備投資(東京・代官山のBESS本店リニューアル)への充当を目的として、シンジケーション方式によるコミットメントライン契約およびタームローン契約を締結した。

■21年3月期は新型コロナ影響だが、22年3月期収益改善期待

 21年3月期連結業績予想(7月31日公表、3月12日に利益を上方修正)は、売上高が20年3月期比9.7%減の159億円、営業利益が4億円の赤字(20年3月期は70百万円の黒字)、経常利益が5億円の赤字(同74百万円の黒字)、親会社株主帰属当期純利益が4億40百万円の赤字(同23百万円の黒字)としている。配当予想は30円減配の20円(第2四半期末10円、期末10円)である。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比5.6%減の118億60百万円、営業利益が3億11百万円の赤字(前年同期は1億99百万円の赤字)、経常利益が3億36百万円の赤字(同2億04百万円の赤字)、四半期純利益が3億49百万円の赤字(同2億23百万円の赤字)だった。新型コロナウイルスの影響などで前年比営業赤字拡大した。

 直販部門は0.2%増収で64.2%増益だった。受注は27.4%減少したが、期初受注残の売上進捗が順調だった。販社部門は21.0%減収で63.6%減益だった。新型コロナウイルスの影響などで受注が21.5%減少し、着工スケジュール長期化も影響した。BESSパートナーズは35.2%増収だった。19年1月から引き継いだ6拠点が売上増加に寄与した。直近に引き継いだ3拠点は運営経費が先行しているが、全体として赤字縮小した。受注は16.3%増加した。

 合計受注高は、東京都・代官山のBESS スクエアを改修工事で一時閉鎖(21年4月リニューアルオープン予定)したことも影響して、11.1%減の99億65百万円となった。期末受注残高は127億51百万円となった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高31億33百万円で営業利益4億21百万円の赤字、第2四半期は売上高44億90百万円で営業利益42百万円の黒字、第3四半期は売上高42億37百万円で営業利益68百万円の黒字だった。第2四半期と第3四半期は小幅ながら営業黒字に回復した。

 通期も新型コロナウイルスの影響などで赤字予想だが、従来予想に比べて赤字幅が縮小する見込みだ。コスト面で、WEB活用による営業効率の改善、人件費の圧縮など費用削減効果が寄与する。

 さらに早期着工推進による売上回転率の向上、生産~流通のトータルコストダウンによる売上総利益率の改善、BP社拠点の収益性改善などを強化する方針だ。受注残の積み上げやコストダウン効果で22年3月期の収益改善を期待したい。

■株主優待は3月末と9月末の株主対象

 利益配分については、DOE(純資産配当率)を重視した長期的視点での安定配当を行うことを基本とし、当面はDOEを7%程度まで高めることを目標としている。

 株主優待制度は毎年3月末および9月末時点の株主を対象として実施(詳細は会社HP参照)している。

■株価は下値切り上げ

 株価は下値切り上げの動きを強めている。底固めが完了したようだ。出直りを期待したい。4月26日の終値は760円、前期推定配当利回り(会社予想の20円で算出)は約2.6%、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS840円75銭で算出)は約0.9倍、時価総額は約34億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

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