ハウスドゥは戻り歩調、21年6月期大幅増益予想

2020年10月13日 08:14

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 ハウスドゥ<3457>(東1)は、FinTechを活用した不動産流通ソリューションで業界変革を目指す不動産テック(不動産×IT)企業である。21年6月期は大幅増益(レンジ)予想としている。収益拡大を期待したい。株価は戻り歩調で1月の年初来高値に接近している。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。なお11月10日に第1四半期決算発表を予定している。

■住まいのワンストップサービスを展開する不動産テック企業

 住まいのワンストップサービスを展開し、FinTechを活用した不動産流通ソリューションで業界変革を目指す不動産テック(不動産×IT)企業である。

 不動産流通事業で創業し、リフォーム事業、不動産売買事業、不動産売買仲介「HOUSEDO」FC加盟店に各種サービスを提供するフランチャイズ事業、ハウス・リースバック事業、不動産担保ローン事業、金融機関と提携したリバースモーゲージ保証事業へと展開し、業容を拡大している。

■ストック収益型事業が収益柱

 ロイヤリティー収入、賃貸収入、金利収入など、ストック収益を積み上げるフランチャイズ事業、ハウス・リースバック事業、金融事業(不動産担保ローン事業、リバースモーゲージ保証事業)を成長強化事業と位置付けて収益の柱としている。なおハウス・リースバック事業では、取得した収益不動産物件の売却も進めている。

 成長強化事業の20年6月期営業利益構成比は77.2%(フランチャイズ事業が36.6%、ハウス・リースバック事業が40.0%、金融事業が0.6%)となり、19年6月期比6.4ポイント上昇した。

 フランチャイズ事業の20年6月期末累計加盟契約数は19年6月期末比41店舗増加の643店舗、累計開店店舗数は59店舗増加の556店舗である。20年9月には山形県の企業とフランチャイズ契約を締結し、全国47都道府県すべてに出店契約を達成した。中期的には国内1000店舗、アジア5万店舗を目標としている。また賃貸不動産仲介事業の新ブランド「レントドゥ!」も展開している。

 ハウス・リースバック事業の保有物件数は97件減少の217件、保有物件総額は18億48百万円減少の33億29百万円だった。HLB6号ファンドへの売却(譲渡価格約39億円)で期末保有物件は減少したが、契約件数は106件増加の660件、物件取得数は129件増加の634件と順調に増加している。

 金融事業の不動産担保融資実行件数は21件増加の207件、不動産担保融資残高は28億82百万円増加の110億45百万円、リバースモーゲージ保証件数は16件増加の145件、リバースモーゲージ保証残高は7億86百万円増加の34億円だった。残高積み上げによって収益が拡大している。

■ハウス・リースバック事業や保証事業を強化

 中期経営計画では目標数値を、22年6月期売上高437億61百万円、営業利益47億66百万円、経常利益45億円、純利益29億70百万円としている。

 重点戦略として、フランチャイズ事業の店舗数拡大、ハウス・リースバック事業の仕入強化、リバースモーゲージ保証事業の拡大、海外展開、M&Aへの積極的取り組みなどを推進する。20年8月にはDX(デジタルトランスフォーメーション)推進本部を設立した。グループの事業展開におけるDX推進に向けた環境整備および具体的な取り組みを促進する。また10月9日にはハウス・リースバック事業の拡大に向けて、北海道・札幌市に直営店「ハウスドゥ!家・不動産買取専門店 大通西店」をオープンした。

 M&A・アライアンスでは、19年6月エアトリステイおよびAirbnbと加盟店の空室活用で包括的業務提携、19年7月三井住友海上火災保険とFC加盟店対象の包括賠償制度「FC Triple Guard」を開発・提供開始、19年8月埼玉県草加市を中心に不動産売買・仲介を展開する小山建設グループを子会社化、20年7月子会社の草加松原住建の商号をハウスドゥ・ジャパンに変更した。またリバースモーゲージ保証事業で地域金融機関との提携を推進している。

■21年6月期大幅増益予想

 21年6月期の連結業績(レンジ)予想は、売上高が339億76百万円~375億32百万円(20年6月期比3.3%増~14.2%増)、営業利益が27億13百万円~35億12百万円(43.3%増~85.5%増)、経常利益が25億円~33億円(45.7%増~92.2%増)、純利益が16億50百万円~21億78百万円(60.1%増~111.3%増)としている。配当予想は未定としている。

 新型コロナウイルス影響が徐々に縮減すると想定し、各種取り組み効果で大幅増益予想である。セグメント別営業利益の計画は、フランチャイズ事業が13.4%増の20億42百万円、ハウス・リースバック事業が8.1%増~20.6%増の21億27百万円~23億72百万円、金融事業が627.1%増~986.8%増の2億16百万円~3億23百万円、不動産売買事業が46.5%増~149.4%増の4億93百万円~8億39百万円、不動産流通事業が1.0%増の5億80百万円、リフォーム事業が53.3%増~140.7%増の1億77百万円~2億78百万円、小山建設グループが143.5%増の2億53百万円としている。

 先行きが不透明であることを考慮してレンジ予想としたが、下限値をベースラインとし、各種取り組み効果を想定して上限値を設定したとしている。収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は毎年6月末の株主対象

 株主優待制度は毎年6月30日現在の1単元(100株)以上保有株主に対して実施している。株主優待ポイント表に基づいて進呈されるポイントを、株主限定特設インターネット・サイト「ハウスドゥプレミアム優待倶楽部」において、食品や電化製品などと交換(詳細は会社HP参照)できる。

■株価は戻り歩調

 株価は7月~8月の直近安値圏から反発して戻り歩調だ。そして1月の年初来高値に接近している。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。10月12日の終値は1340円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS上限値111円75銭で算出)は約12倍、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS592円27銭で算出)は約2.3倍、時価総額は約261億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

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