【注目銘柄】ニチレキは業績上方修正とAI関連人気でバリュー株買いが再燃し反発

2020年9月17日 09:14

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 ニチレキ<5011>(東1)は、前日16日に14円高の1703円と反発して引け、取引時間中は一時1723円をつける場面もあり、7月28日につけた年初来高値1807円を視野に捉えた。同社株は、今年7月27日に今2021年3月期第2四半期(2020年4月~9月期、2Q)累計業績の上方修正を発表しており、期初の減収減益予想が増収増益と方向感が変わったことを見直しバリュー株買いが再燃した。AI(人工知能)を駆使して橋梁、道路の社会インフラ施設を点検する事業を積極展開していることも、側面支援材料視されている。

■原材料価格が低下する好事業環境下で高付加価値製商品も上乗せ

 同社の今3月期2Q累計業績は、期初予想より売り上げを40億円、営業利益を18億円、経常利益を20億円、純利益を13億円それぞれ大幅に引き上げ、売り上げ290億円(前年同期比6.6%増)、営業利益25億円(同95.7%増)、経常利益29億円(同2.08倍)、純利益20億円(前年同期は16億6400万円の赤字)と期初の減収減益予想が大幅増益転換し、純利益も、黒字転換幅を拡大させた。前年度からの繰り越し工事などが順調に推移し、原材料価格が低下する好事業環境下、長寿命化・高機能化の高付加価値製商品の拡販やコスト削減、業務の効率化などに取り組んだことなどが要因となった。なお純利益は、前年同期に計上した独禁法関連の特別損失が、一巡して大幅黒字転換する。

 今2021年3月期業績は、今期下半期の事業環境が不透明として期初予想を据え置いた。売り上げは630億円(前期比5.6%減)、営業利益は60億円(同0.2%減)、経常利益は62億円(同0.4%減)と小幅減収減益となり、純利益は42億円(同2.30倍)とV字回復を見込んでいる。

 なおAIによるインフラ点検システムについては、今年7月20日には橋梁の鉄筋コンクリート床版上面の損傷箇所を判定するシステム「smart床版キャッチャー」の開発を発表し、7月28日には緊急性の要する要修繕箇所を短期間に自動的に検出し、関連費用を従来の6割減とするシステムを開発し、「smart路面点検サービス」として8月1日から提供を開始すると発表した。

■PER11倍台、PBR0.93倍と割り負け上場来高値も一通過点

 株価は、年初来安値1118円から原油先物価格下落に伴う原材料価格低下や前期第3四半期の好決算、前期配当の増配などで1707円まで5割高し、いったん1529円まで下値調整となったが、今期2Q累計業績の上方修正や相次ぐAIシステムの開発発表で年初来高値1807円まで再騰し25日移動平均線を出没する中段もみ合いを続けてきた。PERは11倍台、PBRは0.93倍と割り負けており、25日線を上放れたここからバリュー株買いの再燃で年初来高値奪回して弾みをつけ、1990年につけた上場来高値1840円も一通過点になりそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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