インテリックス Research Memo(7):2021年5月期は販売用不動産物件の売却等により増収増益となる可能性

2021年2月17日 15:07

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記事提供元:フィスコ


*15:07JST インテリックス Research Memo(7):2021年5月期は販売用不動産物件の売却等により増収増益となる可能性
■今後の見通し

1. 2021年5月期の業績見通し
インテリックス<8940>の2021年5月期の連結業績見通しについて、会社側では新型コロナウイルス感染再拡大により現時点では合理的に算定することが困難と判断し未定とした。ただ、弊社では増収増益となる可能性が高いと見ている。下期業績におけるマイナス要因としては、リノヴェックスマンションやリースバック物件の販売減少が見込まれるほか、リノベーション内装事業やホテル宿泊事業等の低迷長期化が挙げられる。一方、プラス要因としては、第3四半期に「アセットシェアリング三軒茶屋」(募集額6億円)を完売したこと、2021年3月に販売用不動産(東京都港区六本木)※の売却を予定していること等が挙げられる。特に、販売用不動産については、売却益が2020年5月期の連結経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益のそれぞれ30%以上になることを会社側で発表している。経常利益で計算すれば少なくとも223百万円以上の売却益となるが、物件取得時から相場は値上がりしているもようで、利益インパクトは大きくなると思われる。このため、同社では下期はリノヴェックスマンションやリース物件については仕入強化による在庫の積み上げを図ることによって、2022年5月期も増収増益を継続していく戦略を描いているものと思われる。

※敷地面積306.82m2、延床面積422.59m2、鉄筋コンクリート造7階建。


(1) 中古マンション再生流通事業(リノヴェックスマンション事業)
リノヴェックスマンション事業については、前述した通り仕入件数減少の影響が第3四半期以降に出てくるものと見られ、通期の販売件数については前期並みの水準に届くかどうかといった水準になるものと弊社では見ている。事業期間は第2四半期以降、大きな変化はないもようで、売上総利益率についても12%台の水準が続く見通しだ。ただ、コロナ禍が長引けば下押し要因となる可能性はある。

こうしたなか下期は仕入れを強化していくことになるが、仕入価格については引き続き適正水準での取得を進めていく方針となっている。エリア的には、シェアの低かった千葉県や埼玉県での仕入れを増やし、ここ数年低下傾向であった首都圏でのシェア再拡大を目指していく。このため、2020年10月に首都圏で渋谷、横浜に次ぐ3番目の営業拠点(東日本橋支店)を開設し、10名体制(内装コンサルタント1名、管理スタッフ2名含む)でスタートしている。同支店では東京都の東部と千葉県、埼玉県を主にカバーしていくことになる。

営業エリアごとのリノヴェックスマンションの市場シェアを見ると、2021年5月期第2四半期累計期間では首都圏が1.6%、地方エリアが3.7%となっている。特に、千葉県や埼玉県の市場規模は愛知県とほぼ同規模であるにもかかわらず、販売シェアは愛知県の3.4%に対して、埼玉県で1.5%、千葉県で0.5%と低い水準にとどまっている。参入企業が多く競争が激しいこともあるが、営業リソースを拡充した効果が今後どの程度出てくるか注目される。

(2) その他不動産事業
その他不動産事業のうち、物件販売については前期売上高4,269百万円に対して増収が見込まれる。「アセットシェアリング」シリーズについては「アセットシェアリング三軒茶屋」のみの販売で6億円強となり、ほぼ前期並みの水準となる。一方、リースバック物件の販売収入については通期で25億円~30億円程度になると予想される。下期は信託受益権の譲渡予定はなく、個別で売却案件が一部出る程度と思われ、仕入れを強化していく方針となっている。これらに、3月に売却予定の販売用不動産の売却収入を上乗せすると、物件販売については60億円を超えてくる可能性があると弊社では見ている。

リースバック事業における仕入強化のための施策として、認知度向上に向けたテレビCMを2020年末から東京で、2021年1月からは札幌、福岡でも流し始めているほか、Webマーケティングなどにも注力している。また、センチュリー21グループや大手電鉄系不動産仲介会社等との連携強化も進め、仕入ネットワークの拡大も推進しており、下期は仕入強化により保有物件数を再び積み上げていくフェーズに入る。


マンションの需要は新築から中古市場にシフトし、リノベーションマンションの需要は今後も着実に増加する見通し
2. リノベーションマンション市場の中長期見通し
首都圏におけるマンションの販売動向について見ると、2020年は中古マンションの成約件数はコロナ禍の影響もあって前年比6.0%減の35,825戸と1ケタ減に転じたほか、新築マンションの供給戸数も同12.8%減の27,228戸と大きく落ち込んだ。これで5年連続、中古マンションが新築マンションを上回ったことになる。不動産経済研究所の予測によれば2021年の新築マンションの供給戸数は3.2万戸程度となっており、2021年についても中古マンションの需要は新築マンションを上回る可能性が高い。

一方、中長期的に見れば中古マンション市場は拡大するとの見方に変わりない。国土交通省の調べによれば、全国のマンションストックは2019年時点で655.5万戸、このうちリノベーションが必要不可欠とされる築30年以上の物件は213.5万戸と約3割を占めているが、20年後の2039年には2.7倍の570.2万戸に拡大すると予想されているためだ。マンションの1棟建て替えには居住者の同意が必要であり、実現が容易でないことも戸別のリノベーションマンション市場拡大を後押しする要因となる。実際、これまでマンション建て替えの実績は全国で244棟(2019年4月時点)にとどまっている。このため、リノベーションマンション市場については今後も競争激化が続くと予想されるが、リノベーション内装工事でも豊富な実績を誇る同社にとって、中長期的な視点で見ても成長余地は大きいと言える。

なお、リノベーション住宅の認知度向上と流通促進を目的に2009年に発足した(一社)リノベーション協議会の会員数(不動産、設計、ハウスメーカー、住設メーカー等)で見ると、2019年度末に942会員と協会発足時以来、初めて減少に転じている(2020年7月時点では907会員)。リノベーションマンション市場に参入したものの、競争激化により撤退する企業が出てきたことなどが減少要因になっていると考えられる。

2019年度における適合リノベーション住宅件数(戸建含む)について見ると、前年度比2.2%減の7,155件と3年ぶりに減少に転じた。同社の2020年5月期における販売件数は1,336件だったことから、適合リノベーション住宅における同社のシェアは約19%と推定される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)《NB》

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