3日の米国市場ダイジェスト:NYダウ121ドル安、長期金利上昇を警戒

2021年3月4日 07:46

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記事提供元:フィスコ


*07:46JST 3日の米国市場ダイジェスト:NYダウ121ドル安、長期金利上昇を警戒
■NY株式:NYダウ121ドル安、長期金利上昇を警戒

米国株式市場は続落。ダウ平均は121.43ドル安の31270.09ドル、ナスダックは361.03ポイント安の12997.75で取引を終了した。テキサス州などがパンデミック対策の全規制を解除すると発表したほか、バイデン政権がワクチンが5月末までに全国民に十分な量が確保できると発表し従来の予定から2カ月前倒しされたことで回復期待が強まり寄り付き後、ダウは堅調に推移した。しかし、2月ADP雇用統計や2月ISM非製造業景況指数が予想を下回ったほか、特に金利の上昇に敏感なハイテク株の売りに一段と拍車がかかると引けにかけかけ下落に転じた。セクター別では、エネルギーや銀行が上昇。自動車・自動車部品、半導体・同製造装置が下げた。

美術工芸専門販売会社のマイケルス(MIK)は投資会社のアポロが提示した買収案で合意したと発表し急伸。銀行のシティグループ(C)やバンク・オブ・アメリカ(BAC)は金利高が業績拡大に繋がるとの期待にそれぞれ上昇した。クルーズ船運営のノルウェ—ジアン(NCL)、航空のアメリカン(AAL)はワクチン普及加速で経済活動再開への期待にそれぞれ上昇。安売り雑貨チェーンのダラー・ツリー(DLTR)は予想を上回った決算が好感され上昇。一方で、ライブスポーツなどの動画配信を手掛けるフーボTV(FUBO)は大幅な赤字を計上し急落した。

クラウドのスノーフレーク(SNOW)は引け後に第4四半期決算を発表し、一株当たり損失が予想以上に広がったことが嫌気され、時間外取引で下落している。

Horiko Capital Management LLC

■NY為替:米長期金利再上昇でドル買い継続

3日のニューヨーク外為市場でドル・円は106円80銭から107円15銭まで上昇後、106円85銭まで反落し、107円02銭で引けた。米長期債利回りの上昇に伴うドル買いが強まったのち、2月ADP雇用統計や2月ISM非製造業景況指数が予想を下回り、ドル買いは一時後退したが、米連邦準備制度理事会(FRB)が公表した米地区連銀経済報告(ベージュブック)で、全米の経済活動がほとんどの地区で緩やかに拡大したことが明らかになり、ドルは底堅く推移した。

ユーロ・ドルは1.2043ドルまで下落後、1.2081ドルまで反発し、1.2063ドルで引けた。欧州中央銀行(ECB)のデギンドス副総裁は、利回り曲線の動向が「非常に穏やか」との見解を示しており、ユーロは下げ渋った。ユーロ・円は128円74銭から129円25銭まで上昇。ポンド・ドルは1.3921ドルまで下落後、追加財政支援策への期待で1.3991ドルまで上昇。ドル・スイスは0.9167フランから0.9199フランまで上昇した。

■NY原油:大幅反発で61.28ドル、需要増加への期待残る

NY原油先物4月限は、大幅反発(NYMEX原油4月限終値:61.28 ↑1.53)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物4月限は、前営業日比+1.53ドルの61.28ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは59.24ドル−61.99ドル。アジア市場で59.24ドルまで下げたが、まもなく反転し、ロンドン市場の序盤にかけて61ドル台まで買われた。OPECプラスによる供給増加観測を受けて60.22ドルまで売られたが、需要増加への期待は残されており、一時61.99ドルまで一段高となった。

■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC) 36.42ドル +0.89ドル(+2.50%)
モルガン・スタンレー(MS) 82.06ドル +1.27ドル(+1.57%)
ゴールドマン・サックス(GS)334.43ドル +3.49ドル(+1.05%)
インテル(INTC) 59.90ドル -1.34ドル(-2.19%)
アップル(AAPL) 122.06ドル -3.06ドル(-2.45%)
アルファベット(GOOG) 2026.71ドル -49.13ドル(-2.37%)
フェイスブック(FB) 255.41ドル -3.59ドル(-1.39%)
キャタピラー(CAT) 214.91ドル -0.91ドル(-0.42%)
アルコア(AA) 30.83ドル +3.33ドル(+12.11%)
ウォルマート(WMT) 127.59ドル -2.52ドル(-1.94%)《ST》

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