相場展望9月30日号 大統領選までは調整し、結果判明で年末まで株高 割安感と成長期待の芽を感じ、日本株投資

2020年9月30日 07:56

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■I.米国株式市場

●1.米株式市況の推移

 1)9/28、NYダウは+410ドル高の27,584ドル
  ・米追加経済対策への期待で景気敏感株に買いが入った。
  ・ボーイングは737MAXの試験飛行予定との報で株価は+6%高となり、市場を牽引。
  ・アジアと欧州の株式市場が総じて上昇したことも、投資家心理の買いを誘った。

【前回は】相場展望9月28日号 今週の注目すべきポイント (1) 欧州での新型コロナ再拡大 (2) 米大統領討論会 (3) 米雇用統計

 2)9/29、NYダウ▲131ドル安の27,452ドル
  ・米大統領選の討論会を控えて様子見となり、買いが止まり売り優勢となった。

●2.大統領選挙前までは日柄整理か、その後は年末にかけて株高か

 1)大統領選挙の投票日は11/3。それまでは買い手控えムードの中で、利益確定売りが強まっている。10月末にかけて成長株を中心に日柄整理が進むと予想している。

 2)過去100年の大統領選挙の年は、9~10月は株価が調整しやすい傾向が強いという結果になっている。

 3)大統領選挙の結果が判明した後は、蜜月ムードで年末にかけて株高になるというケースをイメージしている。

●3.大統領候補テレビ討論会9/29(第1回)に注目(日本時間9/30朝10時)

 1)世論調査(9/25)では、トランプ氏は6.7%差に縮め、一時の2桁から追い上げた。
  ・隠れトランプ支持者の存在や、支持層の投票率を考慮すると接戦かもしれない。

 2)選挙で負けが僅差の場合、トランプ氏は「政権の委譲は認めない」と発言しており、訴訟などの泥仕合となる懸念がある。

●4.トランプ氏、所得税10年間納めずと米NYタイムズ紙報道、本人は否定、大統領選挙焦点

 1)野党の民主党にとっては新たな攻撃材料が加わり、大統領選でも焦点になるだろう。

●5.混迷が続く米議会のため、追加景気対策が五里霧中

 1)春に実施した景気刺激策の効果は一巡し、追加景気対策が必要な状況にある。

 2)ところが、共和党・民主党が党利党略を優先し、追加対策の成立は極めて不透明だ。

 3)政治的混迷が、米景気や株式市場にも暗い影が覆っている。
  ・米成長率の10~12月期は下方修正
    ゴールドマンサックス 6% ⇒ 3%
    JPモルガン      3.5%⇒ 2.5%

 4)結局、景気刺激策の成立は大統領選挙・議会選挙の終了後になる可能性が出てきた。

●6.JPモルガンは「10月株式相場はリスクある可能性」とみている

 1)理由として、今夏、ハイテク株が牽引した株式相場の急上昇で含み益が膨らんだため、ポートフォリオのリバランスとして、主要投資家が株式保有分を縮小する動きが出やすくなる状況にある。

 2)そうなれば、米国や日本の年金基金、ノルウェーの石油基金などによる2,000億ドル規模の株式売却につながる可能性が出てくる。

 3)個人投資家の株式投資参入が膨張しているだけに、売りが売りを呼ぶ破壊的なものになる可能性があると、指摘した。

●7.米フィラデルフィア連銀総裁、「米雇用は2023年まで回復しない」と発言

 1)さらに、「米GDP成長率が、今年の新型コロナ前のペースに達する可能性は低い」とも。(トレーダーズ・ウェブより)

●8.実質金利低下は終わったか、終わりつつある

 1)米10年実質金利は過去最低水準(9/2、▲1.1242%)から反発基調にある。そして、直近の実質金利は2カ月ぶりの水準に上昇している。

 2)3/19の実質金利0.6548%からの低下基調は、終わったか、終わりつつあるとみる。

■II.中国株式市場

●1.上海総合指数

 1)9/28は▲1安の3,217
  ・中国8月工業企業利益が前年同月比+19.1%増と、4カ月連続で増加した。中国経済が順調に回復するとの期待が高まったが、株価の反応なし。
 2)9/29、+6高の3,224

●2.中国8月新車販売、前年同月比で+12%増、各社別はトヨタ+27.2%増、ホンダ+19.7%増

●3.中国政府は、国内半導体メーカーへの支援策を発表

 1)法人税を最大10年間にわたり免除・減免することで、国内供給体制の強化を後押しする。

●4.中国指導部、重要会議で次期5カ年計画(2021~2025年)の成長目標下げを承認へ(ロイターより抜粋

 1)中国指導部は、10月後半に開催される共産党の重要会議で2021~2025年の経済・社会発展計画を協議・承認する見通し。

 2)国内総生産(GDP)年間成長率について、『5%~6%』の目標を提言しているという。なお、2016~2020年の年平均成長率は6.5%以上を目標としていた。

 3)次期5カ年計画は、2021年初めに開催の全国人民代表会議(全人代)で公表と予想。

 4)UBSは顧客向けリポートで、2021~2025年の次期5カ年計画で成長率を(1)明確な成長目標を設定しない (2)引き下げて柔軟な成長率、例えば5%前後の目標設定をすると見込んでいる、と指摘した。

■III.日本株式市場

●1.日経平均の推移

 1)9/28、日経平均は+307円高の23,511円
  ・配当権利付き最終売買日で、高配当銘柄に買いが入って大幅高。
  ・米国政府が中国半導体のSMICに輸出規制をするとの報道で、半導体関連銘柄が安かった。

 2)9/29、日経平均は+27円高の23,539円
  ・9月末の配当権利落ちの影響度を約140円と踏まえると、実質+167円高。
  ・欧米株式の上昇や、中国景気回復期待で、買い傾向が強まった。

●2.日本株式市場に米投資家を引き付ける要因

 1)米国株疲れの高まり
  ・米国株式の上昇を、ハイテク株ばかりが牽引してきたことの不安。
  ・米国大統領選挙への不透明感。
  ・米中貿易摩擦の悪化がより深刻化。

 2)米国株の株価収益率(PER)が高過ぎることの不安
  ・シラー株価収益率(PER)は、米SP500の31倍に対して、日本株は19倍と低い。
  ・米ハイテク株の高PERの懸念が高まった場合、PERが低くて成長率に優れる企業を探して、欧州株や日本株に向かう流れが強まりつつある。

 3)新型コロナ対処が米国より優れている
  ・アジアの多くの諸国は、新型コロナ感染拡大の対処において米国よりも優れており、感染者が再度拡大しても対処できるという確信を高めている。

 4)菅首相になって日本は、成長戦略と規制改革を進める戦略を明確にした
  ・新型コロナで低迷した日本の経済成長から脱却の期待の高まり。

●3.企業動向

 1)NTT  ドコモを完全子会社化のため、4兆円規模で約34%株式公開買付け検討

■IV.注目銘柄(株式投資は自己責任でお願いします)

 ・6113 アマダ    中国景気回復期待。
 ・6954 ファナック  同上。
 ・9613 NTTデータ  政府デジタル化効果。
 ・1881 NIPPO    第3次補正予算で公共投資(道路)の波及効果大。

著者プロフィール

中島義之

中島義之(なかしま よしゆき) 

1970年に積水化学工業(株)入社、メーカーの企画・管理(財務含む)を32年間経験後、企業再生ビジネスに携わる。 現在、アイマックスパートナーズ(株)代表。 メーカーサイドから見た金融と企業経営を視点に、株式含む金融市場のコメントを2017年から発信。 発信内容は、オープン情報(ニュース、雑誌、証券リポート等々)を分析・組み合わせした上で、実現の可能性を予測・展望しながらコメントを作成。

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