城南進研 Research Memo(7):2021年3月期は次年度の黒字化達成に向けた態勢固めを行う

2021年1月19日 15:17

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記事提供元:フィスコ


*15:17JST 城南進研 Research Memo(7):2021年3月期は次年度の黒字化達成に向けた態勢固めを行う
■城南進学研究社<4720>の今後の見通し

1. 2021年3月期業績見通し
コロナ禍の影響で期初段階では2021年3月期の業績見通しを未定としていたが、第2四半期累計決算発表と合わせて通期の計画も発表した。売上高は前期比12.8%減の5,885百万円、営業損失は454百万円(前期は679百万円の損失)、経常損失は445百万円(同658百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は641百万円(同299百万円の利益)となり、売上高が減少するものの、営業損失は縮小する見込みとなっている。

コロナ禍による業績への影響については、下期も継続することを前提にしている。また、2020年7月に同社ホームページへの不正サクセスにより一定期間、ホームページの閲覧ができなくなるなど生徒募集にも影響があったため、個別指導部門におけるFC教室に対してロイヤリティの減免を実施したほか、久ケ原スポーツクラブにおける設備改修工事に伴う一時営業休止に伴い、70百万円程度の減収影響を織り込んでいる。また、「城南予備校」事業終了に伴い952百万円の減収要因となる一方で、Tresterの子会社化に伴い120百万円程度の増収効果を見込んでいる。これら要因を除いた実質的な売上高はほぼ前期比横ばい水準を見込んでいることになる。既存事業で見れば、コロナ禍の影響が大きかったグループ会社の減収分を、映像授業部門や教育ソリューション事業(「デキタス」「クボタメソッド」)の拡大、並びに「城南ブレインパーク」の生徒数増加などで相殺していくことになる。

一方、利益面では「城南予備校」事業終了に伴う固定費削減効果で10億円強の増益要因となるほか、収益構造改革によるコスト削減で、損失額の縮小を見込んでいる。半期ベースの営業損失について見ると、前下期の509百万円を底に今上期は280百万円に縮小しており、下期は売上高の回復もあって損失額がさらに縮小する格好となる。

(1) 個別指導部門
個別指導の「城南コベッツ」「城南予備校DUO」では2020年6月以降、対面型授業とオンライン授業の両方で対応している(オンライン授業も料金は同額)。このため、生徒数についても徐々に回復傾向となっている。「城南コベッツ」ではEdTechの活用による学力向上モデルの構築にも取り組んでいる。小中学生向けには「デキタス」、中高校生向けには「atama+」をデジタル教材として導入し、また、学習の進捗度合いを管理するアプリとして「GoNAVI」の提供を開始しており、これらを組み合わせることで基礎学力の向上スピードを迅速化し、差別化戦略とする。なお、新規教室の開設については現段階では計画しておらず、既存教室の生徒数獲得に注力していく方針となっている。また、現在不採算になっている教室に関しては、2021年3月期末までにテコ入れして存続させる教室と閉鎖する教室に分別し、2022年3月期には不採算教室ゼロを目指している。

(2) 映像授業部門
映像授業の「河合塾マナビス」は第2四半期に一時的に落ち込んだものの、第3四半期以降は生徒数の増加によって堅調に推移する見通しだ。「河合塾マナビス」の新規校舎開設の予定は現時点でなく、今後、条件の良い立地場所が見つかれば検討する方針となっている。

(3) 幼少教育部門
幼少教育のうち、認可保育園や学童保育については第3四半期以降も堅調に推移する見通し。「くぼたのうけん」については、6月以降教室でのレッスンを再開したほか、12月下旬以降はオンライン授業も開始するなど多様なニーズに対応することで、売上高の回復を目指している。また、複合型スクール「城南ブレインパーク」が4校目となる豊洲校を2021年1月に開設するほか、ソリューション事業として「くぼた式育児法」を全国の保育園・幼稚園に拡販していく計画となっている。「ズー・フォニックス・アカデミー」についても、6月以降は教室で通常レッスンを再開しており、下期は堅調な推移が見込まれる。2021年4月にはインターナショナルスクール1校(南浦和校)を開設する計画となっている。

(4) デジタル教材部門
デジタル教材については「デキタス」の学校や学習塾での導入が進んでおり、有料受講者数の増加によって下期以降も右肩上がりの成長が期待される。「EdTech導入補助金」事業では、「デキタス」と(株)137が開発した学校連絡・情報共有サービス「COCOO(コクー)」を組み合わせたシステムの導入が進んでおり、その効果が確認されれば2021年4月以降も継続して利用される可能性が高く、現状の売上規模はまだ小さいものの、中長期的に成長ドライバーとなる可能性がある。

(5) グループ会社
a) 乳幼児・児童教育関連
乳幼児・児童教育関連のうち、城南ナーサリーやフェアリィーなど認可保育園については、第2四半期までと基調は大きく変わらないものと見られ、フェアリィーについては通期でも10%台の増収が見込まれる。

「クボタメソッド能力開発教室」など各種スクールを運営するリトルランドについては、第1四半期にコロナ禍の影響を受けたが、Web動画配信サービスを開始したこともあって堅調に推移する見通しだ。なお、リトルランドについては、2021年1月に同社の「くぼた式育児法」を統合し、「ワン・くぼた」を実現することになる。

Tresterが運営する「トレスター・インターナショナル・アフタースクール」は、1教場当たり40~100人の規模で、ネイティブ英語に接することができる学童保育施設として人気が高く、下期の売上高についても堅調に推移する見通しだ。2021年4月には既存校1校を移転拡大するほか、新規に1校(京急川崎駅前校(仮称))を開設する予定となっている。既に、キャンセル待ちが発生している状況にあり、開設当初から定員充足率100%でスタートする可能性が高くなっている。Tresterの売上高は年間1.7億円、営業利益率で8%程度だが、2022年3月期は校舎数が5校から6校となるため、売上高も2割程度の増収が見込めることになる。

b) 英語教育関連・スポーツ関連
リンゴ・エル・エル・シーやアイベックについては、6月以降、通常体制に戻っているものの、コロナ禍の影響で回復力は弱く、本格回復は2022年3月期以降になると予想される。

一方、久ケ原スポーツクラブでは、前述のとおり2021年1月から2月にかけて設備改修工事により営業を一時休止するため、下期も上期並みの売上水準となり、通期では前期比3~4割の減収となる見通しだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)《NB》

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